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その日は、少し違う気がした パイモンの飛ぶ高さ 風域の風の強さ アビスの魔法の飛距離(なんだか短かった) ヒルチャールの盾持ちの盾の強さ 切り裂いた後に埋めたような違和感のする岩 気をかけなければ気が付かないような、小さな、小さな変化。 気づかなければただいつものモンドでの日常だったはずなのに気づいてしまえばなんだかきもちわるくてたまらない。 そして、思考の片隅を占領するはやく出会わなくてはならないという義務感のような感情。 モンド城についたときにはあたりが薄暗くなりはじめていた。 はやく、速くと本能のようなものに突き動かされながらエンジェルズシェアに歩いていく

パイモン

お、おい?今のおまえ、なんだかヘンだぞ?

そうかな?

パイモン

そうだぞ!朝からずっとなんだか急いでいるようにみえるぞ!それに、いきなりエンジェルズシェアに行くって言い出すし…

……

どうやら、パイモンは俺に違和感を抱いていたみたいだ。 話しているうちにエンジェルズシェアについていたらしい なんだか、いつも来ているときより静かな人ひとり分騒がしい気がする

パイモン

まあ、いいのか?
とにかく、着いたらーーー

約束のアップルサイダー。でしょ?覚えてるよ

パイモン

ふふん。アップルサイダー♪アップルサイダー♪

ふふ、パイモンったらご機嫌だね

どうやら、不安はなくなったらしい。 俺はエンジェルズシェアのドアを開けたーー

エンジェルズシェアの中はいつも通りの騒がしさだ。

でも、ふとカウンターを見るといつもは居ない、知らない人がいる

鈴風

午後の死を2つ、追加で頼めるかい?

ディルック

君達は少し飲み過ぎじゃないか?

ガイア

いやいや、まだまだイケるさ

鈴風

ふーん。じゃあ、バーテンダーさんのオススメのジュースはなんだい?

ディルック

今日はいいぶどうジュースが入荷している。

ガイア

おいおい、ここは酒場だぞ?酒が飲めるなら酒を飲まなくてどうする?

鈴風

じゃあぶどうジュース一杯と午後の死2杯で。

ディルック

承りました。

ガイア

無視はつらいぜ…

ディルック

で、旅人。君はどうするんだい?

え、あ、うん。ひとまずアップルサイダー2つで…

ディルック

わかった。好きな席に座って待っていてくれ。

うん。

とりあえずガイア達の近くのカウンター席に座った

ガイア

久しぶりだな。旅人

パイモン

そうだな!ガイア!

うん。久しぶり。ガイア

パイモン

そういえば、隣のはだれだ?

ガイア

ああ、あいつは…

鈴風

こんばんは、旅人さん。私は鈴風。世界をふらふら旅する旅人さ。貴方の噂はよく聞くよ。同業者としてよろしくね。

フレンドリーに話しかけてきた彼の姿は艷やかな黒い髪に落ち着いた暗い赤の外套、蒼白の仮面には宝石のように輝く青色が双眸として嵌まっている。 普通なら怪しさしか感じない風貌だが、彼自身の柔らかい雰囲気が怪しさを感じさせない。

俺は空。そしてこっちがーー

パイモン

オイラはパイモン!旅人のサイッコーの仲間だ!

鈴風

ふふ、仲がいいんだね。…さて、なんで笑っているのかな?ガイア。

ガイア

ンッ…フフフ…フフ…はぁ…笑った笑った。いきなりそんなに猫をかぶりだしたから腹がよじれるかとおもったぞ。

ディルック

楽しそうなところに水を差すようで悪いがご注文の品ができあがったよ。

パイモン

わーい!アップルサイダーだ!

鈴風

ふふ、ありがとう。

ガイア

丁度喉が渇いたタイミングだったんだ。たすかる

アップルサイダーの泡がしゅわしゅわと下から上へ浮き上がっていく。

鈴風

ん、このぶどうジュース美味いな。さすがディルックのイチオシだね。

ディルック

…何故そう思った

鈴風

だって結構ご機嫌じゃないか。

ディルック

そんなにわかりやすかったのか?

ガイア

いや、普通の人ならわからないと思うぞ

俺にはわからなかったよ

パイモン

オイラもだぞ!

鈴風

私は目と耳がいいからね。
ちなみに今回機嫌がいいと思ったのは
朝見かけた時少し足音が軽やかで口角がほんの少し上に上がっていたからだな。
あと知人が彼を見かけたときすごく嬉しそうだったと言っていたからだな。

えぇ…?

パイモン

わかるわけないんだぞ…
というかその知人はなんなんだよ…

ディルック

彼の人脈はわからないことだらけなんだ。

ガイア

案外、人間という枠組みから外して考えてみたらわかるかもしれないぞ?

鈴風

まあ、いいぶどうジュースが手に入った程度でここまで機嫌が良くなる人間というわけでもないだろうしもっと嬉しいことでもあったんじゃないか?
なくしたと思っていた大切なものを見つけた。とかな

パイモン

そこまでわかるのか?!すごいな!

ガイア

ディルック

パイモン

ん?どうしたんだ?二人とも

二人は黙ったまま顔をそらしている 照れているのだろうか。ディルックの頬が赤い。 ふとガイアを見ると顔は見えないがわかりづらい褐色でもわかってしまうほど耳が赤くなっている

鈴風

ん~?ガイア、顔が赤いぞ。やっぱり飲み過ぎじゃないか?
今日は本来の俺のペースに寄っていたからそれにつられて飲んでしまったんだろう。

いや、違うと思う…

鈴風

ん〜。なら照れているのか?別に俺の知人たちのなかじゃガイアとディルックが仲直りしそうでしないもどかしい関係なのは有名なのになんで照れるんだ?

ディルック

!?

ガイア

!?

パイモン

えっ?そーーー

パイモン。しー。内緒にしてあげて!

ディルック

すまない。助かったよ。旅人。

ガイア

ああ。あのまま発言されたら噂として広まってしまいそうだから。本当に助かった

鈴風

おや?まずかったかい?

あっけらかんとした様子で話す鈴風さんはなんとも思ってないようだ

ガイア

しかし…やはりその情報網は惜しいな…

ディルック

騎士団にスズカの情報網があってもその重い腰をどうにかしないと意味がないんじゃないか?

鈴風

ふふ、そう言われても私の情報網は案外どうでもいいことしか拾ってこないかもしれないよ?

ぽんぽんと言葉が行き交い微笑みが交差する。

パイモン

あー!もう!けんかなんてしないでくれよ!!!せっかくのアップルサイダーの味がしないんだぞ!!!

ガイア

ディルック

鈴風

…?

二人が気づいたように声を上げ、鈴風さんはよくわかってないような雰囲気で首をかしげた。

鈴風

?…??…ああ、なるほど、私にはじゃれあっているようにしか見えないやりとりも君にはプレッシャーを与えていたんだね。ごめんね、怖がらせちゃって。

パイモン

え…あ…べ、べつに大丈夫だぞ!!!

ガイア

すまない、パイモン

ディルック

パイモン、すまない

パイモンもいいって言ってるから大丈夫だよ。

鈴風

そうか

パイモン

そうだ!話を変えようぜ!鈴風、お前って旅人だって言ってたよな!なら今まで旅してきた場所の話を聞かせてくれ!

ガイア

そうだな。今は本来璃月にいるはずの鈴風が何故モンドに帰ってきて仕事終わりの俺を引っ掴んで呑みに誘ってきたのかも気になるからな。

鈴風

鈴風さんは無言でそっと顔を逸らしながら気まずそうに小さな声でつぶやく。

鈴風

あー……少し…気まずいことが起こってね…あんなことになるならあの服を着ていかなければよかったと思っている…

ガイア

あの服?どんな服だ?

鈴風

その…道中で服をド派手に汚してね…昔着ていた服をだね…着替えがなかったから着たんだけれども…昔の知り合いに出くわして半泣きで追い回された。

「「「「……」」」」

な、何も言えない…

パイモン

な、なあ、それ、服を変えても追い回されるんじゃ…

鈴風

いや、昔の服と今の服では全く印象が違うから気づかれない。実際ずっと気づかれていなかった。

実績あるんだ…

鈴風

まあ、こうなったからにはまだしばらくはモンドにいるさ。

パイモン

な、なあ、なんで半泣きで追い回されたんだ?

パイモン、ナイス!一番気になるところを言ってくれてありがとう!

鈴風

少々、いろんなことがあってね…
さすがに、死んだと思っていた家族が目の前にいたら幻覚だったとしても一度は追い回すだろうね……

パイモン

な、なんだか複雑なんだな…というか、そうだったらあってあげればいいのになんで逃げたんだ?

パイモン、それはさすがに…

鈴風

大丈夫だよ。

え…でも…

鈴風

ふふ、優しいんだね。まあ、私が逃げた原因はあの子の立場が立場だったから、かな。
まだまだ、家族がいることを明かさないほうがよかったんだよ。

そう話す鈴風さんは青色をゆるりと細めて微笑んでいる…ように見える

鈴風

まあ、そんなものだよ

これが、鈴風さんに初めて会ったときのお話。

世界を旅する旅人は如何なる軌跡をのこすのか 第一部

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