あなた
あなた
あなた
俺はとあるサイトで見つけた
『【心霊夢】#1 神霊無』という話を読んでいたのだが
ぜんぜん怖くなかった
あなた
あなた
帰り道の前に 怖い話をインプットするのを諦め
俺は駐輪場へ向かう
自転車にカギを差し込んでいると
トタン屋根がツカツカと鳴り始め、
俺はまさかと思って顔を上げた
あなた
あなた
あなた
でもその光景がなんだか心地よくて
ぼーっとトタン屋根の下に佇んでいた
あなた
あなた
あなた
あなた
...いいな
???
このまま
水の底に沈むまで
耐えられる?
わたし
そこで
待ってるね
???
気がつくと俺は
土砂降りの中にうずくまっていた
あなた
あなた
あなた
あなた
???
あなた
???
あなた
あなた
???
あなた
インターホン
インターホン
そう言うと奴は
あなた
左足をゆっくと前に出し
あなた
俺の方へと歩み寄りはじめた
あなた
俺は無我夢中で走り出した
インターホン
後ろからインターホンの声が迫ってくる
あなた
あなた
あなた
遠ざかるほど
インターホン
インターホン
奴の声は機械的になっていく
それは奴が
人外であるという
十分な証明だった
あなた
あなた
あなた
あなた
インターホン
インターホン
奴の声が
インターホン
しだいに
インターホン
ニンゲンの声に近づいていく
あなた
あなた
あなた
いやな想像が脳にこびりつく
???
あなた
おれは
なげやりに
ふりむいた
インターホン
インターホン
あなた
インターホン
インターホン
あなた
もつれるように
俺はまた走り出す
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