テラーノベル

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テラーノベル(Teller Novel)

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現在、午後8時。歌舞伎町は今から来る夜も明るい。 いや、もはやこれからの時間帯のほうが栄える。

七瀬 あお

はぁーあ……。

七瀬 あお

(人混み疲れるぅ〜……。)

七瀬あおは、人の波を抜けて自宅に向かっている。

スカウト

そこの可愛いおねーさん、暇ですかぁ?ホスクラとか興味あります?

七瀬 あお

あ……、大丈夫です。

七瀬 あお

(“可愛い”って……。わかりやすすぎでしょ。スカウト下手だな)

黒猫

ニャア。

七瀬 あお

…飼い猫ちゃん?こんなところじゃ危ないよ。

七瀬 あお

首輪とかに電話番号あるかな……

黒猫

ニャア〜。

七瀬 あお

あ、待って!

七瀬 あお

待って〜〜……!!

七瀬 あお

ちょっと…、猫ちゃん!お家帰れなくても知らないよ!?

黒猫

ニャー。

七瀬 あお

コイツ……、さては遊んでるな!?

その時、辺りに銃声が響いた。それも、すごく近い。 猫の耳がビクリと跳ねて、どこかへ行ってしまった。

七瀬 あお

っえ…………?

七瀬 あお

っあ……、猫ちゃん…!

七瀬 あお

(今の…、銃……?)

七瀬 あお

(怖……。さっさと帰ろ。いや、通報したほうが良いのか?)

立ち止まって辺りを見てみると、建物の隙間から 銃を構えている男性が見えた。人が倒れている。

七瀬 あお

(え…あ……、これ、ダメなやつだ。通報しないと、)

藤 あやめ

……なぁ君。今の見とったぁ?

七瀬 あお

っあ………、え、と

七瀬 あお

見てない……、です…

藤 あやめ

あははっ、嘘つかんとって。な?見てもぉたよな?

腕を掴まれた。彼の笑顔に反して、痛みを伴うように。

七瀬 あお

そ、その…………っ

一色 律

あやめ、何してんの

藤 あやめ

なぁ聞いてや律。コイツに見られたんやけど。

一色 律

えー…。殺せば?

七瀬 あお

っえ…………

藤 あやめ

でもぉ。

藤 あやめ

この子ちょータイプ。持って帰ってええ?

七瀬 あお

(っ……声、出ない、)

一色 律

はぁ?どこに?

藤 あやめ

会社。

一色 律

駄目に決まってんだろ。せめてお前の家……いや、それも面倒。今どうにかする

藤 あやめ

いやや。連れて帰る。

一色 律

お前さぁ……。

七瀬 あお

(だめだ、逃げないと、逃げ、なきゃ、死…………)

藤 あやめ

律は片付けしてや。俺この子おぶってく

一色 律

…無理っつってんだろ。お前が聞かないなら俺がやる

藤 あやめ

っちょ……、律ぅ。

七瀬 あお

っえ、

視界が、失せた。

……頭…痛い…

さっき……殴られたとこ、だっけ……?

これ……私………死んだのかな…………

七瀬 あお

……んん…。

七瀬 あお

…!!

七瀬 あお

(えっ、え?ここどこ?)

檜皮 寛由

……あ、起きました?

七瀬 あお

!?

檜皮 寛由

おはようございます。まぁ、夜ですけど。

七瀬 あお

え、っと……、あなたは…?ここ、どこですか?

長い、綺麗な茶髪。キレ長の目に、丸眼鏡。 いかにも知的そうな見た目に、白衣まで着ている。 きっと彼は医者だと思い、あおは少し安堵した。

だが、その安堵も束の間に消え去った。

藤 あやめ

あーっ、起きとる。良かったわぁ、死んでもぉたかと思うた。

一色 律

……。

七瀬 あお

え……………?

七瀬 あお

さ、っきの……

藤 あやめ

ん?せやで。俺、藤あやめ。

七瀬 あお

な、なんで…。さっき、私、倒れて…、

藤 あやめ

俺達は『檳榔子』。ま、簡単に言えば反社…。カッコつければマフィアってやつや

幹部:藤 あやめ(フジ アヤメ)

七瀬 あお

ま、マフィア゙……!?

七瀬 あお

(現実に居るんだ……。って、そんなこと考えてる場合じゃなくて!)

檜皮 璃寛

わーっ、ガチであやめのタイプって感じの子じゃん。

檜皮 璃寛

連れてきたのも納得。な、兄貴?

幹部:檜皮 璃寛(ヒワダ リカン)

檜皮 寛由

全然納得じゃない。

檜皮 寛由

全く…。面倒なことを増やすなとあれほど言ったでしょう

藤 あやめ

だってぇ。

幹部:檜皮 寛由(ヒワダ カンユ)

檜皮 璃寛

…あ、みんな。見て見て、あやめが連れてきた子!

梅重 天

わ、本当に連れてきたんか。可哀想…

TOP3:梅重 天(ウメガサネ アマ)

一色 凛音

怯えちゃってる。まぁ、無理ないか…。

一色 凛音

兄さん、謝りなよ。殴ったんでしょ?

幹部:一色 凛音(イッシキ リネ)

一色 律

謝るべきはあやめだろ。

一色 律

それに、殺さなかっただけ褒めてほしい。

幹部:一色 律(イッシキ リツ)

深緋 刻

おい、藤。どうするのかちゃんと考えてるんだろうな?

深緋 刻

まともな理由が無いなら、お前が責任持ってどうにかしろ

TOP2:深緋 刻(コキアケ トキ)

藤 あやめ

はいはい分かっとるわ、元々ちょっと遊んで捨てるつもりやったし。

藤 あやめ

やけど、俺の部下にしたってええんやろ?

深緋 刻

……どうだ?白練。

白練 御空

…………。

TOP1:白練 御空(シラネリ ミソラ)

白練 御空

お前らに任せる。…じゃ

七瀬 あお

(行っちゃった……。あの人が一番偉いのかな…?)

藤 あやめ

……じゃ、ボスからの許可も下りたことやし、今日から俺の部下っちゅうことで

深緋 刻

馬鹿。その子に決めさせろ。無理やり入れる必要は無い

藤 あやめ

えぇー、まぁそか。

藤 あやめ

どないする?七瀬あおちゃん。

七瀬 あお

……え?…なんで、名前、知って……

檜皮 寛由

貴方がおねんねしてる間に、少々調べさせてもらいました。

檜皮 寛由

七瀬あお 24歳、4月18日生まれ、血液型はO型。血縁関係のある兄弟は居なく、9年前に父親が亡くなった。地元は神奈川。現在は東京で一人暮らし。母親とは5年間会っていない。

七瀬 あお

え…………

梅重 天

…何が言いたいかっていうと、

梅重 天

部下にならんなら、ただで帰すことはないってこと。

七瀬 あお

…………

梅重 天

まぁ、ボクはどうでもええ。好きにしな

七瀬 あお

(……まぁ)

七瀬 あお

(どうせ希望とか無かったし…。今更どう生きたって、何も変わらないか。)

七瀬 あお

……死にたく、ない…

七瀬 あお

……です。

藤 あやめ

……よっしゃ、けってー♡

深緋 刻

良いな?使えなかったらすぐに終わりだ。

藤 あやめ

使えるように叩くから大丈夫。俺以外の幹部が。

檜皮 璃寛

あやめ、そゆとこだよ…。

深緋 刻

…まぁ良い。七瀬、だったか?少し説明させてくれ

七瀬 あお

は、はい…

彼らは大規模マフィアグループ『檳榔子』(びんろうじ)の幹部らしい。そして、七瀬はその部下の一員となる。

深緋 刻

お前には悪いが、まだ信用出来ない。暫くはこのアジトの中で生活してもらう。

今いるここは、アジト、会社のようなもの。 幹部や部下が仕事に使う場所はもちろん、 家に帰らない部員の寮なんかもあるらしい。

深緋 刻

寮が数部屋空いているから、そこを使え。後で案内する。

七瀬 あお

はい…。

深緋 刻

俺が許可するまで、一人での外出は禁止だ。

深緋 刻

必要なものがあるならこっちで揃える、外に出たいなら幹部の誰かについてきてもらうこと。

深緋 刻

良いな?

七瀬 あお

わ、わかりました。

深緋 刻

……これが最終確認だ。本当に、檳榔子の一員になるんだな?

深緋 刻

分かっているだろうが、犯罪に手を染めることになるんだぞ

七瀬 あお

…………。

七瀬 あお

生きて帰してもらえることは……、ないんですよね…

七瀬 あお

…死ぬよりはマシです。

深緋 刻

……

深緋 刻

これからよろしく頼む、七瀬。

七瀬 あお

……

深緋 刻

解散。今日明日で仕事内容を教えてやれ

梅重 天

了解。

藤 あやめ

俺教えるの下手やねん。天と凛音と寛由が適任〜

一色 凛音

連れて来るだけ連れて来て放置か。ひどいな

一色 凛音

まぁ良いや…僕、一色凛音です。よろしく、七瀬あおちゃん

七瀬 あお

お、お願いします…。

梅重 天

じゃ、行くか。

一色 凛音

あー…、天は良いよ。僕らより仕事量多いでしょ。僕最近デスクワーク少ないから、任せてください

梅重 天

凛音くん。……じゃ、お言葉に甘えて、任せるね

一色 凛音

はい。

檜皮 寛由

私も手空いてるので、手伝いますよ。

一色 凛音

ありがとうございます。

一色 凛音

それじゃ…、みんなで移動するか。ついてきて

おまけ

一色

はじめまして、一色と申します。

一色

第一話、読んでいただきありがとうございます。

一色 凛音

僕と苗字被ってて分かりにくいんだけど。

一色

それはごめん。ネットで探してたらこれ気に入っちゃったから。

一色

今回のおまけは主人公ちゃんの自己紹介でございます

七瀬 あお

はじめまして!
七瀬あおです。

七瀬 あお

この先のことが不安でしかないですが……、頑張ります!

一色

大阪弁、広島弁のキャラが登場します。間違いありましたら、ご指摘くださると幸いです。

一色

それでは、また次回でお会いしましょう
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