ギュィィィィィィン!!
ルールを破って過去に来てしまった
でも部屋には誰もいなくて
不安な気持ちが増して涙が止まらない
怖くて怖くてどうしようもなくて
ベッドの上に置いてあった抱き枕に抱きついた
明日夢
抱き枕から父ちゃんの香水の匂いがした
鏡台の上に香水の瓶が置いてあって
明日夢
ちょっと嬉しくなったけど
それでもまだ不安が消えなくて
涙が止まらなかった
愛紗
微かに母ちゃんの声がして
階段を駆け上がる音が聞こえ
ガラガラと扉が開いた
愛紗
愛紗
愛紗
明日夢
母ちゃんの留守に勝手に抱き枕に触って沢山の涙をこぼした
怒られるかと思ったけど
泣いている俺を見た母ちゃんは
頭を撫でて優しく声をかけてくれた
愛紗
愛紗
明日夢
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
凄く子供っぽい聞き方をしてしまった
でも母ちゃんはバカにすることもなく
泣きながら変な質問をする俺の頭を何度も撫でて
愛紗
そう言ってくれた
愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
二人が再会した日から約十日後
母ちゃんは父ちゃんに告白しようと思い
どうやって告白をするか考えていた
その時、父ちゃんから電話がかかってきて
丈太郎
丈太郎
父ちゃんから告白された
もちろん母ちゃんはそれを受け入れて
二人は付き合うことになったと言う
明日夢
愛紗
更に二人が再会したあの日
母ちゃんが片想いしていたことを打ち明けると
丈太郎
そう答えたらしい
明日夢
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
2002年2月14日(木)
母ちゃんはホットケーキミックスと板チョコを使って
クッキーでチョコを挟んだサンドクッキーを作った
精一杯、作ったクッキーを綺麗にラッピングして
父ちゃんに渡したくて学校に持っていったけど
緊張しすぎて渡すことができず
何も知らずに去っていく父ちゃんの後ろ姿を
遠くから見つめることしかできなかった
愛紗
愛紗
愛紗
母ちゃんの顔が赤くなっていく
本当に嬉しかったのだろう
母ちゃんの気持ちが伝わってきて
溢れていた涙が少しずつ引いていく
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
愛紗
明日夢
不安な気持ちも徐々に薄れていく
何も話してくれないことに対してのモヤモヤはあるけど
そんなことを感じさせないくらい
母ちゃんの笑顔はキラキラしていた
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
明日夢
あまり根拠はないけど
大丈夫だと思えた瞬間だった
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