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〇〇代行依頼

第1話 - 〇〇代行依頼

2021年02月24日

#ミステリー

#読み切り

#SF

#復讐

mumu

西暦20×× 9月×日 AM11:00

Cafe : Mono

青木

はぁ

青木

今日も1人で飯か

青木

大学に入ってしまえば

青木

勝手に友人も出来ると思ったのに

青木

半年経過して、結局1人か・・・

青木

・・・まぁ1人は気楽だし

青木

昔のことも思い出さないから
良いんだ

青木

・・・

青木

でもやっぱり・・・俺だって・・・

青木

ん・・・？

店員

いらっしゃいませ

2名です〜

店員

かしこまりました
空いているお席へどうぞ

青木

あの店員・・・

青木

見覚えが・・・

青木

もしかして・・・

青木

店員

お冷をお持ち致しました
ご注文はお決まりでしょうか？

はいえっと〜〜

青木

きっと間違いない

青木

あの店員は・・・

青木

雪原だ・・・

青木

雪原・・・

青木

雪原・・・雪原・・・

青木

あいつ・・・あんな所で働いてたのか

青木

こんな近くに・・・

青木

なぜ今まで気付かなかったんだろう

青木

忘れられない

青木

・・・

青木

・・・・・・

青木

アイツから受けた苦しみは・・・

青木

絶対に

3年前

雪原

よぉ青木

青木

？！

青木

ゆ… 雪原…

青木

どうして、ここに

雪原

どうしてって

雪原

受かったからに決まってんだろ

雪原

まさかお前もいるなんてな

青木

そんな・・・

青木

やっと・・・
逃げられたと思ったのに・・・

雪原

なんか言ったか？

青木

！

青木

い、いや・・・

雪原

ま、いいや

雪原

にしてもお前がいるなら

雪原

毎日退屈しねーな

雪原

俺達、中学から仲良かったもんな

青木

・・・・・・

雪原

な？

青木

・・・ああ

雪原

だよな！

雪原

そうと決まれば早速

ね〜雪原くん何してんの？

誰〜そいつ？

雪原

ん？ああ中学の時の同期

雪原

いや友達？

雪原

・・・なぁ？

青木

そう…だね

なんか意外なやつだな

パッとみ暗い感じだけど

ほんとに友達？

雪原

失礼だな〜

雪原

友達だって

雪原

今もさ
俺の為に購買行ってきてくれんの

雪原

そうだよな〜青木

青木

・・・うん

へ〜そうなのか

雪原

青木優しいからさ

雪原

お前らの分も買ってきてくれるって

まじ？それ奢り？

あ〜そういうこと

お前も悪ぃ奴だな

雪原

なんの事だか

青木

えなん

雪原

全部青木の奢りだってさ！

やった〜じゃあ私クリームパン

私は〜じゃあミルクティーと
ポッキーと

俺はコーラとポテトと焼きそばパンな

雪原

俺も焼きそばパンにしよっかな

青木

そんな

雪原

なぁ青木

雪原

昼休みの時間無駄になるからさ
早く行ってきてくれよ

雪原

わかるだろ

青木

・・・

青木

・・・

青木

ああ・・・わかったよ・・・

よろしくね〜

雪原

じゃあ俺らは先に食堂行ってるから

雪原

友達の為にも早くな

青木

・・・

青木

中学の2年間

青木

アイツにずっとずっと…
ターゲットにされてきた

青木

それが嫌で嫌で仕方なくて

青木

離れた高校に行きたくて

青木

必死で勉強して進学校に入ったのに

青木

アイツはそこに居た

青木

俺が新しく築こうとした高校生活は

青木

呆気なく散った

青木

アイツの根回しによって

青木

高校の3年間も殆ど変わらなかった

青木

アイツとアイツのグループの奴から
ずっとパシリにされ弄られる生活

青木

ずっと・・・ずっとだ・・・

青木

ずっと・・・

青木

それでも諦めたくなくて

青木

偏差値の高い大学に入った

青木

ようやく本当にアイツから逃げられた

青木

それなのに

青木

それなのに

青木

アイツは
俺の大学に近いカフェで働いてた

青木

どうしてだ

青木

どうしてまた俺の近くに

青木

どうして

青木

また俺の・・・

青木

また俺の生活を奪うのか

青木

俺は・・・

青木

俺はただ普通に過ごしたいだけなのに

青木

アイツはアイツは

青木

殺そう

青木

殺してしまおう

青木

アイツが生きている限り

青木

俺は

青木

アイツから逃げられない

青木

そうだ

青木

これ以上

青木

アイツに俺の人生を奪われてたまるか

5日後

青木

この、車か・・・

林

こんばんは

林

柳様でお間違いありませんね

青木

・・・はい

林

先日もお伝えさせて頂きましたが

林

私共との話し合いの際は

林

偽名でお話頂くようお願いします

林

その方がお客様にとっても宜しいかと

青木

・・・はい存じてます

林

それならよかったです

林

では
ここで長く話すのもいけませんので

林

参りましょうか

林

私のことは、そうですね
・・・林とお呼びください

青木

はい

車内 AM1:00

青木

これ・・・

青木

どこに向かっているんですか

林

ご安心ください

林

郊外にある私共の隠家です

林

今は車の中も
安全とは言えませんので

林

定期的に転々と
隠家を変えておりまして

林

詳しい話もそちらでさせて頂きます

青木

・・・

林

信じられないご様子ですね

林

無理もありません

林

初めて依頼される方は
皆様そうですから

青木

・・・本当に大丈夫なんですか

青木

今の世の中・・・

林

はい
ご安心ください

林

実際に殺すのは・・・

林

我々ではありませんので

青木

・・・・え？

青木

話が違うじゃないですか

青木

俺は

林

ああ

林

違いますよ

林

柳様のお手を煩わせることは
ありません

青木

？なら・・・
どうやって・・・？

林

それは隠家についてから
お話させて頂きます

林

あともう少々お待ちください

林

到着致しました

青木

ここですか・・・

林

はい

林

それでは今回のご依頼について
ご説明させて頂きます

林

その前にご紹介を

青木

紹介？

林

はい

木原

初めまして

木原

今回の件を担当させて頂きます
オペレーターの木原と申します

木原

そして・・・

Alice

柳様はじメまシテ

Alice

Aliceと申シマス

青木

・・・柳です
よろしくお願いします

木原

柳様

木原

こちらのAliceは

木原

依頼遂行専用のアンドロイドです

青木

え？

青木

人形・・・
いや、ロボット？

青木

まさかそんな

青木

気付かなかった・・・

林

無理もありません

林

我々が誇る最新の技術です

木原

Aliceはほぼ確実に人間に擬態し

木原

人間を偽り
目標に接近し

木原

依頼を遂行致します

青木

ということは

青木

アイツを
殺してくれるのは・・・

木原

はい

木原

こちらのAliceになります

青木

・・・

青木

・・・

青木

・・・わかりました

青木

信じます
俺にはそれしかない

林

ご理解頂きなによりです

林

もしAliceが依頼遂行中
問題が発生すれば

林

すぐに廃棄処分とし
代わりのアンドロイドが
柳様の依頼を随行致します

青木

廃棄処分、ですか

青木

それってAliceは・・・

木原

アンドロイドですから

木原

痛みや苦しみもありません

木原

柳様が気になさることは
何もありません

青木

・・・はい

青木

ではお願いします

青木

必要な金額は用意しました

青木

俺がこれまでの人生の中で貯めてきた

青木

全てです

青木

全てこれからのため

青木

これからの為に
過去の全てを投資します

青木

だから

青木

だからアイツを

青木

雪原を殺してください

林

かしこまりました

林

これで正式に依頼を受注致します

木原

では

木原

Aliceの依頼遂行の為

木原

必要な情報を
インプットさせて頂きます

木原

青木様がお持ちの情報の
共有をお願い致します

青木

はい

青木

雪原アイツは

青木

今現在、
×街のCafe Monoで働いていて・・・

数十分後

青木

・・・これだけです

木原

はい

木原

ありがとうございます

木原

勤務地、本人写真、名前・・・

木原

こちら、
雪原様で間違いありませんね？

青木

・・・はい

青木

雪原です

木原

畏まりました

林

柳様

林

依頼の取り消しはまだ可能です

林

本当によろしいですね

青木

はい

青木

雪原は殺さなければ

青木

殺さないと

青木

俺の人生の為にも

青木

絶対

青木

お願いします

木原

それでは
計画は3日後に遂行致します

木原

もう一度ご確認させて頂くと

木原

Aliceは人間に擬態し

木原

一般人として対象に接近し

木原

写真と姿が一致すること
名前の一致を条件に

木原

対象を殺害します

青木

はい

木原

今回頂いたお写真の姿は
既にAliceにインプットされております

木原

雪原様と確認が取れ次第

青木

タイミングを見て
殺してくれるんですね

木原

その通りです

青木

はい
わかりました

林

では

林

これにて依頼の受注は完了です

林

3日後
依頼遂行後

林

再びお迎えにあがります

林

その際

林

依頼遂行の証明として
雪原様の一部を確認して頂きます

林

よろしいですね

青木

はい

青木

わかりました

青木

・・・

青木

必ずお願いします

青木

結果を楽しみにしています

3日後

林

柳様

林

お迎えにあがりました

林

どうぞ車内へ

青木

・・・はい

青木

・・・ははは

青木

ははははは

青木

ははははは・・・・

林

こちらが

林

雪原様から頂いた一部品です

青木

ははは・・・はい

青木

これが・・・

青木

雪原の

青木

・・・

青木

これは婚約指輪・・・か

林

はい

林

指輪をしていた様なので

林

それごと持ってこさせました

青木

そうですか

青木

ははは・・・アイツ

青木

あれだけ俺を苦しめておいて・・・

青木

婚約、婚約か
ははは

青木

ああ

青木

ああ

青木

でももう雪原はいない

青木

・・・そうですよね？

林

はい

林

依頼は無事に遂行させて頂きました

林

これが何よりの証拠です

青木

そうですよね

青木

ああそうだ

青木

意味は無いかもしれませが・・・

青木

あのアンドロイドの
Aliceにお礼させてください

青木

俺の人生を取り返してくれた
お礼がしたい

青木

お願いします

林

・・・

林

申し訳ありません
柳様

林

Aliceは本日
廃棄処分させて頂きました

青木

え？

青木

だって・・・
依頼は遂行されたんじゃ？

林

はい

林

依頼は問題ありません

青木

なら何故ですか？

林

それが

林

依頼遂行後、今回の機体に

林

致命的なバグが発見されまして

青木

・・・致命的な、バグ？

林

はい

林

実は

林

名前の照合性に低下が確認されまして

青木

照合性の、低下？

林

はい

林

以前ご説明していただいた通り

林

Aliceは
写真での姿と名前の一致を条件で
対象を殺害します

林

その名前の一致条件が、今回の機体はどうやら欠陥していたようでして

林

誠に申し訳ありませんが
廃棄処分させて頂きました

青木

・・・

青木

そうでしたか

青木

名前の一致が・・・

青木

まぁでも、写真さえあれば
大丈夫ですよね

青木

あれは確実に雪原でしたし

青木

もしかしたら
苗字が代わってる可能性もあるし

青木

実際に
雪原は殺されたわけだし・・・

林

柳様から頂いた写真と
実物は99.9%一致しております

林

不安にさせてしまいまして
申し訳ありません

青木

そうですよね

青木

・・・はぁよかった

青木

これで・・・

青木

雪原お前から開放されたよ

青木

お前は俺の学生生活を、
人生を奪ったんだ

青木

お前だけ幸せになるなんて許さない

青木

相応の罰が下ったんだ

青木

婚約だなんて人並みの人生を・・・

青木

そうだ・・・

青木

こんな奴と婚約する
相手は誰なんだろう

青木

婚約指輪って
大概名前が彫ってあるよな

青木

・・・あった

青木

雪原は表の顔は完璧だった

青木

だからこの相手もきっと騙され・・・

青木

あ

Alice

・・・

Alice

見つケた

Alice

対象ヲ確認

Alice

写真ト照合
99.9%確認

Alice

あの

Alice

雪原さんデすよね？

・・・

え？

俺は

俺は村中ですけど

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mumu

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