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初見です!バリ好きやし、読んでてニヤニヤしてました。はい。変態ですね。
読んでてワクワクしました!
続き待ってます!ドラムが叩けるってすごい!
成瀬 楓
成瀬 楓
成瀬 翔
大学のレポートをまとめる 兄の肩を揺らし、急かした
成瀬 楓
慣れないセーラー服で ぐるっとまわって見せた
成瀬 翔
成瀬 翔
成瀬 楓
肩を垂らし、鏡へ向かった
成瀬 楓
少し、背伸びをして映る私。
成瀬 翔
リュックを背負った兄が玄関で 待っていた
成瀬 楓
私もリュックを手に取り 靴を履いた
成瀬 楓
成瀬 翔
ガチャッ....!
成瀬 楓
勢いよく扉を開けると 桜の花びらが顔にかかる
成瀬 翔
いつの間にか兄は桜並木の 通りを歩いていた
成瀬 楓
私は人差し指を立て、 ドラムを叩くモーションをする
成瀬 翔
成瀬 翔
成瀬 楓
成瀬 翔
成瀬 楓
手首が壊れそうになるくらい お兄ちゃんと練習したドラム。
だから、高校ではお兄ちゃん みたく、軽音楽部に入るんだ
成瀬 翔
成瀬 楓
ひらひら手を振り、兄と別れると 私と同じ制服の人達が増えていく
成瀬 楓
私はリュックを背負い 校門に向かって走り出した
「入学式といえば、私も はじめては緊張したもんです。」
そんな校長先生の話を聞いて もう、10分が経とうとしている
長い.......。
???
???
???
後ろの人から話し声が聞こえた
???
???
後ろの人がいきなり大声を出した
バッ!!
全員の注目が彼に向かう
「えー、では このくらいで...」
おっ!
大声を出されたのはアレだけど おかげで話が終わった
ある意味、感謝だ。
ガヤガヤガヤガヤ
成瀬 楓
やばい。
私は今、大変な状況に おかれている
もうすでに何人かのグループが 出来始めている
やばい。
花の女子高生活、ぼっちは いやだ!
とりあえず、誰かに 話しかけなきゃ.......。
成瀬 楓
先生
話しかけようとしていた所に 先生が入ってきた
せんせぇぇぇぇ!
先生
成瀬 楓
天宮先生.......。
先生
先生
お兄ちゃんの代の先生でもある
天宮先生は、お兄ちゃんいわく
「ヤバい奴」らしい。
先生
先生
天宮先生はモジモジしながら
先生
「えぇぇ....。」
「なんでだよぉぉぉ!」
なんて声も飛び交う中、
「かわいい〜!」
という女子の声も聞こえた
先生
先生
天宮先生が大きく手を広げた
最初はみんな、いきなりの事に 固まっていたが
オォォォ!と雄叫びのような声を 上げ、教室から出ていく
成瀬 楓
私も続いて席を立つと、
先生
は?
気のせいかと思いながら振り返ると
先生
ウインクしながら そう言う 先生の姿があった
なんでぇぇぇぇぇぇぇぇ!
先生
成瀬 楓
私はげっそりしながら ダンボールを運ぶ
なんで私がこんなことっ!
先生
先生
何故に名前呼び?
先生
成瀬 楓
こういうタイプ苦手だ
先生
成瀬 楓
成瀬 楓
先生
両手に抱えた資料をみながら
先生
と呟いた
成瀬 楓
あんなのと似てるなんて... 嬉しいのだろうか。
先生
成瀬 楓
もちろん、軽音楽部だ
でも ここでそんなこと言ったら 媚び売ってるみたいでやだ
先生
成瀬 楓
熱い人だなぁ
先生
天宮先生が職員室前で 資料を下ろした
先生
私の持っているダンボールを 受け取る
成瀬 楓
先生
ホール3。
成瀬 楓
私はホール3向かって走り出した
ガラッ.....!!
勢いよく扉を開ける
多分、ここがホール3だ。
成瀬 楓
ベースやギター、キーボードが 綺麗に並べてある中、
成瀬 楓
強烈な存在感を放つモノが 置いてあった
ドラムだ。
成瀬 楓
私が教室に入ろうとした瞬間
???
私と同じくらいの背の人が言った
成瀬 楓
???
締め切った?
成瀬 楓
私がまだ分からないという 顔をしていると
???
嫌という程、分かりやすい 言葉が耳に残る
成瀬 楓
成瀬 楓
私は後ずさりし、出ていった
成瀬 楓
私はゆっくりリビングに向かった
成瀬 翔
静かに扉を開けた兄が
心配そうに私を椅子に座らせた
成瀬 楓
成瀬 翔
成瀬 翔
目を丸くしながら兄が聞く
成瀬 楓
成瀬 翔
どんまい。と肩を優しく叩く 兄は
成瀬 翔
と思い出したように 話し始めた
成瀬 翔
成瀬 楓
彼女か!?彼女なのか!?
私は興味深々に身を乗り出す
成瀬 翔
成瀬 楓
彼女じゃないんかい!
心の中の期待を壊しながら
リュックを片付ける
カランッ......
成瀬 楓
何かが落ちた
私は拾おうと足元を見ると
成瀬 楓
スティックだ
ずっと、使ってきたスティックだ
成瀬 翔
私が落としたスティックを 拾いながら、心配そうに聞く
成瀬 楓
私はスティックを受け取ると また、リュックにしまった
軽音楽部がいない時に 叩けば大丈夫だろう。
??
誰かがリビングの扉を開け 中に入ってきた
成瀬 翔
成瀬 楓
??
中に入ってきたのは
成瀬 翔
成瀬 楓
成瀬 楓
兄の友達、「luz」さんだ
luzさん
来て早々、ソファにドカっと 座ったluzさんは
luzさん
と ゴロゴロ転がる
こんなの、お母さん達が見たら....
成瀬 楓
ふと気づくと、いつもはいる 母たちがいない
成瀬 翔
luzさんにお茶を出しながら 兄が答えた
成瀬 楓
そうなんだーと思いながら luzさんに出されたお茶を飲んだ
luzさん
兄にお茶のおかわりを頼みながら luzさんが言う
成瀬 翔
棒読みで返事をしながら 兄はこちらを睨む
成瀬 楓
ごめん、お兄ちゃん。 絶対私です
成瀬 翔
成瀬 楓
私は嘆きながらお風呂場へ 向かった
成瀬 翔
僕は妹をお風呂場へ送り終え luzくんに聞いてみた
luzくん
ぐっと親指をたてたluzくんは
luzくん
アレと言いながらluzくんは ドラムを叩くモーションをした
成瀬 翔
luzくん
僕の一言で察したのか luzくんはそれ以上聞かなかった
成瀬 楓
足元や、前髪を少し濡らした 妹が よたよた歩いてきた
成瀬 翔
と バスタオルとパジャマを 持って風呂場へ向かおうとすると
成瀬 楓
妹がこの世の終わりみたいな 顔をしていた
成瀬 楓
と 肩に手を置く
成瀬 翔
成瀬 翔
luzくんは隅っこの方で
luzくん
と ウインクをしていた
成瀬 翔
僕はluzくんを引っ張って 風呂場へ行った
兄はluzさんをズルズルと 引っ張ってお風呂場へ行った
まさか、お兄ちゃんが 腐っていたなんて....
成瀬 楓
お生憎、今日は お風呂も入れる気分じゃないし ご飯も喉を通りそうにない
成瀬 楓
私はパジャマに着替えて部屋へ向かった
成瀬 翔
成瀬 楓
私だって
成瀬 翔
成瀬 翔
成瀬 楓
私だって
成瀬 翔
成瀬 楓
私だって
お兄ちゃんみたいなドラマーに
成瀬 翔
成瀬 翔
絶対、なるんだから...!
カッ..カッ..カッ..カッ
成瀬 楓
後ろにメトロノームが あるみたいに
リズムが手に取るようにわかった
成瀬 楓
今なら、きっとできる
ドッハドッハドッハドッドッハドッハトッパドッ
成瀬 楓
できたっ!
成瀬 翔
成瀬 翔
できる!
成瀬 翔
成瀬 楓
今までとは全く違う
腕がムチみたいに自然に振れる
ペダルも踊ってるみたいだ
あぁ、そっか
だからドラムって
成瀬 翔
こんな楽しいんだ___
ドカッ....!
成瀬 楓
成瀬 翔
成瀬 翔
成瀬 楓
パチッ....
成瀬 楓
私は重たい体をゆっくり起こした
成瀬 楓
目を擦りながら バスタオルと制服を持って
お風呂場へ行った
成瀬 楓
成瀬 楓
制服のリボンを結びながら スティックを探した
成瀬 楓
私はスティックを拾うと すぐにリュックにしまった
かと思ったら
成瀬 楓
スティックを軽く握り
机にコップを並べた
成瀬 楓
カッ、コッ
優しく、順番にコップを叩く
カッカッカッカッ
成瀬 楓
だんだん楽しくなってきた所で
成瀬 楓
スティックを今度こそリュックに しまい、家を出た
ガラッ....
私はホール3の扉をゆっくり 開けた
成瀬 楓
天宮先生は 「いないから、大丈夫だよ〜」
って、言ってたけど
成瀬 楓
成瀬 楓
私はもう一度廊下を見る
朝の光を浴び、静けさをまとった 廊下には誰もいなかった
成瀬 楓
呪文のように何度も何度も 言いながら、教室に入った
成瀬 楓
入ってしまえばもう、 どうでもよかった
私は目の前のドラム一直線に 向かっていった
成瀬 楓
ギィッ と音を立て座り スティックを握りしめた
成瀬 楓