コメント
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渡辺side
正直、昔、俺は〇〇が苦手だった。
突如現れた女に衝撃を受けたのは 俺だけではなかったはずだ。 あの頃の俺はツンツンしてたし、 どうせ男目当てだろ。って、
〇〇に対してそんな思いしか無かったんだ。
岩本照
深澤辰哉
照とふっかが〇〇を心配そうに見つめている。この2人は割とすぐ〇〇と打ち解けていた。
それも、俺は気に食わなかったんだと思う。
〇〇は部屋の片隅に1人座り込んでいて、その姿はあまりにも孤独だった。
岩本照
深澤辰哉
なんだよ、それ。って
俺は何故か無性にイライラした。 たかが、女で、俺らとは違う。
事務所に入れたのだってどうせコネとかだろ。 って思ったんだ。
渡辺翔太
岩本照
渡辺翔太
女、がこの事務所でやっていくなんて 無理に決まってる。
現にアイツはアンチやいじめに悩ませてる。
照が何か言いたそうに口を開いたが、 俺はお疲れ、と一言呟いて部屋を出た。
渡辺翔太
俺は財布を忘れたことに気づき、 めんどくせぇ。そう思いながら さっきいた場所へと再び歩き出した。
渡辺翔太
あの頃の俺は本当にめんどくさがりで 人と関わることもあんまり好きじゃなかった。
だから、まだ誰かいるこの部屋に入ることも一瞬躊躇
渡辺翔太
扉に手をかけて少しだけ開いた隙間から見えたのは、鏡の前で汗だくになりながら踊る〇〇だった。
何度も、何度も、同じところを繰り返して動きも形も申し分ないくらい綺麗なダンスなのに、彼女は首を傾げながら繰り返して踊っている。
渡辺翔太
俺が入ってきたことにも気づいていない。
ただガムシャラに踊る彼女に俺の心は一瞬で奪われた。 しばらくして彼女はイヤホンを耳から抜き、その場に倒れ込むように座り込んだ。 息遣いは荒く、肩で息をしていた。
渡辺翔太
一ノ瀬○○
突然背後から声をかけられて驚いたのかものすごい速さでこっちは振り返る〇〇。
その表情は照やふっかと話してる時とは違って少しだけ戸惑っていた。
...なんで.....帰られたんじゃ..
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
彼女の手には俺の財布。
ぎこちなく手渡してきた財布を受け取ると 「あっ、.ご、めんなさい...」 何も言ってない俺に早口で説明する〇〇は 怯えているのか少しだけ震えていた。
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
何も言ってない俺に早口で説明する〇〇は、怯えているのか少しだけ震えていた。
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
バッと顔を上げて少しだけ笑った彼女に俺の心臓がドクンと音を立てた。 ドクドクとうるさいくらいの音が脳を刺激した。 おかしい、なんだこれ... なんでこんなドキドキしてんだよ俺。
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
俺のダメ出しに目を輝かせて頷く○○。おかしい奴だ。 ダメ出し食らってんのに嬉しそうに頷いている。
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
シュン、とする彼女はまるで犬だ。 折れた耳が見える。 そんな姿に思わずクスッと笑ってしまった。
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
こいつは自分が悪くなくても謝る。すぐに謝る。 その口癖みたいなのが凄く嫌で、 お前は悪くねぇだろ。って思った。
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
腰を曲げてお辞儀する彼女の頭を撫でると、 驚いたのかバッと顔を上げる。 そして、ふんわり笑ったんだ。
この時から俺は○○の事が好きで こいつには負けたくない。と 勝手にライバル心を抱いていたんだと思う。
渡辺翔太
一ノ瀬○○
渡辺翔太
一ノ瀬○○
....変な奴だな。 荷物を下ろし、準備する俺の横に ピッタリとくっついてきた照。 ニヤニヤしてるのが気持ち悪い。
渡辺翔太
岩本照
渡辺翔太
岩本照
渡辺翔太
岩本照
やれやれ、という顔をしながら離れていく照にこいつめんどくせぇ、と思ったけど、 去り際に「ありがとな」なんて言われたら何も言えなくなった。
渡辺翔太
この時から俺の〇〇への独占欲は ジワジワと始まっていたのかもしれない。