藤澤涼架side
元貴が出ていってから、数分が経った
若井.
藤澤.
若井.
若井は急に立ち上がったと思うと僕に向かって言った
そして意味をよくわかっていない僕を助手席に乗せて若井は車を発進させた
藤澤.
若井.
藤澤.
若井.
藤澤.
若井.
藤澤.
若井.
若井はそう断言した
車は段々と病院に近づいていく
若井は病院に着くまで何も喋らなかった
若井は病院に入るなり受付に行き、看護師さんに何かを喋っている
手持ち無沙汰になった僕はカレンダーを眺める
今年は十周年記念の年。
七月には十周年の日も控えている
沢山ライブもテレビ出演もある
なのに元貴は十周年記念の日を迎えずに死んでしまうかもしれない
それが、すごく悲しかった
若井.
若井は僕に少し目を細めて言った
若井に引っ張られ、病室に入る
そこには柔和な笑みを浮かべたお医者さんが座っていた
若井.
お医者さん.
藤澤.
お医者さんが一瞬大きく目を見開いた
でもすぐに真面目な顔になって僕たちを見る
藤澤.
お医者さん.
お医者さんは急に複雑そうな顔をした
背中に冷や汗が伝う
静まり返った病室内に、外から喋る看護師さんの声が聞こえてきた
お医者さん.
お医者さんの言葉に、一瞬目の前が真っ暗になった
生きている誰かの心臓を移植する
それは、哺心病患者が助かるのと引き換えに、誰かが死ぬことになる
そういうことだ。
でも、きっとそれしか方法がないんだろう
だからきっと元貴は、治療法のことを隠した
お医者さんにもっと話を聞くと、移植治療で今も生きている哺心病患者がいるらしい。
心臓は家族や恋人が移植するケースよりも、自殺志願者や友人が移植するケースの方が多いらしい。
お医者さん.
お医者さんはそう言った
でも若井は何も喋らない
ずっと俯いて何かを考えている
藤澤.
若井.
心配になって若井に声をかけると、若井は顔をあげて微笑んだ
藤澤.
若井.
若井は急にそう宣言した
お医者さんも、僕もびっくりした
若井.
若井.
若井は僕にそう言いながら微笑んだ
僕はいつの間にか手に汗をかいていた
とりあえず、若井を止めないといけない
元貴が死んでほしいとかじゃなくて、純粋にもう一度考えて欲しかった
自分の命を投げ出し、いくらメンバーといっても他人の元貴のために命を使うという行為のことを。
でも、いくら若井を説得しても、 若井にもう一度考えて、と言っても。
若井はその決断をやめることはなく、夜はだんだんと更けていった
こんにちは✨
いいねありがとうございます😭 感想もうれしいです、ありがとうございます😭
それではまた!
コメント
4件
わがい“ざざあああああんんん まってまって もう無理だって、、、、、 もう泣いちゃうって、、、、、、 ほんと、、、、、、、、、だめだよ、、、、 やだあああああふたりとも死なないでよおおおおおお えぇ、、、、、だめですよほんとに、、、 今日も感動をありがとう、、、、、
わ、若井さん…この展開はなんなんだ…?続きが気になりすぎる!
ちょちょちょ、若井さん…?その覚悟は中々出来ませんって… でも、すぐ言えたってことはそれだけ絆が太く結ばれているんですね…(’o’)