彼と初めてデートした時に買ってもらった、黒のロングコートを羽織って
滅多に使わないヘッドホンを付けて、夜の街を行くあてもなく歩く
爆音で音楽を聴きながら、ポケットに手を入れて街灯の少ない通りを進む
相変わらず明日、いや今日も仕事に行かなければならないことに変わりはない
音楽を聴いて、ちょっと気分が良くなった気がして
でも、帰りたくはなくて
現実に、戻りたくなくて
もうとっくに深夜帯なのに、明日に響くかもしれないのに。
誰もいない道を、家から逃げるように歩き続けた
仕事終わり、見事に爆食をかまし気づけば真夜中
やらかしすぎているとは思うが、たまにはこんな真夜中に1人でゆっくり帰るのもいいな、なんて考える
そんな矢先、何処かの路地裏からよく見る影が現れたのだ
多分というか、あれは確実にあいつだろう
少し銀色の装飾品のついたロングコートを着ているし、何よりも明かりに照らされた顔がちゃんと見えている。
彼に追いついて肩をぽんと叩くと、驚いたようにヘッドホンを外した。
腕にヘッドホンをかけて、ポケットに手を入れて隣を歩くまろ
何気に、二人でいるのは久しぶりだ
そこで感じた違和感
……なんだ、なんて言ったらいいのだろう
ビンゴ。
感覚はあってたようだ
半強制的にないこの家に連れられ、されるがままにお風呂に入った
ちょっとお酒もあけたりして、久しぶりにないことゆっくりしたけれど
この家、現実に帰ってきたことに変わりはなくて
現実は嫌だけど
ないこに会えなくなるのは嫌で
矛盾してしまう自分も嫌で
勝手にひとりで苦しくなるまでが
いつもの流れで
信用ならない訳じゃないけど
その信用が壊れる方が怖いから
飲み込まれていく感覚
あ、多分これ
駄目なやつだ
ずし、と体重がかかってきた
布団を引き寄せて、まろにかかるようにしてあげる
多分もう寝落ちしちゃうかな、と思いながらちょっと楽な体制にしてあげる
いくらなんでも、それはしてあげられない
多分まろがいなくなったら俺は
まともに生きられなくなっちゃうから
疲れて、沈むように眠ったまろを撫でながら横になる
神様、どうか
まろがこれから、幸せに生きれる世界を
作ってください
俺にはそう願うことしか出来ない
Fin.
コメント
2件
これめっちゃ好きです‼️ 桃青さいこーだなってなりました! リクエスト失礼します🙏🏻 よければ赤さんの病み見たいです!
この作中みたいに、ド深夜寝れなくなった時に外出て歩いてみるのもいい気分転換になるよ👍🏻 寒いのは我慢してね✌🏻 P.S.そろそろネタ切れなのでペアやネタ等書いて欲しいもの募集してます🥲🥲