青 春 っ て 、 難 し い
第 4 話
⚠️ 通 報 ✖ ⚠️ ブ ク マ 一 言 欲 し い で す ⚠️ 桃 赤 、 青 黄 の 地 雷 バ ッ ク
れ っ つ ご ー
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うちの高校は、全国でも珍しく水泳部が競技以外に高飛び込みの部門を持っている。
選手は入部時にどちらかを選択することになっている。
高飛び込みを希望する選手なんているの?と親にも他校の友達にも聞かれる。
でも全国に高飛び込みの出来るプールを持っている高校があまりなく、
オリンピック選手も出ていることもあって、
それを目当てに他県からも続々と入学してくるのだ。
とかいう俺も迷った末、高飛び込みがやりたくて水泳部に入部した。
俺の一家は、俺と黄が小さかった頃もっと田舎に住んでいて、よく岩から川の淵に飛び込んで遊んでいた。
川の両側にせり出すように伸びている木々から川面に落ちる木洩れ日がきれいで、その中で泳ぐのが大好きだった。
子供同士で飛び込む時に、回転したり身体をひねったりする遊びもよくやっていて、それが楽しかった。
パパは俺がまだ小さかった頃に会社を作りそれが大成功。
ある程度交通便のいい場所に住む必要があった。
それで今の場所に引越しをした。
それでもまだここは不便らしく、東京の事務所を第二の家のように使っていて、2ヶ月に1回帰ってくればいいほう。
水泳部は6月から9月までしか学校では活動ができない。
今の季節は週に1度、県立の温水プールに練習に行く以外、その他の活動日は基本的に筋トレだ。
体育館での活動が終わると、制服に着替えて俺は紫や他、何人かとハンドボール部の部室を後にした。
ちなみにクラスでも仲良しの紫は同じ水泳部だけれど、競泳部門だ。
水泳部だけは部室が固まっている部室棟ではなく、プールに隣接しているロッカー室が部室だ。
わざわざ筋トレのためにプール近くのロッカー室に行くのは面倒で、今は男子の人数が少ないハンドボール部の部室で着替えさせてもらってる。
部室棟は体育館の隣にあり、主に校庭で活動する部活だけが使っている。
そんな部室棟は二階建て。男子が1階、女子が2階。
ハンドボール部の部室から紫達数人と一緒に出てきたら、男子が7、8人階段からぞろぞろと下りてくる所に出くわした。
心臓がドクンと鳴る。
男子数人の中に一澤くんが居たからだ。
もう暗闇に近いほどあたりは暗いのに、簡単に見つけられる自分が哀しい。
一澤くんは何事も何事もなかったかのように俺の前を素通りする。
こっちをちらりとも見やしない。
そこで前後にだらだらとバラけて歩き始めたテニス部男子の後ろのほうに、
知らない男の子と歩いている宮内くんを発見した。
水泳部の友達の方を見ると、財布を部室に忘れたかもしれないと言っている子を手伝って、
何人かが校庭の縁石の上に置いた彼のスクールバックの中を一緒に探している。
まだ時間がかかりそう。
俺はそっと水泳部男子の群れを抜け、速足でテニス部男子達に近づくと、その後方に小さく声をかけた。
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
その時だいぶ前の方を歩いていた一澤くんが、わずかに振り向くしぐさをしたような気がし、不機嫌そうな横顔が見えた。
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
俺は宮内くんにささやいた。
宮内 青(ミヤウチアオ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
ちょっと照れたような笑顔になる。
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内くんは傷の残っているほうの左手を俺の前でちらちらと振った。
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
宮内 青(ミヤウチアオ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
”頭にきてる時、本音がでる”
ブス。一澤くんに叩きつけられたキツい言葉が脳裏をよぎる。
2卵生の双子の俺と黄は、全く似てない。
宮内 青(ミヤウチアオ)
きゅっと心臓が絞り上げられ、その衝撃に俺は反射的に下を向いた。
子供の頃から耳にタコができるほど聞いてきた言葉だ。
宮内 青(ミヤウチアオ)
上水口 赤(カミナグチアカ)
ビックリして俺は顔をあげた。
一澤 桃(イチザワモモ)
埃っぽい校庭の薄闇から鋭い声が飛んだ。
ぞろぞろ校門に向かう制服の背中がいくつもぼんやり視界に映る中、立ち止まってこっちを見ている影があった。
宮内 青(ミヤウチアオ)
思ったよりも長い時間、俺は宮内くんと話していたようだ。
それにしても……………
俺が赤くんで、黄は上水口黄。
同じ上水口、という苗字を区別するためとはいえ、上水口黄と、赤くん。
あれほど酷い仕打ちをされたんだから仕方ないのかもしれないけど、宮内くんの中で黄は、
”最低な男の子”
になってしまっている。
確かにあの断り方は酷すぎる。
でも…………
本当はそこまで最低な子でもないんだけどな。
きっと、宮内くんは告白の時に黄に言っちゃいけない事、
彼の最も触れてはいけない部分に触れた。
黄を傷つけた。
もちろんそんなことは彼の酷い言動の言い訳にはならないし、今口に出すことじゃない。
黄と宮内くんの関係はすでに終了している。
もう関わることもないだろう。
上水口 赤(カミナグチアカ)
宮内くんの心の中で黄のことがそれほど傷になっていないのなら、それが1番だ。
宮内くんが急ぐ先で、刺すような視線をこっちに向けている男子がいる。
あんな目で見られると忘れたつもりでも平静でいることは難しい。
何度も脳内で再生される一澤くんに言われたあの単語。
多くの人が受け流せても、自分だけは刺さってしまう呪いのような言葉。
誰にだってそういうものがある。
あんなに完璧男子の黄にだってそれはある。
上水口 赤(カミナグチアカ)
俺は勢いよく横を向いて、一澤くんから視線を逸らす。
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