____ それは、
まるでフィクションかのような、
僕と “ 君 ” の物語。
忘れない、
いや、
“ 忘れられない ”
あの “ 思い出 ” 。
その物語の始まりは、
梅雨の時だった___。
Kimi .
__昨日さ 、
人 、殺したんだ 。
人 、殺したんだ 。
Boku .
えっ .ᐣ
君はそう言ってた。
梅雨時、ずぶ濡れのまんま、 部屋の前で泣いていた。
Kimi .
殺したのは 、
隣の席の虐めてくる
アイツ 。
隣の席の虐めてくる
アイツ 。
Kimi .
もう嫌になって 、
肩を突き飛ばして
打ちどころが 、
悪かったんだ 。
肩を突き飛ばして
打ちどころが 、
悪かったんだ 。
Kimi .
もう 、ここには
居られないと
思うし 、どっか
遠いところで 、
死んで来るよ 。
居られないと
思うし 、どっか
遠いところで 、
死んで来るよ 。
そんな君に僕は言った__。
Boku .
それじゃ 、
僕も連れてって 。
僕も連れてって 。
財布を持ってナイフを持って、 携帯ゲームもカバンに詰めて、
要らないものは全部、 壊していこう。
あの写真も、あの日記も、
今となっちゃもう要らないさ。
“ 人殺し ” と “ ダメ人間 ” の
“ 君 ” と “ 僕 ” の
旅だ___。
そして、僕らは逃げ出した。
この狭い狭い、この世界から__。
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて、
“ 君 ” と “ 2人 ” で___。
遠い遠い誰も居ない場所で、
“ 2人 ” で死のうよ__。
もう、この世界に価値などないよ。
“ 人殺し ” なんてそこら中湧いてるじゃんか。
Boku .
君は何も
悪くないよ 。
悪くないよ 。
Kimi .
……… 。