遊び人の本気

あっという間に遊園地に遊びに行く日になって…

あっという間に遊園地に遊びに行く日になって…

さっきまで後ろにいたのに走って隣に並ぶ真嶋君。

ギュッと手を握られてしまう。華奢なほうだと思っていた真嶋君の手は、意外と骨ばっていて男の子らしい手をしていた。

十五分かけて待ち合わせ場所から駅に着いて、なんとかギリギリで電車に乗れた。

公共の場なのに発言が発言しぎて、つい大きな声を出してしまう。

休日なのか人がたくさんいて賑やかだ。

ガチガチの恋人つなぎでつながれている方の手を一瞥する。

↑渾身の上目遣い

ジェットコースターの順番待ちの列から外れて、お化け屋敷の所に行こうとすると、

園内のど真ん中で泣いている子がいた。どうやら親とはぐれたみたいだ。

真嶋君の手を離して泣いている男の子の所へ向かう。

流石に園内のど真ん中一人で親を待つのは心細かっただろう。

さっきまで泣いて、涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔を花が咲くような笑顔で笑った。

男の子を抱き上げて涙を拭いてあげる。

私の腕にいた祐希君を抱き上げると、

二人ともなんやかんや仲良くなったみたいだ。

うぅ、なんだか体が熱い気がする。真嶋君がいる前の方を見れずに下を向いていると、

狭いゴンドラの中で壁ドンに顎クイという少女漫画のような展開にドキリッとする。

少しヤケ気味でこれから先泣かされる男の名前を紡いだ。

恥ずかしさを抑え込んで言ったのに、当の本人はフリーズしている。

ズルズルとさっきまで近かった距離が離れていく。

そうして、いろんなことをして遊園地デートは終わっていったのだった。