新しく来たメイドは元奴隷

多分日帝は俺たちのことを世話を焼いてくれる人としか思っていない

長年一緒にいるんだそんなこと、とうに分かってた

直接言葉にして伝えられないもどかしさ

自分の気持ちを素直に、伝えたい大好きだって友達としても、恋愛対象としても

でも伝えられない

この関係が崩れてしまうのが怖いから

伝えたくても伝えれない

だけど

伝えてしまえば日帝との関係は壊れる伝えなければ日帝はずっと俺の気持ちには気づいてくれない

いっそのこと本当に手の届かない人なら良かったのだ

手の届かない人だったら諦めが着いた推しやほかの立場として見守っていたいと思えた

でも日帝は友達、そばにいる手が届いてしまうからこそ、諦めがつかない

日に日に伝えられない気持ちだけが膨れ上がって

どうにかなりそうになる

息が詰まりそうだ

嗚呼、そうだ

わかった気がする

いつも俺にいいよってきた奴らは、

権力や顔、金目当てに来る奴らばかりだったんだ

だから、こうして好意だけでそばにいてくれる友人が、

他の奴らと違って手が届きそうで届かないと思わせてたんだ

心のどこかで、

日帝は他の奴らと違うから俺では手が届かないと諦めが着いてしまっていたんだ

手が届かないから、眺めて、憧れることしか出来ないから

愛おしいと思ってしまうんだ

一定のリズムの振動が

背中越しに伝わってくる

早くも遅くもない

心地のいいリズム

アメリカの心音が背中越しに伝わってくる度、

後ろにいてくれているという安心感に包み込まれる

アメリカは深い眠りにつくと

離してくれなくなる

もう離さない、と言わんばかりに腕の力を強める

そうされる度に私も、アメリカを大切にしなきゃと思う

絶対、今後現れることの無い

大親友だから