テラーノベル
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午後。
診察を終えたいるまとなつが、広場へ戻ってきた。
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三人が顔を見合わせる。
昨日からずっと感じている違和感。
先生たちは何も言わない。
けれど、なにかを隠しているように見える。
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ため息をつきながらも、いるまは立ち上がった。
三人は人の少ない廊下を進んでいく。
昨日の白い扉。
今日は、しっかりと閉まっていた。
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なつがドアノブに手をかける。
カチャ
………開いた。
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中へ入る。
昨日と同じ白い部屋。
けれど、机の上にあったファイルは全て片付けられていた。
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いるまが奥の部屋を見る。
そこには、もう一つ扉があった。
白い壁とほとんど同じ色で、今まで気づかなかった。
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けれど、こさめは既にドアノブへと手を伸ばしていた。
カチャ
扉が開く。
その向こうには、細長い廊下が続いていた。
灯はついている。
けれど、人の気配はない。
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三人は廊下を進む。
壁には何もない。
窓もない。
ただ、一定間隔で、白い扉が並んでいる。
その一つ前を通り過ぎた瞬間。
____ピッ
中から電子音が聞こえた。
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さらに進む。
すると、突き当たりに大きなガラス窓があった。
その向こうには何台もの機械。
点滅するモニター。
そして、中央に置かれた白いベッド。
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三人がガラス越しに部屋を見つめていると、モニターの画面に文字が表示された。
『被験者______』
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思わず息を呑む。
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その時だった。
後ろから声がした。
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三人の体が固まった。
ゆっくり振り返る。
そこにはらんが立っていた。
いつもの白衣。
いつもの優しい顔。
けれど、笑っていなかった。
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静かな声だった。
怒鳴っているわけじゃない。
それなのに、いつものらんとは違う。
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らんは答えなかった。
ただ、三人をじっと見つめる。
しばらくして、らんは小さく息を吐いた。
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その声には、お願いするような響きがあった。
三人は何も言えず、らんの後ろを歩く。
廊下を戻る途中。
こさめがふと振り返った。
白い扉の向こう。
誰もいないはずの部屋から、もう一度だけ電子音が鳴った。
ピッ___
そして、
らんの端末にも、同じ音が響いた。
らんは画面を見た。
そこには、短い文字が並んでいた。
『対象者三名、区域内侵入を確認。』
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誰にも見えないよう、画面を伏せる。
けれど、その横顔をいるまだけが見ていた。
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らんの足が止まった。
数秒の沈黙。
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そう答えた声は、ひどく優しかった。
だからこそ。
いるまには、その声が少しだけ怖く聞こえた。
コメント
1件
うわっ…この話、ヤバすぎる!!😭💦 らん先生の優しさが逆に怖くて、いるまの「俺ら、患者なんだよな…」の問いかけがグサッときたよ…。被験者って文字、それに端末に届く通知…三人は何に巻き込まれてるの??次の展開が気になりすぎる!!続き、めっちゃ待ってます🔥✨
➰ ✿ nrkr
32
りおん
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みかんのかんずめ
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