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青兎

あの、その頭の上の耳に関してはなにか話さないんですか?

延々と話し続ける赤兎に

1番気になっていた頭上に生えている耳について聞いてみた。

赤兎は一瞬固まり、

赤兎

え?耳って?

赤兎

耳なら横に…

赤兎

あれ?

赤兎

あ!?

頭のてっぺんを手で触ってみて気づいたようだ。

青兎

嫌だったらいいんですけど

青兎

それって本当に頭から生えてるんですよね…?

青兎

急に生えたけど…

そう言うと、赤兎から滝のような汗が吹き出した。

青兎

(聞いてはいけないことだったのだろうか…)

不安が募ってくる。

青兎

あの、ごめんなs

赤兎

誤魔化しようないよね。

謝ろうとした瞬間、赤兎が真面目な顔をして話し始めた。

赤兎

この耳は本当に頭から生えてるよ。

赤兎

ほら、動かせるし。

朱色の耳がぴょこぴょこ動く。

赤兎

僕は「妖」っていう類の者なんだ。

赤兎

普通は人間には見えないんだけど…

赤兎

君は少し特別なんだね!

赤兎

初めて会った時はすごくびっくりしたよ。

青兎

はあ…

青兎

(そういえば)

青兎

(確かに幼い頃から不思議なものが見えていた。)

青兎

(だけど、誰に言っても真剣に聞いて貰えないし…)

それがわかってから

自分にしか見えない不思議なものが見えるということを

完全に無かったことにしていた。

青兎

(あれ、それなら…)

青兎

人に見えないなら初めから耳出しとけば良かったじゃないんですか?

青兎

なんでわざわざ?

と聞くと、気恥しそうに

赤兎

いや、いつもは耳を生やしたまま過ごしているんだけど

赤兎

君を見た時

赤兎

無性に人っていう存在に近づきたくなって

赤兎

人になりたくなって?

赤兎

って言うのかな…

赤兎

上手く言えないんだけど、耳を隠したくなったんだ。

青兎

(よく分からない…)

質問の答えになっているのか怪しいところだが

これ以上聞いても同じ答えしか返ってこないだろうから、

青兎

そうなんですか。

と頷くだけにしておいた。

その後、妖について興味が湧いてきた僕は

赤兎に色々な質問を投げかけた。

僕からの質問の連鎖が終わると

赤兎が

赤兎

ところで、青兎くんはなんでこんな所に?

青兎

さっきまでたくさんの質問をしていたことが

嘘のように静まり返った。

一瞬影った僕の表情に

赤兎は目ざとく反応した。

誤魔化そうとするひまなど与えず

赤兎

僕は正体を綺麗さっぱり明かしたんだから

赤兎

次は君の番だよ!

と言う。

青兎

分かりましたよ…

僕は諦めて正直に話した。

赤兎

なるほどねえ…

赤兎は何か考え込んでいる。

赤兎

僕を信じられるなら

赤兎

ついてきて。

青兎

青兎

(今更この人のどこを疑えばいいんだ)

僕は当然のように彼の後ろ姿を追って歩き出した。

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