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初兎様は僕との結婚を強要されていなかった
寧ろ自ら望んでいた――――そんな馬鹿な話、あるはずがない
ありえない 嘘だと言ってほしかった
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僕は思わず目を見開く 初兎様は高潔なお方だ 地上に舞い降りた天使だ
権力に目がくらむような男性じゃない
にも関わらず、僕ったら気が動転して、とんでもないことを口走ってしまった
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瞳にじわりと涙が滲む 僕は首を横に振った
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初兎様はそう言って小首を傾げる
その仕草があまりにも愛らしくて、普段とのギャップがすごくて、最高で、僕は思わず言葉を失う
それを肯定の意味と受け取ったのだろう
初兎様は微笑しつつ、再び口を開いた
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ついついそんなふうにツッコミを入れたくなるけど、さっきエレン様から黙って聞くように言われたもん
初兎様に嫌われたら生きていけないもん
僕は必死で口をつぐんだ
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無言で初兎様を見つめつつ、僕はそっと首を傾げた
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今度は初兎様が首を傾げる 僕は静かにうなずいた
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ファンの立場から『なんか違う』って言うのはおこがましいってわかってる
だけど、初兎様には初兎様に相応しいあり方ってものがあると僕は思う
だから、初兎様が僕と結婚するのは絶対におかしい
とてつもない解釈違いだ
彼の隣に並び立つのはやっぱりもっと素敵な女性であってほしい
そうじゃないと認められないもの
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初兎様はそう言って、困ったように微笑んだ
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次いで、初兎様が僕の手をギュッと握る
体温が軽く100度を超えた気がした
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本人を目の前にして「はい、そうです!」と言うのはあまりにも恥ずかしい
だけど「違います!」とは絶対に言えない
そんなの切腹ものの嘘だ
既に勢いに任せて「好き」だと口走ったこともあるかもしれないけど、今の、こんな雰囲気のなかじゃ絶対に無理
恥ずか死ぬ
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僕はそう言って、必死に初兎様のことを見つめる
決して嘘はついていない
ただ、本音の何千分の一しか表に出していないだけだ
初兎様はハハッと声を上げて笑いながら、僕の頭をそっと撫でた
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熱っぽい声 普段よりも掠れていて、普段よりももっと低くて、それがとってもセクシーで、素敵で、背筋がゾクリと震えてしまう
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初兎様フリークの僕でも、さすがにこんな声は聞いたことがない
魔術師団の訓練中とか、カフェでくつろいでいらっしゃるときとか、これまでありとあらゆる初兎様の声を聞いていたけど、彼にはまだまだ僕の知らない一面があるらしい
完全なるリサーチ不足 こんなときだというのに、ファンとしてなんだか悔しいと思ってしまう
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すると、考えを巡らせまくっている僕の耳元で、初兎様がボソリと呟く
僕はハッと顔を上げた
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あまりのことに脳内の情報処理が追いつかない
ただでさえパニック状態だったのに!
状況を飲み込むだけで精一杯だったのに!
初兎様のおっしゃることは、わたしの考えとはあまりにも相反していて
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悶々と悩んでいたら、初兎様は爽やかすぎる笑みを浮かべながら、頬に触れるだけの口づけをしてきた
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それはほんの一瞬のできごと けれど、僕の頬には確かにエレン様のぬくもりが、感触が残っている
僕は驚愕に目を見開いた
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初兎様が女性にキスをしてしまった!初兎様が女性にキスをしてしまった!っていうか、その女性って僕なんだけど!初兎様が女性にキスをしてしまった!どうしよう!世界中の初兎様ファンから石を投げつけられても、決して文句は言えない状況だ
仮にうしろからナイフでグサッと刺されたとしても、僕は甘んじて受け入れるだろう
だって、たとえ神様が許してくれても、僕が僕自身を許せそうにないんだもの
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けれど、初兎様は涙が出るほど美しい笑みをたたえ、僕のことを見つめている
あまりにも優しく、慈愛に満ちた表情だ
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悔しい あまりにも悔しく、嘆かわしいことだ
なんでかはわからないけど、初兎様は騙されていらっしゃる
完全に騙されていらっしゃる
僕との結婚が有益だって、誰かに思い込まされているんだ
一体どうして、誰が彼をこんなふうにしたのか――――理由はわからない
なんとかして原因を探らなければ
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満面の笑みを浮かべる初兎様を前に、僕はそう決意したのだった