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マスクの必要性

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マスクの必要性

1 - マスクの必要性 第1話

♥

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2021年08月13日

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反マスク活動家

マスクなんか必要なーい!

反マスク活動家

政府やマスコミは我々に嘘を言っている!

レポーター

ご覧ください!

レポーター

週末の繁華街を反マスク派の人たちがデモ行進しています

反マスク活動家

マスクは個性を奪う!

レポーター

専門家の意見を真っ向から反対している模様です

レポーター

主催者発表によると、参加者は5千人とのことで

レポーター

先週よりもわずかに増えています

レポーター

街ゆく人たちはみなマスクをしていますが

レポーター

かれらは一同にマスクをせず飛沫を飛ばし

レポーター

密な状態で行進を続けております

反マスク活動家

マスクを着けさせ

反マスク活動家

我々を均一化、同一化させることで

反マスク活動家

思想を奪おうとしている!

レポーター

彼らは相変わらず政府による陰謀論を唱えております

レポーター

しかしながら

レポーター

事前の街頭調査によりますと

レポーター

意外にもその説を信じている層が

レポーター

一定数はいたこともわかっています

反マスク活動家

マスク反対!

反マスク活動家

マスクをせずともわたしたちは元気だ!

真美

なんか世の中変な感じだね

私はジャムを塗りながら

朝のワイドショーを見ていた

こら、よそ見しながらなんて、お行儀悪い

もう大人なんだから、しっかりしなさい

真美

はーい

私は正面に向き直り

父が広げる新聞に視線を移した

自粛自粛でたまるものもあるんだろう

真美

でもやりすぎじゃない?

真美

マスクしてる人を襲ったりしてるんでしょ?

新聞の見出しにも、同様のことが書いてある

過激派はもちろん罰せられるべきだ

売り場のマスクに毒を塗るなんて

事前にわかったからいいものの

最悪の場合死人が出ていたぞ、あれは

父はついさっき仕入れた情報を披露した

こんな田舎にも過激派が現れたそうよ

パートの人が襲われそうになったって

真美

なにそれ、こわ

真美

どこで?どこで?

ランドマークとなるような建物もない田舎では

反マスク運動はどこか現実離れしていた

感染症もこの田舎では流行っている様子はなく

マスクするのもたまに忘れるほど危機感がない

それよりも私の中を占めているのが

大学での勉強だった

真美

なんか息苦しい雰囲気だったね

ユリ

だってみんなマスクだもん

真美

そうじゃなくて…

真美

みんなピリピリというか

真美

誰もかれも余裕がない感じで

真美

居づらかったよ

ユリ

だってあと1年しかないんだよ

ユリ

みんな単位を取るために必死になってる

ユリ

就職先だって探さないといけないもん

ユリ

田舎だから就職先も多くないし

ユリ

下手したらニートだよ

ユリはマフラーに首を埋めながら

へらへらと笑っていた

私にとって彼女はオアシスだ

真美

(ユリは一緒にいると落ち着くし)

真美

(みんながそわそわしてても、変わらず癒やしてくれる)

真美

(男子がつまらないっていうのも、まぁ事実かもね)

私は大学からの帰り道

ずっとユリの話に耳を傾けていた

真美

(この時間がずっと続けばいいのに…)

真美

じゃあね~!

ユリ

うん!真美も気をつけて帰ってね!

私は街灯の少ない道を

スマートフォンの画面を見ながら歩いた

真美

(寂しいな…)

真美

(でも、今はこうしてネット越しにつながっていられる)

真美

(現代に生まれてよかったぁ)

そんなことを考えて歩いていたら

2つ先の街灯の下に

人が立っていることに気づいた

真美

(あ…あの人、マスクしてない)

おまえ…

マスクしているなぁ!

いきなり奇声じみた大声をあげて

男が私に駆け寄ってきた

真美

ちょっとなんですか!?

マスクなんてものは

人の個性をつぶすものなんだ!

外せ外せ!

真美

ちょっと近寄らないでよ

真美

マジ密だから!

真美

(こいつがママの言ってた反マスク過激派!?)

マスクをしている私の顔に

手を伸ばしてくる男から

私は全速力で逃げた

真美

(元陸上部の脚力ナメんな!)

ユリにこの緊急事態を知らせるメッセージを打っていたら

足元の注意が疎かになってしまい

転倒してしまった

真美

いたっ!

手から離れたスマートフォンが

舗装された道路を滑る

マスクを外せ!

マスクなんてしていたら

頭がおかしくなるぞ!

真美

あんたの方が頭おかしいよ

しかし、男を退けることはできず

男は私に馬乗りになった

真美

やだ!

真美

どっかいけ

真美

誰かぁ!

その時、誰かの声が薄暗い通りに響いた

そこでなにをしている!

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