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エーミール

あれ?皆居らんなぁ

グルッペン

皆どこに行ったんだろうな

ゆっくりと誰も居ない街を歩いていると 急に馬が止まる、前を向くと街のほとんどの皆が 広間に集まっていた

エーミール

みんな…!

グルッペンに手伝ってもらいながら 馬から降りると皆が走ってきてくれる

母さん

エーミール!

エーミール

母さん!

母さん

良かった…!無事なのね…!

汚れなんて気にせず抱きしめてくれる 母さんを抱きしめ返すとボコッと鈍い音がする

街の人

お前のせいでエーミールが
傷ついただろ!!

街の人

どう責任取るんだ!!

エーミール

えっ…なんで…

投げつけられる罵詈雑言にゴミ なんで…助けてくれたのはグルッペンなのに…!

母さん

ほら、帰りましょ

エーミール

嫌だ!離して!

母さん

何してるの!早く!

エーミール

グルッペン!グルッペン!

引っ張られる体に抗いグルッペンに手を伸ばす 俯いたままただ血を流し続けるだけ…

エーミール

ごめん!グルッペン!

エーミール

俺なんかのために傷ついて!!
俺のせいで!!ごめん…!

グルッペン

…ほんとにおかしな奴w

そう言って悲しそうに笑うと馬に飛び乗り 反対方向へ体を向き直させる

街の人

逃げるのか!?罪から逃げるな!

街の人

2度とこの街に姿を見せるな!!

グルッペン

行け

走り出した馬を止められる人は居なくて あっという間に見えなくなった 全員何かに勝利したように喜び、抱き合った 俺はただ消えていったグルッペンの方を向き その場で崩れ落ちる

エーミール

ごめん…ごめんな…グルッペン…

急に降り出した雨はあっという間に 体から体温を奪い涙と一緒に流れる 静まり返った広場は、泣き崩れる少年を 見て真実に違和感を覚える

母さん

エーミール…

エーミール

触るな!!

エーミール

グルッペンは俺の命の恩人や!
俺のために戦い片目を失った!

エーミール

やのに何で罵倒されなアカンねん!!

エーミール

俺等のせいであいつは嘘の罪をきせられて
1人でもがき苦しんでんねんぞ!!

エーミール

なんで…誰も真実を知ろうとせんの…!

エーミール

そんなんあの当主と…
やってることおんなじやん…

初めて見せる少年の本心に 全員下を向き、悔しさと罪悪感を抱える 孤独な少年はただ1人大切な友人を残し 闇の中へ消えていった

あれから3年後 13になった俺は荷物をまとめ家を出た

母さん

ほんとに行くの?

エーミール

はい、約束ですから

あの事件から姿を見せなくなった彼は とっくの前に家を捨て旅に出たらしい 後を追う様に自分も旅に出ることを決意する

母さん

いつでも帰ってきてね
待ってるから

エーミール

ありがとうございます

街の人

エミ君、頑張ってね!

街の人

応援してるよ!!

エーミール

行ってきます!

茶色の馬に跨り手綱を握り指示を出す 走り出す馬の背中は、昔の記憶を思い出した

エーミール

よいしょっ

いつものカエデの葉が揺れる 木の幹に触れると大きく割れたヒビの中に 何かが隠されていた

エーミール

ん?なんだろ…

取り出すと黒い鞘に入った剣に 何冊かの本が入っていた、ページの1枚目 整った字で見慣れた字で…

エーミール

「アルベルト・エーミール
未来にてお前を待つ…」

エーミール

ははっw

グルッペン・フューラーと書かれた あいつの名前を優しくなぞるとあいつは俺を 俺達を憎んでなんかいなかった…

エーミール

粋な奴だな…さぁ行こうか!

エーミール

あれ…?こっちやんな…

地図を見て来たのに… この近くで間違いないはずなのに何故か目的の 街は見当たらなかった

エーミール

ここの川どこのやねん…!

???

お困りのようやねぇ?

後ろから声をかけられる 幼いような男らしい声の発生源は小柄な男で 民族衣装を身にまとい、天と書かれた雑面 で顔を隠している

エーミール

えぇ…実は迷ってまして…

???

言い忘れとったわ
俺はロボロって言うねんよろしゅうな

エーミール

私はエーミールと申します
お見知りおきを…

ロボロ

で、どこに行きたいんや?

エーミール

ここの街に…

ロボロ

はぁ?!こっから真逆やで?!

エーミール

えっ…!!

ロボロ

あんさんしっかりしてるようで
抜けとるんやね…

エーミール

初めての旅なもので…

ロボロ

まぁ、ええわ

ロボロ

俺もそこ目的やし、一緒に行くか?

エーミール

ぜひお願いします!

ロボロ

ほな、早速行こか

お互い馬に乗っているから同じスピードで 並走し歩く、どこの出身なんやろ…

ロボロ

なんであの街目指しとるん?

エーミール

先ほど行った街で次期総統が居ると聞き
ぜひお会いしたいと思いまして

ロボロ

会ってどないするん?

エーミール

自分の知り合いか確かめたいだけなので
後、自分の住む街も選びたいですし

ロボロ

そうなんやね

エーミール

ロボロさんは、どうしてですか?

ロボロ

俺もその次期総統に会いに来てん

ロボロ

招集かけられたから

エーミール

へぇ…凄いですね!

ロボロ

なんも凄ないわ…
せや、この近くで知り合いが
待っとるさかい寄ってもええか?

エーミール

はい!もちろんです!

ロボロ

先に言っとくけど
あいつは煽り癖あるしイジりがいのある
あんさんなら標的になると思うわ

エーミール

そうなんですね!

ロボロ

でも、あいつメンタル弱いし
かまってちゃんやし面倒くさいで?

エーミール

良いじゃないですか、可愛らしくて

ロボロ

はぁ…?!可愛らしい…?

ロボロ

お前頭バクってんのか?!

エーミール

よくネジが外れてると言われますw

ロボロ

ほんまやで…変わっとる奴やなぁ…

エーミール

ん?あの集団はなんでしょうか?

ロボロ

あの馬鹿…!さっき言ってた知り合いや
好戦的やからよく引き連れてきよんねん

黄色が特徴的な女の子…体格的に男か… が引き連れてきた集団はこっちに向かってきていた

ロボロ

あんさん戦えるか?

エーミール

無理です!でも頑張ります!

ロボロ

はぁ…死なんようにしてや、ほんま

エーミール

はい!

カエデの木の花言葉

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