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レントリリー

9 - レントリリー

♥

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2022年07月31日

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桃赤

レントリリー

桃ちゃん....

朦朧とする意識の中で、ゆっくり目を開けると

赤が微笑んで俺の頭を撫でていた

意識を取り戻している....?

赤っ!!

俺は夢でも離さないように

赤を強く抱きしめた

わぷっ、桃ちゃんw苦しいよぉw

赤ぁぁ....赤ぁぁ

赤の前で泣くなんて情けないけど

涙が止まらない

ごめんね?心配かけて

ほんとだよ....

彼の暖かい温もりを感じ

安心して両手で赤の顔を包む

赤....

ももちゃ....

するとすぐ近くで遠慮がちに声がする

あのー、お取り込み中のとこ悪いけど....僕がいる事お忘れなく

兄ちゃん!//

赤は真っ赤な顔をして、俺を押しやる

( ˙-˙ )チッ青さんいるの忘れてた....

赤....ほんと良かった...それと、....ほんとにごめん....

許される事じゃないけど....ほんとにごめん

ううん。俺の方こそごめんね....?

青さんが赤を優しく抱きしめる

.......

.......

.......

ちょいちょい、長くねぇか?

あははw彼氏くんが怖い顔してるよ?

えっ//

青さんがやっと赤から離れると

俺はまた赤をぎゅっと抱きしめた

赤!意識戻りましたか....

安心したように黄先生が入ってくる

黄先生。赤の事、ほんとにありがとうございました。

赤の治療をしたのは黄先生で

さすが凄腕の医師だ

いえ....成功してほんと良かったです。赤、これからはちゃん安静にね?

はぁーい、ごめんなさい

赤はバツの悪そうに笑った

秋になり、病院周りの木々が色づいてきた

俺達は、テストのために机をくっつけて

勉強に勤しんでいた

さっきから....なんか視線を感じる

ふと目の前を見ると、ノートに落書きしている赤が目に入る

あーかさん?

わっ、

随分余裕ッスね?

ノートを取り上げると、落書きレベルじゃない絵が。

うま....

.......//

見たことあるような男の人が描いてある

ん....?

もしかして....

これ俺?

!!//

すると赤の顔がぶわァっと真っ赤になった

なるほどね?

だからさっきから視線感じまくりだったんだ

勉強飽きたんだもん....//

だもんって....

照れ隠し可愛いなお前

こっちのスケッチブックも見せてよ

えっ//だめっ!

なんで?

ダメなものは駄目なの!!

えぇ〜

いつの間にかスケッチブックを握りしめる赤

.......

あっ、空にいちごの神様が浮いてる!!

えっ!?

赤が油断して窓の外をみると、

俺はスケッチブックを抜き取る

あっ、

最初をペラペラとめくると

病院から見た景色や

青さん、黄先生など

全てデッサンで描いてある

ほんと、上手いな....

後半に差し掛かると

ほとんど描いてあるものが

俺だった。

寝落ちしたところや

熱心に勉強をするところ

誰かと喋っているところ

その他色々....

赤、俺の事大好きじゃん

うぅ.....//バレないようにしてたのに....

.......

....引いた?

その逆。やばいめっちゃ嬉しい//

それだけ赤が俺を見ていてくれたって事だ

赤は嬉しそうに、今度は他の絵も見せてくれた

紅葉描きたいんだけど....やっぱり室内だとうまく描けなくて

赤はそっと窓の外に目をやる

だったらさ、見に行っちゃおうよ

え?....バレたら怒られるよ?

大丈夫だって、すぐ戻ればいいし

たまには、さ?高校生ぽい事したいじゃん

俺はいたずらに笑って赤を連れ出した

うわぁ!きれいっ!

嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる彼はうさぎみたいだ

今がきっと1番紅葉が綺麗な時だろう

赤には桃色のマフラーと白いふわふわのコート

俺は赤色のマフラーと黒いコート

まだ秋なのに、こんなんよくあったね

母さんが赤くんと冬休み遊びに行くなら必要でしょって....張り切って2人分置いてった

ふふ、桃ちゃんママ準備いいねw
嬉しいなぁ

母さんは必要以上に赤にも何か持ってくるようになった

赤は天使みたいで凄く似合っている

可愛いって言うとかっこいいって返されて顔赤くなるから言わないけど....

赤は 笑ってマフラーに顔を埋める

んふふ、桃ちゃんの匂いする

....//

こーゆうの無意識なんだろうなって思う

狡いよなぁ....

俺だけ顔赤くして

ん?桃ちゃん顔赤くない?

お前のせいだよ//

聞こえないようにぼそっと呟く

それより//どこで描く?

ん〜

当たりを見回し、トコトコ歩く

ここっ!

上を見上げると、木々の間から丁度快晴が見えた。

背中を幹にフカフカな葉っぱの上に2人で並んで腰を下ろす

赤は真剣な顔で描き始める

俺は赤の肩に邪魔にならない程度に頭をのせた

彼は笑って俺の髪に触れる

あぁ....なんかすごく幸せだ

俺は横目で赤の真剣な顔を飽きることなく見ていた

できたぁ!

我に返ると絵は完成していた

色も入っていて、上手い、というより

凄く綺麗だった

....凄いね、綺麗

....ありがとw

そう言うと彼は俺にスケッチブックと鉛筆を差し出してきた

桃ちゃんも描いてよ

えぇ....

俺、絵描くの苦手なんだけどな....

渋々受け取り、鉛筆をはしらせた

✨✨✨

凄い期待の目を感じる....

非常にやばい

( '-' )スゥーッ↑

はい....

スケッチブックを返すと赤はくすくす笑い始めた

えーと....これはタヌキ....?

.......

あっ、パンダか!

....猫

え。

我慢出来ず落ち葉の上で笑い転げる赤

そんなに笑うなよ....

んふふふ、ごめんて、あははw

俺は少しムカついたので、赤の首元に顔を寄せる

そしてぢゅぅっと鎖骨辺りに赤い花を咲かせた

んっ//

きれーについた

なっ//

いたずらっぽく舌を出せば

赤はたちまち顔を真っ赤にするわけで

恥ずかしさでプルプル震えている

....笑ったお返し

馬鹿っ!//

赤はそう言うとばっと立ち上がった

俺も落ち葉を払い立ち上がると

小さくて細い赤の手をぎゅっと握った

少し歩こうか

無言で赤色やオレンジ色、黄色の世界を2人で歩く

ねぇ、桃ちゃん

んー?

赤が前を見ながら衝突に口を開く

.......

俺達、そろそろ別れない?

は?

随分低い声が出たと思う

赤は一瞬ビクッとなったが続けた

俺は、桃ちゃんが好きだよ

でも俺、桃ちゃんには幸せになって欲しいんだ

は....

赤は俺の目を見て、堪えて笑う

桃ちゃんが退院したらきっと、なかなか会えなくなると思うし....

おれ、寂しくてどうにかなっちゃうから

ちゃんと、ケジメつけたいんだ

彼の目はどこまでも真っ直ぐだった

桃ちゃんは魅力的だから....きっといい人が沢山いるよ

俺なんかに縛られず、幸せになって....

まるで、自分が一緒だと幸せに慣れないみたいな....

赤は俺の片手を両手で包むと優しく離した

俺は、もう十分貰ったから。幸せだよ

もう言葉を発して欲しくなくて

俺は自身の唇で、赤の唇を塞いだ

んんっ//

頭をガッチリ固定させて逃げられないように

深く深く、キスをする

途中でやり過ぎたと思い慌てて辞める

はぁはぁ....//ももちゃ....

....別れない

え、

絶対に別れない

.......

やっと手に入れたのに....誰が離すかよ

赤を幸せにするのは俺だし、俺を幸せにするのは赤なの

何も言わないで....

そばに居て....

俺は赤を強く抱きしめる

俺の前から、離れていかないように

離さないように

ももちゃ....

帰ろうか....

赤の手を握り直すと、俺は無言で歩き出した

いちごの神様ってw なんですか桃くんw フォロワーさん100人越えありがとうございます!

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