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学食
透
ええっ、多田先輩に告られた…？！
薫
うん、昨日
透
へぇ…
透
それで？付き合ったの？
薫
ううん、断ったよ
透
ですよねー…
彼の名前は木本 透(きもと とおる) 私の幼馴染で彼もまた、好きが分からない
薫
…でも不思議だよね
透
ん？
薫
私が好きじゃなくても勝手に好きでいたいって
透
…うーん…
透
本気で好きなんだね、薫のこと
薫
…好き…かぁ…
薫
……一生分からない感情だと思う
透
…まぁ、それに関しちゃ僕もだけど…
透
……でも薫なら大丈夫
透
僕とは違うから
薫
………？？
その日の帰り道、授業も全て終え1人で帰路を歩いていた
薫
(家帰ったらとりあえずお手伝いかな…)
薫
(お母さんもう少し給料上げてくれないかな…なーんて…)
楓
あ…あの…！
薫
……
薫
多田さん
楓
い…今井さん…
楓
今…帰り…？
薫
はい
楓
あの……その…
少し恥ずかしそうに、彼女は自身の綺麗な髪を何度も触りながら私の方をチラチラと見ていた
楓
い…一緒に…帰らない…？
薫
……
薫
(こうゆうのを見ると男性はドキドキするのかな…)
薫
いいですよ
楓
！ありがとう！
薫
……
楓
……
薫
…あの、多田さん
楓
…ん？
薫
……なんで私の事が好きなんですか？
楓
！……
楓
え…えーっと…
楓
……今井さんは覚えてないと…思うんだけど…
楓
今年の春…
男性
おい、あれが噂の…！
男性
だよな？！
男性
超美人…！
女性
すごーい…あんなに綺麗な人いるんだ…
女性
だよね！
女性
なんか去年だけで告白された人数2桁いったらしいよ？
女性
すごっ！！！
楓
………
幼い頃から注目される事が多かった そのせいか男性女性問わず告白されることが多かった。
でも、私には好きが分からない
薫
あのー
楓
？はい
薫
学生証落としましたよ
楓
あ…ありがとう
薫
いえ
楓
…え…
学生証を拾ってくれた彼女は私には何も反応せず、興味が無いような様子で去っていった
個人的には初めての感覚
その日から私は彼女の事を目で追っていた
薫
(……そうだっけ…)
薫
すみません、覚えてないです
楓
いいのいいの…
楓
勝手に覚えてただけだから
薫
(自分に興味無さそうだから好き…？ってこと…？)
薫
(……よく分からない…)
楓
……構内でも話しかけて…いい？
薫
…別に構いませんよ
楓
……ふふ…
薫
………？
薫
どうしたんですか？
楓
…嬉しいな〜って…
楓
私、初めて誰かを好きになったから
薫
………
薫
…なんか羨ましい…
楓
……え？
薫
……恋とか好きとか…
薫
私にとって別世界って感じなんですよ
薫
…正直、多田さんには私より素敵な人が沢山居ますし
薫
無理に好きでいなくても…
楓
…だ…ダメ…！
薫
！……
楓
私は…今井さんが…いいの
薫
……
楓
……私が好きって気持ち…教えるから！
楓
私も知ったのは今年からだけど…
楓
私の事好きにさせてみせるから…
薫
………
薫
…ふ…っ…
楓
い…今井さん…？
薫
…分かりました
薫
偉そうな言い方になっちゃいますけど…
薫
期待してます
楓
…うん！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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