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玲衣
…ん、ｯ
父
お゛い
ﾋﾞｸｯ
玲衣
え゛ｯ
玲衣
(逃げたはずじゃ、ｯ)
父
逃げられたとでも思ったんやろ
玲衣
！ｯ、
父
勝手に家を出ていくなんて、
父
あかんなぁ！ｯ
ﾎﾞｺｯ
玲衣
ｯ
玲衣
やめｯ、！
玲衣
…、？
メイド
起きられましたか！？
玲衣
…だれ
メイド
私は御影様のメイドでございます
メイド
玲王様をお呼びしますので少々お待ち下さい
ﾊﾟﾀﾝｯ
玲衣
(……夢、か。)
玲衣
(よかった、)
もう“あの部屋には”戻りたくない、
絶対に“あの部屋には”
父
早うしろ！
ﾄﾞﾝｯ
玲衣
ｯ、
ﾄﾞﾃｯ
父
おら゛っ
ﾊﾞｺﾞｯ
玲衣
ｧｶﾞｯ、
ﾊﾞｷｯ
ﾎﾞｺｯ
玲衣
ご、ごめんな、さい、ｯ
ﾄﾞｺﾞｯ
私がアイツを怒らしてしまったときに
連れて行かれていた地下室
寒くて暗くて怖くて
アイツの気が済むまでひたすら殴られ続けた
ｺﾝｺﾝ
御影玲王
入るぞ
ｶﾞﾁｬ
玲衣
(ﾋﾟｸｯ
御影玲王
あのあとお前は気を失ったんだ
玲衣
…
御影玲王
メイドに聞いた話だが
御影玲王
体中にアザがあるそうだな
玲衣
ｯ、
御影玲王
それが家出した理由か？
玲衣
…だったらなに
玲衣
私を家に返すの？
御影玲王
んなわけねぇーだろ
玲衣
え、ｯ？
御影玲王
虐待されてるっつーのにほっとくなんて
御影玲王
クズがやることだぞ
御影玲王
俺をそんなやつと一緒にすんなっつーの笑
玲衣
…じゃあ、私をどうするつもり？
御影玲王
俺の家で暮らさせる！
御影玲王
この部屋もお前にやるよ
御影玲王
もう怖いもんなんてねーだろ？
御影玲王
だから安心しろっ！笑
玲衣
ｯｯｯ、
ﾎﾟﾛﾎﾟﾛｯ
御影玲王
うぉっ、
玲衣
あ、れ、ｯ、
いつぶりだろう、
人前で泣いたのは
玲衣
ご、ごめんなさｯ
泣いたら、うるさい目障りだと
何度も何度も殴られた
だから泣かないようにしてた
なのに、この人の言葉１つで
私の涙腺は壊れて
今まで存在すら忘れていたはずの涙が溢れ出した。
玲衣
ううｯ、
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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