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それは
いつだったか
いや
過去の事物に 時間なんて概念を
そんな窮屈な概念を こじつける必要はない
だから いつだっていいか
ただ事実を語ろう
何となく 俺が大学をサボったときの話だ
…………
毎日は変わらなかった
変わらず平和なことを人は望むが 正直なところ、それは嘘だ
変わらず自由なことを人は望むが 正直なところ、それは嘘だ
何かを壊したくて
何かに縛られていたくて
しょうがない生き物じゃないか
でも、正直には言わない
いちど、口からそんな言葉が出れば 社会性を気にした輩に責められる
その社会性を気にした輩 というのも
心の根っこでは 破壊や束縛を求めている
そんなものじゃないか……
三井東夜(みつい とうや)はぼんやりと考えた。
彼は、大学構内を意味もなくただ歩いている。
手には、自動販売機で機械的に買った缶コーヒーが握られ、背には、機械的に背負ったリュックがある。
そのリュックの中には、機械的に入れたテキストが詰まっている。
もうすぐ講義が始まる。
意味なんかない
特別に 意味を求めてもいない
だけど 無意味に生きてるのが気に食わない
それは何だか 系統が違うものだと思うから
俺はただ
本質を求めていたかった
東夜は立ち止まった。
もう既に、教室の前まで来ている。 立ち止まる意味などは……
友人
三井東夜
友人
友人
三井東夜
友人
友人
友人
友人
これも日常の一つだ
大学で知り合った友人 もう1年の付き合いになるのか
俺は大学2年生になった それが何の意味も持たないことに 苛立ちを覚える
そう、苛立ちを覚える
気さくな友人達と つまらない講義を受ける
時には恋愛を語り 時には将来を語り 時には、人生をも語る
これは幸せな一形態である
平和の、自由の、一形態である
……いや
……そんなものは
何も
何も本質を伴っていない
三井東夜
友人
こんなものは
三井東夜
友人
こんなもの達は
壊してしまえばいいんだ
そこで、東夜の何かが壊れた。 唐突にではない。
日々の見えない苛立ちが堆く積もり、その重しが今になって、東夜を支えていた心の礎を割った。
東夜は、何も答えないまま……
友人
友人
友人
友人
ただ、走り出した。