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五条悟

京都の方もオマエの指示だろ

夏油傑

まぁね、君と違って私は優しいんだ

座り込んで壁に背を預ける夏油と見下ろして話す五条。 夏油は一切〇〇の方を見ない。

夏油傑

あの2人を私にやられる前提で

夏油傑

乙骨の起爆剤として送り込んだな

五条悟

そこは信用した

五条悟

オマエの様な主義の人間は

五条悟

若い術師を理由もなく殺さないと

夏油傑

クックックッ

夏油傑

信用か

夏油傑

まだ私にそんなものを残していたのか

夏油傑

コレ返しといてくれ

夏油が投げたそれを五条が受け取る。 それは小学校で落とした乙骨の学生証だった。

五条悟

小学校もオマエの仕業だったのか!

夏油傑

まぁね

五条悟

呆れた奴だ

そしてやっと〇〇の方を見る夏油。 〇〇は俯いたまま何も言わない。

すると夏油が優しく名を呼んだ。

夏油傑

〇〇、

蝶野〇〇

〜〜〜っ、!

走った〇〇は勢いよく夏油に抱き着く。 返り血がついたって気にしない。

たった1人の大好きな人だから。

蝶野〇〇

傑っ、なんでっ……傑、!

夏油傑

ギュウッ

夏油の胸に顔を埋める〇〇の背に左手を回す夏油。 ギュッと力を込めるがそれが弱々しく、 この命はあと少しの灯火なんだと実感させられる。

何度も何度も繰り返し名を呼ぶ〇〇。 ボロボロと流れる大粒の涙を 夏油が一度〇〇を起こさせ、拭った。

夏油傑

〇〇、こっちを見て

蝶野〇〇

……、グスッ

涙を拭う夏油の手を〇〇が握る。 〇〇と夏油の視線が交わった。

優しく微笑む夏油は呪詛師の彼ではなく あの時の、昔の大好きな彼に戻っていた。

夏油傑

私に対してそうやって涙を流してくれるだけで

夏油傑

私はとても幸せだ

夏油傑

君は昔からそうだ

夏油傑

人のために涙を流せて、人のために命をかけて戦う

夏油傑

そして君は今その本当の自分を隠してる

夏油傑

でも私は本当の君が今も昔も好きなんだ

夏油傑

だからね、〇〇

夏油傑

本当の君をどうか隠さず、ありのままの〇〇でいて欲しい

夏油傑

できるね?

蝶野〇〇

うん

蝶野〇〇

できるよ、傑が言うならそうするよ

夏油傑

うん、ありがとう

夏油は〇〇の頬を親指で優しく撫でてそう微笑むと、 〇〇もニコッと笑った。

それは取り繕った微笑みでは無い、 忘れかけていた昔の〇〇の眩しい笑顔だった。

五条悟

……他に何か言い残すことはあるか

夏油傑

……

夏油傑

誰がなんと言おうと非術師は嫌いだ

夏油傑

でも別に高専の連中まで憎かったわけじゃない

夏油傑

ただこの世界では

夏油傑

私は心の底から笑えなかった

五条悟

五条悟

──────

夏油傑

夏油傑

はっ、笑

夏油傑

最期くらい呪いの言葉を吐けよ

バシュッ

蟲 の 呼 吸 の 継 承 者 、1 級 呪 術 師 🦋

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