太宰治
私は戸惑いを隠せなかった。
中島敦
中島敦
敦くんは抱きしめた私の腕を、そっと優しく撫でる。
太宰治
中島敦
太宰治
中島敦
太宰治
敦くんだった。
愛おしい、あの時の敦くんだった。
私は嬉しくて、嬉しくて、仕方がなくて、幼子のように敦くんに泣きついてしまった。
彼は、優しく私が泣き止むのを待っていてくれた。
中島敦
首を縦に振る。
中島敦
太宰治
太宰治
太宰治
敦くんは鼻で笑った。
中島敦
本気にしていない、笑いだった。
太宰治
太宰治
太宰治
だけど忘れられなかった。
太宰治
私の目にはまた涙が浮かぶ。
太宰治
中島敦
太宰治
太宰治
涙は、もう止まってはくれなかった。
君より四歳も年上なのに、恥ずかしいとも思ったが、それより君に会えたことが嬉しくて。
太宰治
太宰治
中島敦
敦くんの顔は、先ほどのような本気にしていない顔ではなくて、
真摯に受け止めてくれる、あの時の真面目な敦くんだった。
中島敦
中島敦
中島敦
中島敦
彼は優しく微笑んだ。
太陽のような温かい笑顔だった。
私は改まったような顔で、彼の手を取る。
中島敦
彼は何かを察したような笑みで、こちらを見つめる。
太宰治
中島敦
太宰治
顔がほてって、乾いていない涙のせいで、うまく彼の顔が見れない。
だけど、ぼんやりとした輪郭が笑んでいることだけはわかった。
中島敦
太宰治
中島敦
太宰治
中島敦
太宰治
太宰治
彼は輝いた太陽のような、朗らかな笑顔で、
中島敦
なんて目に涙を溜めて言うものだから、私もつられて、涙がまたもや目から溢れる。
愛してる
二つの声が同時に重なった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
楽しんでいただけたら、幸いです。
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あなたも君も裏切り者
完
コメント
2件
はぁあん…好き…