Tordが入院してから 1週間が経とうとしていた
Tom
Tomはこの現状をまだ… 受け入れられないでいるのだろう… 正直自分も受け止めきれないでいる
後日
Edd
Edd
Tomはチューニングしていた スーザン(ベース)から目を離し Eddを見つめ溜息をついた
Tom
Tom
そこでTomは現実を突き付けられ 言葉に詰まった
Edd
Edd
ようやく出た言葉はコレだけだった
何も言わず買い出しに出かける Tomの背中をただジッと見送った
Tomが出かけ、一人になった部屋は やたら広く冷たく感じた
僕はソファに横たわると 両手で顔を覆った
-1週間前-
Tordの部屋にて…
無線越し)ダンッダンッ
Edd
Edd
Edd
Edd
Edd
Edd
いつの間にか寝てしまっていた 1週間前の光景が悪夢になって 脳内を駆け巡った
……自分は……どうしたらいい……?
どうすれば良かった…?
何であの時、何も出来なかった……
喉の奥から苦いモノが溢れてきて 体を猫の様に丸めると 声を殺して泣いた
その時背中を優しく撫でられ ゆっくり顔を上げた
Matt
Mattだった
慌てて涙を拭こうとした手を Mattは優しく掴んで 湿らせたハンカチを差し出した
Matt
Edd
…Matt、ごめん…気遣わせちゃったね
Matt
(Eddの背中撫でる
その後帰宅したTomと 3人で病院に向かった
病院-入院病棟-
Tordが睡っているベッドの横の棚に 置いていた花瓶に目をやった
Edd
ベッドの傍の椅子に座っていたTomの 背中が小さく見えた
花を換え終えて病室の前まで来た時 微かにTomの声が聞こえた
……Tordに話し掛けていた
Tom
微かだが確実に聞こえたその言葉に 体が重くなり動かなくなった
Edd
ずっと喉の奥に引っかかって 出てこない
苦い塊が喉を締め付けた
溢れる言葉が全部気休めに しかならない気がして
中途半端な励ましにしかならないと 知らない内にカギをかけていたのだ
自分の言葉を自身で否定していたのだ 真っ新に無くなってしまった
Matt
Mattの声と共に温かい包容感が 体を包んだ
Mattは何も言わずただただ、 強く、優しく抱き締めてくれた
そして
扉越しからTomの声が聞こえ 慌ててMattから離れた
Tom
Edd
その言葉に体に纏わり付いていた 錘が一気にとれた様な感覚を覚え 床にへたり込んでしまった
Edd
僕は君の代わりには… なれなかった…
END