サ ン ズ
ネ オ ン の 灯 り が 滲 む 。 夜 風 に 混 じ る 煙 草 の 匂 い が 、 あ の 女 を 思 い 出 さ せ た 。 黒 咲 絢 ─── " 反 社 の 女 王 " 。 あ の 夜 、 俺 に 跪 け と 言 い 放 っ た 女 。 そ れ が 妙 に 心 地 よ か っ た な ん て 、 誰 に も 言 え ね え 。
ラ ン
バ ー の 奥 で 蘭 が 笑 う 。 グ ラ ス を 傾 け る 仕 草 が い つ も 通 り 軽 い 。
サ ン ズ
ラ ン
ラ ン
サ ン ズ
── そ の 夜 。 絢 は ま た " E d e n " に 現 れ た 。 ヒ ー ル の 音 が 、 夜 を 切 り 裂 く 。
ア ヤ
ア ヤ
サ ン ズ
ア ヤ
ア ヤ
彼 女 は ソ フ ァ に 座 り 、 赤 い 唇 で グ ラ ス の 縁 を な ぞ る 。 そ の 仕 草 一 つ で 、 男 た ち が 目 を 奪 わ れ る 。 俺 も 例 外 じ ゃ な か っ た 。
サ ン ズ
ア ヤ
ア ヤ
サ ン ズ
ア ヤ
ア ヤ
沈 黙 。 目 が 合 う 。 一 瞬 で 、 周 り の 音 が 消 え る 。
サ ン ズ
ア ヤ
グ ラ ス が 軽 く 触 れ 合 う 音 。 そ の 瞬 間 、 三 途 は 確 信 し た 。
── こ の 女 を 支 配 す る こ と は で き な い 。 で も 、 壊 す よ り も " 手 に 入 れ た い " と 思 っ て し ま っ た 。
そ れ が 、 自 分 の 終 わ り の 始 ま り だ と も 知 ら ず に 。
コメント
2件
初コメ失礼します。 とても興味の引く物語の書き方や内容なのでフォローさせてもらいました!