私には好きな人がいる
ひなこ
ひなこ
ひなこ
彼もきっと私のことが好き… だと思う
だから、 他の人に取られる前に ラブレターを書いて渡して 告白するつもり
ひなこ
ひなこ
チラリと時計を見ると もうすでに1時間経っている
ひなこ
ひなこ
いい言葉がなかなか思い浮かばず 頭を抱える
ひなこ
ひなこ
ひなこ
ひなこ
紙に書いていこう!!
ひなこ
抜き出せばいい!
ひなこ
ひなこ
初めて会ったのは、そう… 君がバイトしていたカフェだったよね
あの時君がレジを担当していたのは きっとただの偶然だったんだろうね
でも私はすぐに気付いたよ
私にお釣りを渡す時 他の誰にも見せたことないぐらいの
キラキラの笑顔で
君は感情がすぐ表情に出ちゃうから
きっとこれは運命だったんだろうね
私もすぐ君に惹かれたんだもの
それからは毎日君がいるカフェに 通ったなぁ…
そうしたら君は 「今日もまた来てくれたんですね」 って喜んでくれたから
君のその笑顔を見て私も 幸せな気持ちになったよ
君が私と同じ学校だって知ったときは 飛び跳ねて喜んだの
だって君のクラスまで行けば カフェだけじゃなく いつでも会いに行けるじゃない
休み時間に意味もなく 君の教室の前をウロウロしたりも してたんだよ(笑)
君も私の事ばかり見るから 他の人達にもどんな関係なのか すぐバレちゃったよね
だから色々な人が私達の噂ばかり 話していたのよ
女子1
女子2
女子1
女子2
女子達の声につられて 教室の扉を見ると、 女の子が1人君に熱視線を向けてたの
あぁ、可哀想に 彼は私以外に興味があるはず無いのに
生徒A
生徒B
生徒B
生徒A
生徒B
話かけてくるなんて
こんな珍しい事もあるんだね
生徒A
生徒A
生徒A
生徒B
生徒A
生徒B
生徒A
ストーカーが必ず男の人だなんて
限らないじゃない
ひなこ
ブーーブーー
突然スマホの画面が光り ロック画面に通知が入る
ひなこ
ひなこ
ひなこ
てか私の住んでるとこ近いじゃん…
ひなこ
ひなこ
君の部活の大会も見に行ったの
君は本当にサッカーが上手なのね!
サッカーそんなに好きじゃないのに すっかり夢中になっちゃった
でも、 他の女子がキャーキャー言ってるのは 嫉妬しちゃうなぁ…
君があまりにもかっこいいから 仕方ないんだろうけど
女子1
女子2
女子1
女子2
女子1
女子2
女子2
女子1
女子2
女子1
女子1
絶対腕力とか強いでしょ
女子1
女子2
女子1
女子2
女子2
うるさいなぁ… 彼のサッカーの試合に 集中できないじゃない…
ひなこ
ひなこ
ふと時計を見ると そろそろ兄弟たちが 帰ってくる時間帯だった
ひなこ
ひなこ
ガチャリ
玄関のドアが開く音がして ペタペタと子供特有の 可愛らしい足音が聞こえてくる
妹さん
妹さん
がちゃっ…とドアを開け 勢いよく少女が入ってくる
妹さん
妹さん
妹さん
ひなこ
ひなこ
ひなこと言います!!
妹さん
ひなこ
妹さん
妹さん
妹さん
ひなこ
すっごく照れ屋さんだからだよ
妹さん
妹さん
おばさんはここにいるの?
ひなこ
ひなこ
彼の妹さんは ランドセルの防犯ブザーを手に取った
その行動に私は…
思わぬ邪魔が入ったけど
ラブレターを書き終えたよ
私すぐカッとなって 暴力をふるっちゃうから
気を付けなくちゃ
こんなんじゃ君にも嫌われちゃう
あぁそうだ
あなたの家族に報告する準備 私はしてるの
あなたの家族はすごく 優しそうだったから
きっと
押入れの妹さんのことも 話せば分かってくれるよね
このラブレターを読み終わったら
後ろを見てみて!
うふふ… 君はどんな顔してくれるのかなぁ
あなたのことが大好きな
あなたの愛しい ひなこより
生徒B
死んじゃったんだ…
生徒A
生徒B
生徒A
生徒B
生徒A
生徒B
生徒B
生徒A
女は怖いってことなのかもね…
生徒B
生徒A
もしかしたら…
生徒A
気付いていなかったのかも
しれないわね…
生徒B
あるのかな…?
生徒A
気にしなくていいわ







