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Amnecia

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Amnecia

3 - #3

♥

373

2022年11月21日

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テヒョン

座って

ジョングク

っあ、はい...

流されるままソファーに座り、テヒョンさんはテーブルをはさんで向かいの床に座る。

ヒョンはリビングの隅っこで猫と戯れていた。

テヒョン

一応聞くけど、なんも知らないんだよね?ジミンに何があったかも?

ジョングク

、はい、何が何だか…

テヒョン

うーん、何から話せばいいのかなぁ

テヒョン

まぁまず、単刀直入に言うと

テヒョン

ジミンは…記憶喪失なんだ。

ジョングク

…………ぇ、、?

きおく、そうしつ?

ジョングク

、ひょん、が…?

ジョングク

う、そだ…

ジョングク

な、え、どういう、、

テヒョン

君の事、分かってなかっただろ?

ジョングク

…っ

確かに、僕を見て驚くわけでもなかったし

明らかに困った顔をしていたし

僕の事を忘れた、のだとしたら…

嫌でも、、辻褄が合ってしまう。

ジョングク

で、でもっ、なんで…?!

テヒョン

2か月、くらい前かな

テヒョン

夜、バイトから帰ってきた時

テヒョン

さっきの公園あるでしょ?
そこの階段の下でジミナが倒れてたんだ

テヒョン

多分、階段から落ちたんだと思うけど…頭から血が流れてて、

ジョングク

え......

絶句する

ジョングク

(ひょんが、そんなっ…)

思わずヒョンを見るが、僕らの会話なんて1ミリも聞こえていないようで、今はとても元気そうに遊んでいた。

テヒョン

 病院に連れてって、3日ぐらい入院したんだけど、

テヒョン

ジミナ、スマホもなんも持ってなかったし、
ご両親にも君にも、連絡の取りようがなかったから、取り敢えず俺がそばについてたんだ。

テヒョン

で、目が覚めたら記憶喪失だった、っていう…

ジョングク

な、何も、覚えてないんですか…?

テヒョン

いや、自分の家族と俺の事だけ、覚えてた。

ジョングク

え、

ジョングク

(この人の事は覚えてて、僕は忘れられた、の...?)

ふとそんなことを考えてしまう自分は、我ながら最低だと思う

テヒョン

あ、そっか、君は俺の事知らないんだっけ

テヒョン

俺とジミナは幼馴染なんだ。
かれこれ...10、何年だろ、まぁとにかく長い付き合いなんだよ

ジョングク

そう、なんですか…?

テヒョン

なんで友人に恋人の話しといて、恋人には友人の話をしないんだか…

テヒョン

俺は会うたびに君の話を聞かせられたのにㅋㅋ

ジョングク

だから、僕の事を…

テヒョン

そ、写真しか見たことなかったけど、一目でわかったよ

テヒョン

ジミナが好きそうな子だなーってㅋ

ジョングク

なっ、か、からかわないでくださいっ

テヒョンさんがにやにやと眺めてくる。

テヒョン

いやいや、ほんとにそう思ったんだってㅎㅎ

テヒョン

誠実で優しそうだし、

ジョングク

…僕はそんな良い人間じゃないです

ジョングク

それにっ、

ジョングク

ヒョンの恋人を名乗る資格なんて、ありません………

ジョングク

僕のせいなんだ…僕が、あの日、、

喧嘩なんて、しなければ

テヒョン

…大丈夫?

テヒョン

ジミンと、何があったの?

ジョングク

…口論になったんです

ジョングク

小さい言い争いから始まって、どんどん熱くなっちゃって、

ジョングク

ヒョンが、家を飛び出してもっ、、すぐに追いかけもしなくて...

ジョングク

そしたら、こんな……

ジョングク

……あぁ、僕ホント馬鹿だ…っ

あの時の自分を殴ってやりたい 。

テヒョン

そんなことが…

テヒョン

ジミナ、一回怒ると人の話よく聞かないしな...

テヒョン

でも…部外者の俺が言うのもなんだけど、気にし過ぎも良くないと思うよ

テヒョン

流石に、10:0で君が悪いってこたぁないだろうし

テヒョン

結果的に、記憶以外は無事だったんだしさ

テヒョンさんはフォローしてくれたけど、僕はそんな風には考えられかった。

ジョングク

(結果論じゃ、ダメだ…)

もし、打ち所が悪ければ、見つかるのが遅ければ、

ヒョンは、命を落としていたかもしれない。

そう考えると、自分がこんなにのうのうと過ごしていてはいけない気がして、

ジョングク

(償わなきゃ…)

ジョングク

(でも、今のヒョンに謝っても…)

ジョングク

あの、記憶って、いつ戻るとか…

テヒョン

あぁ…それ、なんだけど…

テヒョン

現状、治る見込みはない、って言われてて…

ジョングク

………っそう…なんですね…

泣き面に蜂とは、まさにこの事だろうか

………

少しの沈黙を破ったのは、緊張感のない、ヒョンの眠そうな声だった。

ジミン

てひょなぁ~僕もう寝るね~

テヒョン

、あ、おう、おやすみ

ジミン

ん。君も、おやすみぃ

ひらひらと僕にも手を振って、ヒョンと猫は2階に消えていった。

ジョングク

(きみ、か)

他人行儀で悲しくなる。

テヒョン

テヒョン

なぁ、どうすんの?

ジョングク

…え、何を、ですか

テヒョン

いや、君はあいつの彼氏な訳じゃん。

ジョングク

い、一応…

テヒョン

君からしたら俺らが一緒に住んでんの、嫌でしょ?

ジョングク

っ、ま、まぁ…

ジョングク

嫌じゃないって言ったら、嘘になりますけど、

ジョングク

そんなこと言えた立場じゃ……

ジョングク

ヒョンが僕を忘れてる限り、どうにもできないし…

テヒョン

…!

テヒョン

君が、思い出させてやればいいんじゃない?

ひらめいた!というようにテヒョンさんが顔を明るくする。

ジョングク

そんなこと、できるんですか、、?

テヒョン

なにかがトリガーになって急に思い出すこともあるとか言われたし、

テヒョン

ジミナと君次第だと思う。

テヒョン

治るって保証はないけど…

テヒョン

思い出の場所に行く、とかさ、

テヒョン

とにかく、一緒に過ごしてみなよ

テヒョン

そんで記憶を引き戻す!

テヒョンさんは、うん、良い考え!と自己完結する。

ジョングク

でもヒョンは、僕が知り合いかも分かってない訳じゃないですか、、?

ジョングク

どうすれば…

自分で言ってて悲しくなってきた。

テヒョン

うーん…そうか…

テヒョン

…とりあえずこのまま俺がジミンと暮らして、

テヒョン

君がウチに通うとか?

ジョングク

え、

ジョングク

いいんですか?

テヒョン

ああ。

テヒョン

君が良いならこっちはなんも問題ないよ

テヒョンさんが、にかっとさわやかに笑う。

そうして、僕らの不思議な関係が始まった。

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