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エーミール

行ってきまぁす

母さん

待って

エーミール

ん?どうかした?

少し曇った朝、家の前で靴を履き 母さんに挨拶すると呼び止められた 振り返ると心配そうな母さんとお隣さんが居て 何かあったのかと、心配が駆け巡る

母さん

貴方、いつも誰と遊んでるの?

エーミール

この街の子だよ?

おばちゃん

…ごめんな、エミ君
おばちゃん…昨日見てしまってん…

母さん

貴方…あの悪魔の子と遊んでたんでしょ?

エーミール

えっ…悪魔の子…?

おばちゃん

あの忌々しい当主の後継ぎだよ…

エーミール

あ、あいつはそんなんじゃ…!

母さん

こんな事は言いたくないけど…
もう、あの子と遊ぶのは辞めなさい

エーミール

なんで?おかしいよ!!
あいつはなにもやってないでしょ?!

おばちゃん

親が親なら子も子さ、エミ君を
想って言ってるんだよ?

エーミール

そんなの俺のためじゃない!!

母さん

エーミール!!

溢れそうになる涙をこらえて走り出す あいつは…グルッペンは、あの当主みたいな 悪虐非道なやつなんかにならない!

グルッペン

今日…天気悪いな…

ぼーと厚い雲に覆われた空を見上げる もう昼になるのに今日は1度も姿を見せてない エーミールを待っていた

グルッペン

なにしてんだよ…

丘の麓の方から風に乗って声が聞こえる エーミールだと思った俺は立ち上がり見ると どこかで見た2人が何かを叫んでいた

グルッペン

あれって、エーミールの母さんと
隣のおばちゃんじゃ…?

母さん

エーミール!!

おばちゃん

エミ君ー!!どこ居るのー!!

異様な雰囲気に気がつき走って 丘を駆け下りる、俺に気付いた2人が目を見開く

おばちゃん

お、お前は…!

グルッペン

おばちゃん!!
エーミールがどうしたんだ?!

母さん

貴方と一緒に居ないの?!

グルッペン

見てないぞ?!

おばちゃん

嘘をつくな!どうせお前がどこかへ
連れて行ったんだろ!!

胸ぐらを掴まれ少し体が浮く こんなに取り乱すまで心配していると言うことは あいつは、行方不明なのだろう ふと、今朝父が話していた誘拐犯が頭をよぎる

グルッペン

こっちに来てないなら…森か…?

おばちゃん

何をボソボソ言ってるんだ!?
やっぱりお前が犯人か!!

グルッペン

…誘拐

母さん

誘拐…?

グルッペン

急がないと…!

手を引き剥がし 首に下げていた笛を鳴らす 静かな丘に鳴り響くと遠くから愛馬の姿は見えた 手綱を掴み飛び乗る

グルッペン

俺は、森の方を探してみる…!
2人は街付近を探してくれ!

おばちゃん

待て!!

馬を走らせる、後ろからおばちゃんが怒鳴る 当たり前だ疑うならまず俺達だろう それが正しい感情だ

エーミール

うっ…

頭からガンガンと伝わる痛みで目を覚ます 目を開けると見慣れない部屋に 手足を拘束する鎖に知らない男達、誘拐か… 目をつむりまだ起きてないフリをする

おい、まだ起きねぇぞあの小僧

お前が強く殴りすぎたんじゃねぇか?

傷ついたらどうするんだよ
商品になんねぇぞ?

大丈夫だろ、血出てないし

見た感じ怪我もなさそうだしな

人身売買目的での誘拐か 反応からして多分これが初犯ではない でも数は少なそうだな… 声的に中年男性3人、多分距離的に森の奥の 廃墟の中か これは、助かる確率は0に等しいか…

エーミール

(どうしたもんかなぁ…)

ん?外でなんか音したな…
おい、見てこい

分かった

エーミール

(こんな所まで来るやつ居るか…?)

麻布の匂いがしてるから袋に入れられて 運ばれただろうし、人通りの少ない所歩いてたし 勘付くやつなんて…

エーミール

(グルッペン…)

あいつの鋭い洞察力に早い頭の回転なら 気づくだろうけど… 賢いから1人で乗り込むようなバカはしないだろう

うあ゛…!!

どうした?!

外から叫び声が聞えると ドカンッとドアを蹴り破る音と共にドサドサと 倒れる音が聞こえた 慎重に目を開けると見慣れた男が立っている

グルッペン

エーミール!!

エーミール

グルッペン…?!

グルッペン

良かった無事か

エーミール

こんなバカみたいなことなんで…!

グルッペン

未来投資や

ガチャッと回収した鍵で鎖を外してもらう 嬉しそうに笑うグルッペンの後ろで ゆっくりと男が剣を構える

エーミール

後ろ!

グルッペン

くっ…!

剣で攻撃を受け止めるが子供対大人… しかも向こうは男で上から絶対に負ける 急いで最後の足かせを外そうと鍵を回収して 差し込む、こんな時に限って上手く回らない

エーミール

くっそ…!!

さっさと死ね!

グルッペン

あ゛…!!

エーミール

グルッペン!!

外れた足かせを男に投げつけ グルッペンを後ろに引くが遅かったのか 血がぼたぼたと流れ落ち血溜まりをつくる

エーミール

大丈夫か?!

グルッペン

平気や…

左目から血が流れ続けるどうすれば… 時間をかければグルッペンの命が危うい 気絶してる男の手元に銃が落ちているのに気がつく 自分を守るように前に立っているグルッペンの 背中を抜けて銃を取り構える

エーミール

今すぐ武器を捨てろ!!
じゃないと撃つぞ!

どうせ撃てないだろ!クソガキ!

バンッと乾いた銃声を鳴らしながら発射した 銃弾は男の頬を掠め壁にめり込んだ

エーミール

次はお前の頭だぞ…

ヒッ…!

怖気づいたのか剣を降ろし逃げようとする このまま逃げてくれれば勝てる…! 背中を見せ足を踏み出した瞬間、男は血しぶきを 上げながら倒れた

エーミール

グルッペン…?なんで殺した…?

グルッペン

こいつらは他にも仲間がいる
そいつ等に連絡が行くと勝ち目はない

エーミール

でも、殺さなくても…

グルッペン

曲がった木は伸ばしても無理だ
根本から駆除するしか無い

グルッペンの言うことは正しい 連絡されれば、俺達の命もましてや家族にまで 被害が行ってしまうかもしれない

グルッペン

別に嫌っても良いぞ
これを間違いだって言うやつも正しい

エーミール

いや…賛成や…この2人も片付けよう

グルッペン

ふっwやっぱり面白いなぁお前はw

エーミール

笑うなよ!シリアスな場面が台無しだろ!

せっかくこんな小説みたいな展開があるのに 雰囲気をぶち壊して!!

グルッペン

どうせ、小説みたいな展開がって
思ってんだろ?

エーミール

うっ…

グルッペン

ほんと、お前ってネジ外れてるよなw

エーミール

お互い様な

グルッペン

はぁ…じゃあそいつ殺っといて
俺外のやつ始末するわ

エーミール

おけ〜

出ていったのを確認してから 銃をリロードする、やっと目を覚ました男に こんどは躊躇なく発砲した

グルッペン

おっきたきた

明るい外に出ると傷だらけで血まみれな グルッペンの側には大きな黒い馬が立っていた

グルッペン

お前…結構傷だらけだな…

エーミール

ほんとだ

たしかに体中に血がにじみ ジンジンと痛みが伝わってくる

グルッペン

お前馬乗れるか?

エーミール

乗れるわけ無いやろ

グルッペン

手伝うから乗って

エーミール

うん

補助してもらいながら馬の背中に乗ると 後ろにグルッペンが乗り手綱を握った 初めて乗る馬の背中に興奮しているとゆっくり 歩く馬に手綱で指示を出すと すごいスピードで馬は走り出した

エーミール

早い!早い!

グルッペン

慣れろ慣れろ!

カエデの木の花言葉

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