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熱波が体育館を襲う中、練習を重ねていた

___彼女は何を考えているのだろうか

五色 工

白布さんっ、危ないっ!!

白布賢二郎

五色?どうしたn…

五色 工

ボール!!避けて下さいっ!

白布賢二郎

え…って、うぉっ…!

瀬見 英太

やー、すまんな。わざとじゃないからな!

白布賢二郎

いや…分かってますけど…

瀬見 英太

しっかし、白布がよそ見なんて珍しいな

五色 工

考え事ですか?

白布賢二郎

別に、何もn…

鷲匠監督

そこ、喋ってないで練習やれ!

白布賢二郎

すいません…ほら、行くぞ

熱帯夜の始まる時刻___静かな公園

白布賢二郎

はー、疲れた…

俺の好きだった白崎と今の白崎は別人だ

でも___

白布賢二郎

…言い過ぎ、だよな

その時視界の隅で白いものがビクッと震えた

白布賢二郎

ん…?

白布賢二郎

って、白崎!?

季節外れのわずかな桜の匂いがした

白崎 桜

…っ、何してるんですか…こんなところで

白布賢二郎

それはこっちのセリフな…

白崎 桜

……散歩っ、邪魔されたくないので帰りますね

素っ気なくも丁寧な所作

以前の彼女との違いがくっきりと分かる

白布賢二郎

…待て、あのさ…俺…あの時は言い過ぎた

あの頃は俺からなんて絶対謝らなかった

白崎 桜

それは…私も…すみませんでした

そして、あの頃の彼女はこんな顔しなかった

白布賢二郎

じゃあ…俺、帰るわ

白崎 桜

あっ、その前に…!

思い出したように鞄の中を探り出した

僅かな間の後、1枚の白い封筒が出てきた

白崎 桜

これ…貴方に渡した方が良いかもしれなくて…

白布賢二郎

俺に…?

白崎 桜

私が事故に遭う前に書いたものです。あなた宛に。

白崎 桜

じ、じゃあ失礼しますっ!!

白布賢二郎

あっ…ちょ、待てって…!

夜の公園に夏の蒸し暑さだけが残された

白布賢二郎

…帰ろ

あたりは静まり返っていた

数ヶ月前の春の陽気はどこへ行ったのだろうか

白布賢二郎

…眠れない

ふと目をやると、机の上に封筒が置かれていた

白布賢二郎

…俺宛だもんな…見てみるか

その中にはノートの切れ端のような手紙が二つ折りに入っていた

白布賢二郎

…昔の白崎…から

少し緊張しているのが自分でも分かる

切れ端を開いた中には小さな文字でこう書いてあった

白布へ 好きで

白布賢二郎

……!

それを見た瞬間、目が熱くなって鼻の奥が痛くなった

まだ書きかけの手紙。これを書き上げる前に彼女は___

白布賢二郎

……白崎…

大会まで、あと1週間___

NEXT→♡20 追記:ゲストさんからしかいいね来てないんですけど…ゑ?

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