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数日後 合格発表の日

美琴

………ここクリックしたら見れるって。

美琴父

押せばいいじゃないか。

修也

結果早く見ないと…

まだ心の準備が できてないのが事実。 前日から緊張しすぎて あまり寝られなかった。

修也

代わりに押そうか?

美琴

いいの?

美琴父

修也くん押してみ?

修也

押しますね。

美琴父

美琴ちゃんと見なさい。

美琴

まだ心の準備が整ってなくて…

修也

押します。

彼がクリックすると 次のページに進んだ。 ホームページが混雑しているのか 読み込むスピードが遅くなっている。

美琴

出てこない…?まさか落ちた…?

美琴父

見て見ないとまだわからんぞ。

修也

あ、出てきました。

美琴父

合否どこに書いとるんや…

美琴

私見ない。

近くにいたポムの相手をする。 お腹見せてきたから 思いっきり撫でまくる。

修也

見てよw

美琴父

お、出てきた。

修也

美琴みて。

恐る恐る 顔を上げると 合格の文字が書かれていた。

美琴

……これ偽造とかじゃないよね?

美琴父

んなわけあるかw

美琴

関西学院受かったってこと?

修也

うん。おめでとう。

美琴

受かったよーポム〜

美琴父

よし、お寿司の出前取らなあかんな。

そそくさと 部屋から出ていったお父さん。

合否がわかったあと やたらとお腹がすいたので シフォンケーキを 食べようとリビングに向かった。

美琴父

あ、そういえば修也くんのお家の件全て片付いたよ。

美琴

え?あ、あの件?

修也くんがここに来た時に 発覚した お金の件。 受験で精一杯だったから 忘れてた…

美琴

でも、彼何かしてたっけ?

美琴父

いいや何もやってないよ。敦貴に頼んでやっておいた。お金の面は偽造だったそうだよ。

美琴

お兄ちゃんか…ていうか偽造ってヤバくない?警察捕まるんじゃ…

美琴父

捕まったよ。ほらこれ。ニュースの見出しにもなってる。

新聞を手渡してきて 中身を見ると 一面にそのニュースについて 情報が流されてあった。

美琴

んじゃ修也くん向こうに戻るの?寮の方に。

美琴父

寮の方もね記者の方が押し寄せてるらしいし、キャンプ地も記者の方が彷徨いてるから、まだしばらくいるよ。

美琴

確かにその方がお互い安心か…

シフォンケーキに フォークを入れ 口に運んだ。

夜 近くの海にやってきた。 実は今日お母さんの命日。 よくお母さんが言ってたんだけど 『満月の夜に海に行くと 星が綺麗に見える』 って。 前々から大学合格した日に 海で星がみたくて 天気予報と月の満ち欠けについて スマホとにらめっこしてたら ちょうど今日が綺麗に見える日だった。

美琴

あ、やっと見つけた…

修也

え?何を?

美琴

うわ、びっくりした…

いつの間にか 修也くんが隣にいた。 1人で家を出たつもりだったのに。

修也

夜女の子1人で出歩くの危ないじゃん。

美琴

そうだけど…

修也

ていうかめちゃくちゃ綺麗だよね。星。

美琴

でしょ?

修也

んで、さっき何見つけたん?

美琴

あそこに冬の大三角あるでしょ?

修也

星いっぱいありすぎてわかんない。

美琴

ほらあそこ。明るい星あるでしょ?3個ほど。

修也

うん。あるね。

美琴

そのね、オレンジっぽい星見つけてん。

修也

あの星ってなに?

美琴

ベテルギウスって星。曲にもあるでしょ?

修也

うん。あるね。

美琴

あの星お母さん好きだったんだよね。私も好きなんだけど。

修也

へぇ〜いいじゃん。そういうの。

不意に疑問に思ったことを 彼に聞いてみる。

美琴

ていうかなんで修也くんここに来たん?

修也

何か悩んでそうな雰囲気漂わせてたから。

美琴

誰が?

修也

あなた。晩御飯の時上の空って感じだったし。

美琴

あれはちょっと考え事してただけで…

修也

なんの?

美琴

今日ね、お母さんの命日なの。

修也

だから海に?

美琴

うん。お母さんよく言ってたんだけど『満月の夜に海に行くと星が綺麗に見える』って。

修也

………たしかに。綺麗に見えるね。

美琴

そうだよね。

風が吹く度に 海の潮の匂いが 鼻にまとわりつく。 夏と違った匂いだった。

修也

そういえば聞いた?俺のお家のやつ。

美琴

………うん。ある程度聞いた。

修也

そっか。なら話が早いかも。

美琴

え?何が?

修也

俺、3月から寮に戻ることになった。

美琴

え?

詳しく話を聞けば 春季キャンプが終わるタイミングで 寮に戻り シーズンに向け 最終調整するらしい。 嬉しいような寂しいような感情が 混じり合う。

美琴

そっか…決まったなら応援するしかないね。

修也

ありがと。

美琴

あと2週間ぐらいか…

修也

そうやね。

美琴

頑張ってね。

修也

うん。

月明かりに照らされている 彼の横顔に 見惚れちゃったことは 誰にも言えない。 彼への恋心を自覚してしまったみたい。 あと2週間したら 彼と別れることになる。 もう二度と会えないかもしれないと 自覚してしまった恋心を 封じ込めるように 彼と家に向かった。

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