真神 狼(マガミ ロウ)
あれからどれだけ走っただろうか
俺は見てしまった
走るのを辞めた白兎の真後ろに、化け物がいて、沢山の目で白兎をじっと見つめていたのだ
白兎 神(ハクト シン)
走る後ろから、白兎の悲鳴が聞こえてくる
真神 狼(マガミ ロウ)
俺は走りながらそう呟いた
犬神 犬(イヌガミ ケン)
俺は稲荷の言葉を聞くなり、胸ぐらを掴んだ
犬神 犬(イヌガミ ケン)
稲荷 白狐(イナリ ビャッコ)
稲荷 白狐(イナリ ビャッコ)
稲荷 白狐(イナリ ビャッコ)
稲荷 白狐(イナリ ビャッコ)
犬神 犬(イヌガミ ケン)
俺は稲荷の胸ぐらを掴みながら怒鳴った
涙華(ルイカ)
涙華は不安げに見つめてきていた
流石に子供の前で喧嘩は大人気ながった
犬神 犬(イヌガミ ケン)
俺は乱暴に稲荷の胸ぐらから手を離した
真神 狼(マガミ ロウ)
俺は後ろを見て、追ってきていないことを確認すると、適当に部屋に入る
俺は地べたに座り込む
真神 狼(マガミ ロウ)
助けられなかった
俺はまだ弱いままだ、
俺には7個離れた兄がいる
いつも学校で虐められる俺を助けてくれるヒーローだ。
お兄ちゃんなら…
あの灰色の長いくせっ毛の髪が風になびき、
ガラガラとした声で俺を助けに来てくれる
俺はお兄ちゃんみたいになりたくて、
痛みに耐えてピアスを開け、センター分けにした
お兄ちゃんみたいに人を助けたかったのに
真神 狼(マガミ ロウ)
犬神 狛(イヌガミ コマ)
真神 狼(マガミ ロウ)
ガチャっと扉を開ける
これで何度目だろうか
稲荷 白狐(イナリ ビャッコ)
稲荷 白狐(イナリ ビャッコ)
犬神 犬(イヌガミ ケン)
涙華(ルイカ)
どこを探してもどこにも居ない
犬神 犬(イヌガミ ケン)
ふと視線を落とすと、黒く、どろっとしたものが床に着いていて、引きずった様だ
稲荷 白狐(イナリ ビャッコ)
涙華(ルイカ)
狛と手を繋ぎ、廊下を歩く
その小さな歩幅に合わせて、ゆっくりと歩く
真神 狼(マガミ ロウ)
犬神 狛(イヌガミ コマ)
適当に目に入った部屋に入っては出てを繰り返している
ガチャっと古びた扉を開けると…
白兎 神(ハクト シン)
真神 狼(マガミ ロウ)
真神 狼(マガミ ロウ)
白兎が壁に寄りかかりながら腕を押さえている
白兎 神(ハクト シン)
ギロッと白兎はこちらを見る
白兎 神(ハクト シン)
白兎 神(ハクト シン)
そう喚くと、白兎は真神に襲いかかる
真神 狼(マガミ ロウ)
白兎の力は尋常じゃない
白兎 神(ハクト シン)
白兎の腕はみるみるうちに溶けだし、黒いものが見えてくる
目も血走っていて、正気の沙汰ではない
真神 狼(マガミ ロウ)
犬神 狛(イヌガミ コマ)
白兎 神(ハクト シン)
ギロッとした目が狛に向く
狛は急いで部屋から出ていく
白兎 神(ハクト シン)
白兎 神(ハクト シン)
白兎 神(ハクト シン)
そう言う白兎の顔も溶けだし、中から目がたくさんのヘドロが出てくる
真神 狼(マガミ ロウ)
それが俺の顔を覆っていく
俺の腕や足、顔をそれで包み込まれ、
俺の意識は途絶えていく
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