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白布side

いつの間にか○○は寝たみたいで、背中で寝息をたてていた

大体の予想はしていた

多分親に原因があるって

川西 太一

あ、白布やっと来た………ってえ?

千華野 美琴

えぇ、どした?!

天二郎の同級生A

あー!カップルがイチャついてる〜!

天二郎の同級生B

ヒューヒュー!

天二郎の同級生C

ラブラブじゃん〜!

白布 天二郎

お前らまじ黙れ💢

千華野 美琴

(そこ天二郎がキレるんだ…)

白布 賢二郎

体調悪かったらしい

白布 賢二郎

途中で倒れてた

白布 天二郎

は?

川西 太一

えっ

千華野 美琴

だ、大丈夫なの?!

白布 賢二郎

今はもう寝てるだけだ

白布 賢二郎

顔色も問題ない

白布 賢二郎

(それに多分、具合が悪くなったのは過去のトラウマがフラッシュバックしたからだと思うけど…)

白布 賢二郎

てめぇらは後で説教な

天二郎の同級生A

うっ…………

天二郎の同級生B

…………………

天二郎の同級生C

…………………

白布 賢二郎

ひとまず帰るぞ

翌朝

△△ ○○

ん……

千華野 美琴

あ、○○起きたー?

千華野 美琴

おはよう〜

△△ ○○

おはよう…?

△△ ○○

今、朝?!

千華野 美琴

うん、9時42分でございますよー

△△ ○○

えぇ〜……帰ってきた記憶ねぇ〜…

千華野 美琴

うん、○○寝てたもんw

△△ ○○

はぁぁぁぁ……

△△ ○○

(だよね〜、記憶の最後白布の背中だもんね〜…)

千華野 美琴

なっげぇため息w

△△ ○○

…あのガキたちは?

千華野 美琴

白布にこっぴどく怒られてしょげながら帰って行った

△△ ○○

天二郎は?

千華野 美琴

無事無傷で生還

千華野 美琴

ちなみにそっちもキレてた

△△ ○○

ダブルブリザード…

千華野 美琴

1番心配なのはあんただよ

千華野 美琴

倒れてたんだって?

△△ ○○

あー、ちょっと目眩しただけ

△△ ○○

倒れたよりもコケたに近い

千華野 美琴

私と太一、お昼には帰っちゃうけど大丈夫?

△△ ○○

平気平気。もう元気

千華野 美琴

そっか

千華野 美琴

じゃあまた夏が終わるまでは会えないね〜

△△ ○○

まぁね

△△ ○○

私はお盆終わったら学校帰るけど

千華野 美琴

そうなの?

△△ ○○

だって部活あるし

千華野 美琴

さすが強豪っすわw

△△ ○○

春高もあるし

△△ ○○

多分、バレーバカ達には長期休みはいらないだろうしね

千華野 美琴

○○もそうなんでしょ?w

△△ ○○

私はバレーバカじゃない

千華野 美琴

じゃあマネーバカ

△△ ○○

なんだそれ

千華野 美琴

マネージャーバカの略

△△ ○○

勝手に新しい略語作るな

千華野 美琴

お世話になりやしたー!

川西 太一

じゃあ盆明けの部活で

白布 賢二郎

おう

川西 太一

部活であの速攻練習したいんだけど

白布 賢二郎

じゃあ体なまらすなよ

川西 太一

りょーかい

△△ ○○

美琴と付き合ってからなのか知らないけど太一めっちゃ努力を表に出すようになったよね

千華野 美琴

えっ、そなの?

川西 太一

別にそんなんじゃないし

千華野 美琴

なに照れてんの?w

川西 太一

…………………

千華野 美琴

えっ、なんで黙るん

△△ ○○

図星かなのよw

白布 賢二郎

おいリア充の惚気見せつけんな

白布 賢二郎

とっとと帰れ

川西 太一

辛辣

千華野 美琴

それな

美琴と太一を送った帰り道、私と白布は河川敷のある一本橋のところに来ていた

橋を渡ってる途中、真ん中辺りで白布がふと止まった

△△ ○○

?なに

白布 賢二郎

聞きたいことがある

△△ ○○

うん?

白布 賢二郎

お前小5の時───

ドンッ

白布が何かを言いかけた時、不意に大きいリュックを背負った誰かとぶつかった

△△ ○○

わっ…!

白布 賢二郎

あっぶなっ…!

橋から落ちかけた私は白布の手によって落ちずに済んだ

けど、視界の隅にうつった

スルッと外れて落ちていくヘアピン

△△ ○○

あっ…!

必死に手を伸ばした

カツンと指先とぶつかる

空気を掴んだ手が行き場を失った

掴めなかったと悟った瞬間、私はカバンを投げ捨て、白布の手を払い除け

川の中に飛び込んだ

白布 賢二郎

はぁ?!

ドボンっ

沢山のあぶくが上へ上へと上がっていく

でもそんなことどうでもいい

私はひたすらにヘアピンを探した

無くしたくない、大事なもの

お守り代わりのもの

私とあの人を繋いでくれるもの

私が強くあれた理由そのものなんだ

ダメ

絶対ダメ

お母さんになんて言われようと

お父さんに手を出されようと

あれだけは手放しちゃダメだ

△△ ○○

(この辺にはもうないっ…!)

△△ ○○

(もっと流れの方に行かないとっ!)

手で水をかき分けて深くそして隅々まで目を通す

石と石の間、草の間

流れてくる異物とぶつかりながら必死にヘアピンを探す

ガシッ

ふと、なにかに掴まれた

振り払おうとする前に、グイッと水面へと引っ張られる

河川敷の草むら

ザパッ

白布 賢二郎

ふざけんなお前!何してんだよ!

△△ ○○

離せっ!

白布 賢二郎

うるせぇ、暴れんな!

白布に両手で支えられ、川の外に連れ出される

振り払おうにも、力が強くて出来ない

△△ ○○

やめてっ!

白布 賢二郎

やめられるかよ!あぶねぇだろ!

△△ ○○

でもヘアピンが!

白布 賢二郎

そんな事よりお前が危ねぇよ!

△△ ○○

そんな事じゃない!

△△ ○○

大事な物なの!

白布 賢二郎

命の方を大切にろバカ!

△△ ○○

うるさいあんたには関係ない!離せ!

白布 賢二郎

離したらまた川に入るだろうが!

白布 賢二郎

いい加減にしろ!

△△ ○○

離せって言ってんの!!

白布 賢二郎

ヘアピンなんて軽いもの、すぐに流れるもんなんだよ!

白布 賢二郎

今更この辺探しても意味ねぇよ!

△△ ○○

そんな事ない!

△△ ○○

あれは、大事なっ…(泣)

ポロポロと涙があふれる

きっと、無理だと分かってるからこそ、涙が出るんだ

白布の言う通りだって分かってるから、尚更悲しい

白布 賢二郎

っ!しょうがねぇだろ!

白布 賢二郎

無理なもんは無理なんだ…

白布 賢二郎

それよりお前………、っ!

△△ ○○

…?

グラッと一瞬目眩がして、床に手をつく

緑の草にポタッポタッと赤いシミがついて、目を見開く

原因を探して、すぐに分かった

白布 賢二郎

お前頭切ってんじゃねぇかよ!

流れてくるゴミたちにぶつかった時か

それとも石の間を探してる時か

おでこの生え際辺りを切っていたらしい

白布 賢二郎

このバカっ…!

白布は川にはいるために放り投げたであろうカバンを持ってくると、中からハンカチを取り出す

それを私の頭に押し付けてキュッと抑える

△△ ○○

痛っ…!

白布 賢二郎

我慢しろ

白布 賢二郎

(止血したとして、どうする?)

白布 賢二郎

(病院…いや、先に家に帰って着替えるべきか?)

白布 賢二郎

(それとも想二朗か母さんに電話して病院に着替えを持ってきてもらうか…?)

白布 賢二郎

(どっちにしても早く行動した方がいい)

白布 賢二郎

○○、俺と目を合わせて話を聞け

白布 賢二郎

意識に違和感は?

△△ ○○

…ない

白布 賢二郎

頭痛や吐き気は?手足の動きが悪いとかも

△△ ○○

なんともない

△△ ○○

…強いて言うなら白布が抑えてるのが痛い

白布 賢二郎

それは我慢しろ

白布 賢二郎

(応答、意識に問題なし)

白布 賢二郎

(痙攣も起こしてる様子はない)

白布 賢二郎

(体調に関してはまだこれから起こりうるが…ひとまずは大丈夫か)

白布 賢二郎

病院行くぞ

△△ ○○

そんな大袈裟な

白布 賢二郎

大袈裟じゃねぇだろアホかよ

△△ ○○

いいから、絶対行かない

△△ ○○

濡れたし、着替えたいから帰る

△△ ○○

ハンカチ借りてくね

私は白布の手をどけて自分で抑え直して家へと帰り始める

白布 賢二郎

おい、

△△ ○○

あんたも濡れてんだし早く帰りなよ

白布 賢二郎

そういう問題じゃ、

△△ ○○

お願い

△△ ○○

今、1人になりたい

白布 賢二郎

っ…………

白布 賢二郎

…ちゃんと消毒して手当しろよ

白布 賢二郎

あと、なんかあったらすぐ連絡すること

△△ ○○

うん、ありがと

どれくらいの時間が経っただろうか

家に帰ってきて着替えた私は傷を消毒してガーゼを貼った

それからは髪も乾かさずに縁側でずっとぼーっとしてる

悲しいはずなのに、もう涙は出てこない

1番、大切にしなきゃいけないものだったと思う

あっけなく失ってしまった

周りからしたらたかがヘアピン

その辺に売ってる普通のヘアピン

また買えばいっか

それが普通の反応だろう

でもあれは、私にとってはただのヘアピンじゃない

ずっとずっと、大事なもの

他のどんなものよりも大切にしてきた

△△ ○○

(なんか寒い…いや、暑いか)

△△ ○○

(そろそろ夕飯の支度しなきゃだけど…)

△△ ○○

(やる気出ないし…ちょっと眠い…)

△△ ○○

(泣いたせいかな…)

後でコンビニですぐ食べれるものでも買えばいいと思って

布団を出すのもめんどかった私はそのまま眠りに落ちた

白布side

白布 賢二郎

(あいつ、ちゃんと手当やったのか…?)

白布 賢二郎

(まぁ、そういうの怠るやつじゃねぇか)

白布 賢二郎

(自分のことは大切にしない癖はあるけどな💢)

俺はソファに座りながらボヤっとテレビを眺める

白布 想二朗

この人最近売れてきたよね〜

白布 想二朗

この前ドラマにも出てた

白布 賢二郎

(連絡ねぇし、なんともなかったってことだよな…)

白布 賢二郎

(あのヘアピン…)

白布 想二朗

賢聞いてる?

○○の本気で悲しんでいる顔を思い出す

怯えてるわけでも、悔しがってる訳でもない

泣いていた

あんなヘアピンのために

白布 賢二郎

(あんなヘアピンの為に、川に飛び込むなんてアホだ…)

白布 賢二郎

(だけど…)

白布 想二朗

ねー、賢聞いてるってば

白布 賢二郎

え?何?

白布 想二朗

やっぱり聞いてなかったのか

白布 想二朗

何、悩み事?

白布 賢二郎

別に

白布 想二朗

嘘だ

白布 賢二郎

うるさい

白布 想二朗

あー、お兄ちゃんにそんなこと言う?

白布 賢二郎

なにがお兄ちゃんだよ

白布 想二朗

心配なら行ってきたら?

白布 賢二郎

は?

白布 想二朗

○○ちゃんのところ

白布 賢二郎

なんでだよ

白布 想二朗

今日、太一くんと美琴ちゃん見送ってきた帰りびしょびしょだったし、なんかあったんでしょ?やけに暗かったしね

白布 賢二郎

別にお前には関係ねぇよ

白布 想二朗

はぁ、ツンデレのツン二郎君ですか

白布 賢二郎

は?

白布 想二朗

はーい、目で語らな〜い

白布 想二朗

誰に似たんだか

白布 賢二郎

想二朗じゃね?不良だったし

白布 想二朗

あ、それ掘り返す?痛いとこつくなー、賢は

白布 想二朗

素直になれない気持ちはわかるけどさ、後悔してからじゃ遅いよ?

白布 賢二郎

…………………

白布 賢二郎

(行く理由がねぇーつっの…)

白布 賢二郎

(1人になりたいっつってたし…)

俺はもう話したくないと言わんばかりに顔を逸らす

白布 想二朗

しょうがないな〜

白布 賢二郎

(ほっとけっての…)

想二朗は立ち上がると、何やらキッチンの方で何かをあさってる

白布 想二朗

行く理由がないならさ、

白布 想二朗

作っちゃえば良くない?

笑顔で戻ってきたかと思うと、はいっと何やら紙袋を渡された

白布 賢二郎

なにこれ

白布 想二朗

お隣さんからいただいたお土産

白布 想二朗

この前九州の方行ってきたんだって

白布 想二朗

沢山貰ってうちじゃ食べきれないから、○○ちゃんにも分けてきてあげてよ

白布 賢二郎

はぁ…?

白布 想二朗

ほら、行く用事が出来た

白布 想二朗

はい、とっとと行っといで

白布 賢二郎

ちょっ、押すなっ!

白布 賢二郎

(はぁ…夕方でも流石外は暑いな…)

白布 賢二郎

………………

俺は夕暮れかかった空を見上げながら、2年の初めに○○と学校であった日のことを思い出した

白布 賢二郎

(確か、部室に忘れた着替えを取りに行く途中だったか)

悲しげに、でもどこか悔しそうに歩いてきた彼女

別に意識してなかったからぶつかって初めて気づいた

辛さが滲みででひどく歪んでいた瞳は今でもよく覚えている

何かを必死に抑え込むような苦しげに吐き捨てられた「最悪」という言葉

そして、去っていく小さくて寂しそうな後ろ姿

足元に落ちたヘアピン

長い間ずっと身につけていたようで、濃いピンクは色褪せてきていて、マジックペンで書かれたアルファベットは消えかかっている

でもそれで初めて確信がついたんだ

○○は───

○○の家の前につくと、チャイムを押した

白布 賢二郎

……………………

けど、中からの返事はなかった

白布 賢二郎

(どっか出かけてんのか?)

ダメ元でもう一度押すが、出てくる気配は無い

白布 賢二郎

(……確か縁側あったよな)

白布 賢二郎

(そこ置いとけば気づくか?)

縁側にまわった時、うずくまってる人が見えた

白布 賢二郎

なんだよ…いるじゃねぇか

白布 賢二郎

おい、起きろ

白布 賢二郎

こんなところで寝てたら風邪ひくぞ

すぐに起きないのはいつもの事

なかなか起きないくせに、寝起きは悪い

そんなの今に始まったことじゃない

だけど今回はなんだか違う気がした

なんだか嫌な感じ

白布 賢二郎

っ!

そっと前髪をかきあげると綺麗に手当がしてあった

けどその代わり

白布 賢二郎

熱っ…

普通の体温じゃない程熱かった

白布 賢二郎

(熱中症か…?!それとも風邪…?!)

白布 賢二郎

○○!おい○○!

△△ ○○

んぅ……

起きたわけでは無さそうだが、○○がブルっと身震いをした

白布 賢二郎

(寒いのか…?!この気温で…!)

白布 賢二郎

(絶対風邪じゃねぇかよ!)

白布家 和室

○○side

△△ ○○

んぅ……

△△ ○○

(あれ…ここ…)

△△ ○○

(私たしか縁側で寝てたはず…たけど、)

△△ ○○

(ここ、なんか見覚えあるぞ…)

白布母

あ〜、○○ちゃん起きた〜!

白布母

賢ちゃ〜ん!○○ちゃん起きたわよ〜!

△△ ○○

(デ、デスヨネー!!!)

△△ ○○

(やっぱり白布家に…!でもなんで?!)

△△ ○○

あ、あの、

白布母

あー、ダメダメ、まだ体起こさないで!

状況が分からず上半身を起こそうとすると、白布のお母さんに阻止された

白布母

まだ全然熱下がってないんだから〜

△△ ○○

…………ネツ…?

△△ ○○

………ネとツ………?

白布母

○○ちゃん縁側で倒れてたんだってよ

白布母

賢ちゃんが背負って家まで連れてきたの

△△ ○○

……へ?

△△ ○○

私別に倒れてないですよ…?

△△ ○○

寝てはいましたけど…

白布母

あらそうなの?でもここ来た時すごい高熱だったのよ?

白布母

朝まで下がらなかったら病院連れてかないとって思ってたし

△△ ○○

いや、そんな…

白布母

薬飲んだの覚えてない?

△△ ○○

んと…多分寝ぼけてたかと…

白布母

そうよね〜、あれだけ熱あったら頭ボケ〜っとしててもおかしくないわよね〜

△△ ○○

(あれだけって何度あったの…)

白布 賢二郎

母さん声でかい

白布 賢二郎

廊下まで声響いてる

白布 賢二郎

病人の頭に響くだろ

白布母

あらヤダ〜、賢ちゃんったら優しい〜

白布母

私○○ちゃんにお粥作ってくるから賢ちゃんよろしくね〜

△△ ○○

えっ、ちょっ

白布 賢二郎

寝てろドアホ

△△ ○○

はぁ?!

白布母

賢ちゃん○○ちゃんに優しくするのよ!

白布母

○○ちゃんも遠慮しないで休んでて!

そういうと白布のお母さんは私たちの返事も聞かずに鼻歌を歌いながら去っていった

△△ ○○

…………………

白布 賢二郎

…………………

白布 賢二郎

……体調は?

△△ ○○

……なんかだるい

白布 賢二郎

あたりめぇだろ熱あんだから

△△ ○○

そんなに大袈裟なほど…?

白布 賢二郎

ここに来た時は9度超え

白布 賢二郎

さっき母さんが測った時は8度

△△ ○○

具体的な数字聞いたら余計だるくなった

白布 賢二郎

お前が聞いたんだろ

△△ ○○

うん

白布 賢二郎

多分、怪我したからだと思う

△△ ○○

熱が?

白布 賢二郎

そうだ

白布 賢二郎

あとお前、手当はしたみたいだけど髪乾かしたりしたか?

△△ ○○

………………

白布 賢二郎

してねぇんだな

白布 賢二郎

そういうことも原因の一つだぞ

△△ ○○

……………ごめん

白布 賢二郎

すんごい嫌そうな顔で謝んな

△△ ○○

怪我って言ってもただの切り傷だったし…

白布 賢二郎

それでも切ってるのが頭なんだからちゃんと注意を払え

白布 賢二郎

いいか?あのヘアピンがお前にとってどれだけ大切だったかっていうのは、俺にはわからない

白布 賢二郎

けど、どれだけ大切なものでも死んだら元も子もねぇんだ

△△ ○○

…それは、分かってる…

△△ ○○

必死だったの…ごめん

白布 賢二郎

わかってるなら、それでいい

△△ ○○

あと…

白布 賢二郎

なんだ?

△△ ○○

川から引きずり出してくれたのも、家に連れてきてくれたのもありがとう…

△△ ○○

分かってたよ……あのタイミングで川に入っても取り戻せないって

△△ ○○

………だから、ありがとう

白布 賢二郎

……………………

返答がないから、恐る恐る白布の顔を見ると驚いたように目を見開いた彼と目が合った

△△ ○○

何、私お礼くらい言えるけど

白布 賢二郎

……そうか

△△ ○○

それで、1つ聞きたいんだけど

△△ ○○

白布なんでおばあちゃんち来たの?

白布 賢二郎

っ…想二朗がお前に土産のおすそ分けして来いって言うから…

白布 賢二郎

(そういう口実だけど…)

△△ ○○

そういう事か…

△△ ○○

それにしても不法侵入者

白布 賢二郎

うるせぇな

白布 賢二郎

そうしてなかったらお前今頃死んでるぞ

△△ ○○

そこまでヤワじゃないし

白布 賢二郎

どうだか

白布母

ほら〜、2人ともまた喧嘩して

白布母

○○ちゃん、お粥出来たから食べて〜

△△ ○○

お世話になりっぱなしですみません…

白布母

いいのよ〜!私女の子ずっと欲しかったから女の子の面倒見るの好きなのよ〜

△△ ○○

(面倒を見る…)

△△ ○○

(なかなかに刺さる言葉)

白布 賢二郎

(男で悪かったな)

白布母

じゃあゆっくり食べてね〜

白布母

そういえば賢ちゃん、捜し物してるって言ってたけど見つかったの?

白布 賢二郎

いや、まだ…

白布母

○○ちゃんも人前じゃ食べずらいだろうし、私達ははけましょ

白布母

○○ちゃん、何かあったらすぐ呼んでね

△△ ○○

あ…はい…

白布と白布のお母さんが出ていくと部屋は急に静かになった

△△ ○○

(風邪ひいたの…久々だなぁ)

△△ ○○

(最後に引いたのいつだっけか)

あまり食欲はわかなかったけど、せっかく作ってもらったからお粥をレンゲですくってひとくち食べる

△△ ○○

(美味しい…)

△△ ○○

(それに、なんだか懐かしい)

△△ ○○

(どこの家も、お粥の味って同じなのかな〜…)

小学校低学年頃、風邪を引くと決まってお母さんがお粥を作ってくれていた

お兄ちゃんはよく私が暇しないようにバレーの本やらDVDを見せてくれた

お父さんも仕事帰りに食べやすいゼリーやスポーツ飲料買ってきてくれたり

本当に今が信じられないくらい優しい家族だった

△△ ○○

(白布のお母さんってもしかして昔のお母さんに似てるのかな…)

温かさと懐かしさを感じた私は小さく微笑むと

残りのお粥に手を付け始めた

翌日

朝になるとすっかり熱も下がって元気になった

だけど一応様子見って事で今日の夕方まではお世話になることに(なってしまった)

△△ ○○

ひーーまーー

やることがなくて暇な私はさっきから布団の上でゴロゴロと寝返りをうつことしかしてない

△△ ○○

(どうせなら何かお手伝いとかしたいんだけどな)

ちょうどその時、コンコンっとドアがノックされた

△△ ○○

はーい

白布 賢二郎

今、ちょっといいか

ドアの隙間から顔を覗かせたのはいつもよりちょっと穏やかな顔をした白布だった

△△ ○○

白布か

白布 賢二郎

悪いかよ

△△ ○○

(やっぱ気のせい、全然穏やかじゃない)

△△ ○○

(眉間のシワ跡つくぞ…)

白布 賢二郎

つかこの家の住人全員白布だわ

△△ ○○

それもそっか

△△ ○○

暇だったから別にいいよ

白布 賢二郎

俺はお前の暇つぶしじゃねぇんだよ

△△ ○○

はいはい

△△ ○○

それで?部活のこと?

白布 賢二郎

いや…

白布 賢二郎

!フッ…

△△ ○○

は?なんで人の顔みて笑うわけ?

白布 賢二郎

いや、普通寝癖そんなんになるか?

△△ ○○

寝癖?

白布に言われて後頭部を触るともじゃっと髪が絡まっててピョンっと跳ねてるところもある

△△ ○○

(さっきまでゴロゴロしてたからか…)

恥ずかしくて少しだけ顔が赤くなる

白布 賢二郎

まぁ、だいぶのびたもんな

△△ ○○

そう?半年弱じゃそんな変わらないでしょ

白布 賢二郎

ちげぇよ

白布 賢二郎

もっと、短かっただろ

白布 賢二郎

男に見間違えられるほど

△△ ○○

えっ…なんであんたがそれを…

呆気にとられた

なんでそんな前のこと知ってるの?

ポカンとしている私にお構い無しに、白布は拳を突き出してくる

白布 賢二郎

見つけた

パッと開かれた手のひらから何かが落ちてきた

私はそれを条件反射でキャッチする

自分の手のひらの中を見て更に驚く

△△ ○○

ヘア…ピン…?!

そこには、私がなくしたはずのヘアピンが確かに存在していた

そしてその時の、たった一瞬

私にはある記憶が蘇ってきた

ぬっし

タップお疲れ様です!

ぬっし

今日はお知らせとか雑談とか含め色々喋りますよ(テストが終わって地味にテンション高いです、すみません💦)

ぬっし

さて、まず最初に…そろそろ皆さん気づいたんじゃないですか?

ぬっし

ヘアピンの謎と○○ちゃんの過去と、白布の言動…ちょっとずつ繋がりが見えてきたんじゃないかな〜?って思ってます

ぬっし

次回はそれが全部明らかになりますよ!この連載の頂点です!✨

ぬっし

連載開始前からこれだけは決めてたんですよね〜、まだ書いてないんでどんな形で完成するか分かりませんが、皆さん気長にお待ちください😅‪‪

ぬっし

っていうか皆さんいつしか私がこの連載いつまで続けるかって話したの覚えてますか?

ぬっし

3年生がいる間までって言ってたんで、春高予選の所までですよね、恐らくそれが10月あたりかと
今のところが8月なので何気にもう半分以上来てたんですよね〜

ぬっし

そこまでに私が考えてるシーン全部書ききれるかな〜、無理な気がしてきた…

ぬっし

まぁ、終わったところで番外編とかじゃんじゃん書くつもりではいるんですけどね

ぬっし

えーっと、次にですね、最近?ってかずっと?1、2ヶ月前くらいからずっとテラーのバグがあってですね

ぬっし

消したい下書きが消えなかったり、フォロワー様が増えてるのにフォロワー欄に反映されなかったりその他もろもろ…

ぬっし

運営様に問い合わせも2回くらいしたんですけど音沙汰無しで、改善もされる様子がなくてですね…
単に私のスマホの端末の問題もあるのかもしれませんが…

ぬっし

投稿ができない!とか物語作れない!とか極端なバグはないんですけどちょっと困るな〜って思ってて、何か解決策とか知ってる方いたら教えて欲しいなぁ〜なんて……
まぁ不便ですが至急では無いのでほっといてますが…

ぬっし

なんか暗くはないけど地味に変な話になったので明るい話!

ぬっし

皆さんハイドリ(ハイキューのゲーム)入れました?!
私はリリースされた日がテスト期間だったので我慢して昨日やっと入れました!もう最推しのスガさんをガチャで出したくて出したくて仕方ないんです!

ぬっし

もうフルボイスだしストーリーの再現度とか最高ですし、色々できることてんこ盛りで私は1人で叫んでました(?)

ぬっし

そして最後にお知らせです!

ぬっし

名前の欄を見てください👀

次回→我白3/12

って書かれてるの分かりますか?

ぬっし

これは次になんのお話をいつ出すよ〜って印ですね
ある程度の目安なので絶対にだす!とは言いきれないのですが😅‪‪

ぬっし

私が出すのが不定期なんである程度出せる目処がたったら名前の所にこんな感じで書きたいと思います
目処がたってない時はなにも書いてないか未定って書いてあると思ってください

ぬっし

ちなみに略語↓

我ら白鳥沢学園の日常は
→我白
君と春を迎えられたなら
→君春
読み切り作品
→読切
新連載
→新作

ぬっし

あと挿絵が描けたら新しい連載始めたいな…とかちょっと思ってたり思ってなかったりします…
私生活が忙しものでいつになってしまうか分からないのですが…

ぬっし

以上でお知らせ&雑談です!あとがき長くなってしまって申し訳ないです💦
主は今からバイト行ってきます!

ぬっし

それではまた次回!

我ら白鳥沢学園の日常は

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コメント

30

ユーザー

主さんハイドリしてるんですか!よかったらフレンドに(((

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白布……さすがにそれは○○ちゃん惚れるって…笑 けどそこで惚れないのが○○かな笑((でも少しだけでも白布のこと意識して欲しi(( 希紀さん,コスプレやバイトだったり、それに勉強などもちろんテラー含め,お忙しいのにやっていて凄いです…!Twitterで少し体調を崩していましたのでしっかり休んでください💦 フォロワーのバクは私もなってるので運営さん早く直して欲しいですよね😅💦

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