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向こうのわたし

第1話 - 向こうのわたし第1話

2025年11月08日

#ドッペルゲンガー

神怜いのり。

姫恋愛

ねえ兎羽ー

兎羽

んー

兎羽

どーしたの

ある日の休日。

兎羽は、友達の姫恋愛と歩道を歩いていた。

姫恋愛

うちさー、見たんだよー

姫恋愛

兎羽さー、ほんとは気づいてたんじゃないの〜？

姫恋愛

私がネオンモールに居たことー

兎羽

へっ？

兎羽

ネオンモール？

姫恋愛

そーだよー

姫恋愛

うちずっと兎羽のこと見てたんだけどー

姫恋愛

気づかなかったの？

姫恋愛

ていうか、兎羽もうちのこと見てたじゃん

姫恋愛

なんで無視したのー

姫恋愛

私の愛の目線を〜

兎羽

いっ、いやいや、ちょっと、待って

姫恋愛

んー？

兎羽

わっ、私、ネオンモールなんか行ってないよ

姫恋愛

はあ？　完全に見たんだもん

姫恋愛

兎羽と完全一致してたしさー

姫恋愛

私が顔を間違えたことある？

兎羽

そ、それは………ない………けど

姫恋愛

でしょ〜？

兎羽

………そ、それって、いつ………

姫恋愛

なんで行ったことも覚えてないのー？

姫恋愛

もうっ、さすが兎羽だね

姫恋愛

そういうところも兎羽らしいよ

姫恋愛

───それで、行ったのは日曜でしょ？

姫恋愛

思い出した？

兎羽

あ………その日は………

兎羽

（私、ずっと家に………）

姫恋愛

ほらー、思い出したでしょー？

姫恋愛

あの時の私の顔をっ

兎羽

いや………私は………

兎羽

ずっと家に居たよ

兎羽

ネオンモールなんか行ってない

姫恋愛

兎羽〜、まだうちを騙すつもりー？

姫恋愛

冗談にも程があるって

兎羽

ほ、ほんとだって

兎羽

（私は嘘をついてないのに、こんなことで姫恋愛との関係が崩れるのはいや）

兎羽

（ちゃんと、話を聞いてもらおう）

兎羽

くっ、姫恋愛っ！

姫恋愛

んー、なにー

姫恋愛

いい加減さー、認めてよ

兎羽

ちっ、ちが………

煌羅

ごめん兎羽っ、遅れた〜！

後ろから来たのは煌羅。

煌羅は2人の友達で、いつも3人と一緒だった。

姫恋愛

ねー、煌羅〜。聞いてよー

姫恋愛

兎羽がうちに嘘ばっかりついてくるんだけどー

煌羅

なになにー？　なんの話〜？

姫恋愛

実はねー………

姫恋愛は煌羅に、兎羽との出来事のことを話した。

煌羅

そっかー、なるほどねー………

姫恋愛

煌羅はどう思う？

煌羅

そうだなー

煌羅

私は、兎羽は恥ずかしかったんだと思うよ

煌羅

たとえば………家族とかを見られるのとか

兎羽

えぇ………？

煌羅

実際そうなんじゃない？　兎羽

兎羽

（べ、別にそんなことはないけど………ここは話を合わせた方が、まだ………）

兎羽

う、うん

兎羽

正直………

煌羅

ほら、やっぱり

姫恋愛

なぁんだ、そうだったのね

姫恋愛

てっきり、無視されたのかと思ったよー

兎羽

そんなこと姫恋愛にしたことある？

姫恋愛

ない！

兎羽

でしょー？

兎羽

───だから、姫恋愛に見られちゃったから、話しかけるのが気まずかったんだよー

姫恋愛

なんだ、そういうことか！

姫恋愛

最初から言ってくれればよかったのに〜

兎羽

えへへ、ごめんごめん………

兎羽

（姫恋愛の言ってること、気になるな………）

兎羽

（私がもう1人………）

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