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前回謎なところで終わってたと思うんですけど、あれバグかなんかで途中までしか反映されてなかったみたいです😭💦 続き書き直したので、前回見れなかったよって方は、この話を読む前にもう一度読んでくださると嬉しいです🙌
店の空気にもだいぶ慣れてきた頃だった。 じゃぱぱに返事をして動きながら、ふと入口の方に視線が向く。
hr
気づいたのは、ほとんど反射だった。 扉の傍で店の様子を眺める、見慣れた姿。 明るい茶髪。 右耳に輝くシルバーのピアス。 うりだった。
hr
一瞬、手の動きが止まった。 すぐに動くけど、意識も視線もそっちに引っ張られる。
hr
この店はうりの行きつけみたいなものなのだから、別に珍しいことじゃない。 自分でも理由はよく分からなかったが、なんとなくヒロは、自分が嬉しいことに気がついていた。
目の前の客に声をかけられて、はっとする。
hr
hr
軽く笑って誤魔化す。でも、視線はまた動いた。 カウンターの二人。 うりは、もう誰かと話している。彼が前に連れていたのと同じような外見の、スーツ姿の男だった。 男の腕にうりの小さな手が置かれているのが見える。少し顔を寄せて、何かを話していた。 男が笑う。うりも楽しそうだった。 ヒロはその光景を見つめた。
hr
目を逸らす。 なんとなく、気まずかった。 あの「浅川くん」と呼ばれた夜ほどではないけど、体が地面に僅かに引っ張られて、沈みこんでしまったみたいな気分だった。
jp
hr
じゃぱぱに呼ばれて、すぐに意識を戻す。
jp
hr
笑って答える。 そう、大丈夫だ。ちゃんとできてる。 それなのに、また、視線が動く。
少し手が空き、ヒロはカウンターに寄った。 じゃぱぱはグラスを拭いていた。特別忙しくしているわけではないようだ。
hr
声をかけると、彼がちらっとこちらを見た。
jp
ヒロは言いかけて、だけど中途半端に開いた口を閉じた。 間を空け、言葉を選ぶ。 何となく、聞き方を間違えたくはなかった。 できるだけ、何もない感じで。じゃぱぱの様子を窺いながら尋ねる。
hr
もしかしたら直球過ぎたかもしれない。 じゃぱぱは一瞬手の動きを止めた。
jp
hr
それっぽい理由をつける。 嘘ではない。 だけど、それだけでもない。 じゃぱぱはこちらに目をやり、まだすぐに手元に戻した。
jp
曖昧な答えだった。 でも、あなたが知らないわけないでしょう? ヒロは尚も食い下がらなかった。
hr
jp
hr
jp
その答えにヒロは少しムッとなった。 もちろん聞いたのはこっちだけど、そんな返答でヒロが満足するとでも思っているのだろうか。
hr
jp
噛み付くようにじゃぱぱが言った。しつこく尋ねるヒロにイライラしたのかもしれない。 だけどじゃぱぱの口調以上に、ヒロはその内容に衝撃を受けていた。 風俗。 デリヘル。 体が固まった。ヒロでも知っている言葉だった。
hr
鋭い目つきでじゃぱぱがヒロを睨む。 思わず口を噤んだ。 それ以上はじゃぱぱが許さないことを、肌で感じていた。
hr
jp
落ち着きを払った声で、じゃぱぱが詫びる。
jp
彼の声が柔らかく、軽いものに戻る。 何と返せばいいのか分からないまま、ヒロは無言で頷いた。
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ヒロは頭を冷やすために扉のすぐ脇の壁にもたれていた。 すぐ横から声がし、驚いて振り向くと、そこにうりが立っていた。 全く気づかなかった。いつの間にこんな近くまで来ていたのだろう。
hr
思わず言うと、うりが笑った。
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hr
もうそれが当たり前みたいに、うりはヒロの肩に寄りかかった。
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ヒロは言おうかどうか迷った。 じゃぱぱと話していたのを知っているのなら、彼と言い争うところも、見られていたのかもしれない。
hr
結局答える。
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うりは面白そうに目を細めた。
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からかうような言い方。 その軽さに、じゃぱぱにうりについて聞いてしまった罪悪感が、胸にのしかかる。
hr
ur
気怠そうな言い方のまま、彼が顔を近づける。
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睫毛の長さが分かるほどに、距離が近い。 自分の息遣いが彼に伝わるのだと思ったら、呼吸が詰まった。 どくんと、心臓が強く音を発する。
hr
もごもごと曖昧に答える。 それ以上、上手く言える気がしなかった。 うりはそれを見て、楽しそうに笑った。
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ふっとうりが顔を離した。 その一秒があまりにも呆気なくて、どぎまぎしていたヒロは肩透かしを食らった気分になった。
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いつもの軽さだった。
hr
頷いて、離れる。 餌が貰えなかった犬は、こんな気分になるのかもしれない。