冬の気配を感じる朝、駅までの道のり。
慎吾
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
慎吾
果歩
慎吾
瑞樹
果歩
まだ、私の編んだマフラーなんかしてくれるんだ? 2人とも
慎吾
瑞樹
果歩
瑞樹
人波に乗って、 なんとかホームにたどり着いた。
《1番線お下がりください。電車がホームに入ります…この後の電車は15分後に到着いたします》
果歩
《プシュ〜ッ》
郊外の駅に降りる人は少ない。
慎吾
慎吾に押されてなんとか電車の中へ。
果歩
瑞樹は押されて、 だいぶ中の方へ行ってしまった。
慎吾
果歩
ドア横のスペースに なんとか身体を収めてる私。
ガタイのいい慎吾が、前に覆いかぶさって空間が少しあるので、 辛うじて息ができる。
果歩
慎吾
果歩
《ガタンッッ!》
果歩
慎吾
果歩
身動きとれないから…背骨、折れるっっ⁈
果歩
涙が出そうに痛いっ。
《グイッッ!》
慎吾の左腕が、 手すりと背骨の間に割り込んできた。
慎吾
確かに、もう手すりは当たらない。
果歩
と、顔をあげたら…
近い近い近いーっ! うわ、慎吾の胸にカオ埋めてる状態?
周りに何もなければ、 カタチ的には、抱きしめられてる状態。
果歩
顔上げられずに下を向いたまま言った。
慎吾
小さい頃のお姫さまごっこ。 きっとあの時のこと、言ってる。
今、そんなこと言わないで…
カラダ全部が心臓になったみたいに、 ドキドキが止まらない。
慎吾の心臓の音も聞こえる。
速い…
それっきり、2人とも黙ってしまった。
《プシュ〜ッ》
駅に着いて、大勢のN高生と一緒に、 電車から押し出される。
まだドキドキが止まらない。 慌てて瑞樹を探す。
果歩
慎吾
瑞樹
瑞樹は、T女子高校の生徒に囲まれて… もみくちゃにされちゃったみたい。
果歩
瑞樹
慎吾
なんだか慎吾の顔見るのが照れくさくて、
果歩
と言うが早いか、駆け出してしまった。
2人がついてきたかはわからない。 そのまま学校まで 一目散に駆けてしまった。
マフラーは慎吾のから…編むかな…
それは、事件だった。
放課後…
慎吾
果歩
帰り支度をしてると、教室がザワついた。
圭
果歩
呼ばれて廊下を見た。
???
山田 圭?
圭
果歩
山田 圭は、キレーな顔でニコっと笑う。
圭
果歩
山田 圭は少しも動じず、 いつの間にか目の前にいた。
圭
圭
キャーっっ!
教室は軽いパニックに。
亜矢が右腕を掴む。
亜矢
大丈夫じゃない。脳みそフル回転。今、何が起きてる?
山田 圭は目の前でニコニコしてる。
えっと、付き合ってって言ったね?
果歩
圭
圭
果歩
圭
果歩
圭
果歩
山田 圭は私の左腕を掴むと、 廊下に向かって歩き出した。
亜矢が慌てて スクバを右手に掴ませてくれた。
学校中に注目されてる気がしながら、 山田 圭に引っ張られて教室を後にした。
昇降口でやっと腕を放された。
圭
そうだね、靴、履こうね
何が起きてるのかわからないまま、 山田 圭と一緒に校門を出た。
圭
そう、私はなぜか、 山田 圭と一緒に下校している。
オトモダチとして。
果歩
圭
果歩
圭
果歩
圭
イケメン転校生だからだと思います
果歩
圭
果歩
圭
果歩
圭
ホントにキレーだな、笑顔
急に、 一緒に歩いてるのが恥ずかしくなった。 カバンで顔を隠すように歩く私。
圭
あ、見透かされた?
果歩
うっそ。思いつき。でも行こうかな…そろそろ
圭
果歩
圭
えっとー、訂正箇所が
果歩
圭
果歩
圭
えっとー、噛み合ってる?会話
そう言ってるうちに、駅についた。
圭
果歩
山田 圭は強引にそう言うと、 反対のホームにさっさと上がってしまった。
ああ、反対側なんだ、家
なんて、ボーゼンとしていると、 電車がホームに入ってきたのでそのまま乗ってしまった。
混乱したまま、電車を降りて歩いた。
少し頭を整理しよう。うん
帰り道、公園のベンチに座り込んだ。
えーっと、明日、私は美容院に行く
これは、よし。
山田 圭のお姉さんの美容院
これは?ギリギリOK?いやいや。
お姉さんは、彼女を連れて来いって。
これは大間違いだよね。NG!
でも、10時に約束?しちゃった?の?
そう。撤回しようにも、連絡先知らない。
…とりあえず、10時に行って、断ろう。
うん、それがいいかも。
でも、どうやって?
うーーーーーん。
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
そっか、慎吾も一部始終を見てたんだ
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
触れてほしくないなー、そこ
瑞樹
果歩
瑞樹
それ、私が聞きたいんですけど
果歩
瑞樹
あ、しまった!
果歩
瑞樹
果歩
なにムキになってんだ?私
瑞樹
果歩
瑞樹
果歩
そう言うと、瑞樹は スタスタと公園から出て行ってしまった。
友だちだもん…しょうがないじゃん
急に悲しくなってきた。
瑞樹が優しくなかったから? 明日、行かなければいい?
でも…
なんで瑞樹が、やや怒り気味?
だいたい瑞樹はいつもクール。 でも、今の瑞樹は… 意地悪だったな、なんか。
慎吾は…慎吾は、どう思ったんだろう。
今朝のドキドキを思い出した。
私は…なにを期待してるんだろう?
風が冷たくなってきた。
立ち上がってスカートを払い、 公園をあとにした。
瑞樹の意地悪な顔を思い出して、 ムカついた。
自分だって、いつも強引に約束するくせに!
スタバの新作が出るとき マンガの新刊が出たとき 予備校の無料講習だって いっつもこっちの予定お構いナシに、 私と慎吾を連れて行くじゃない!
…早く帰って、亜矢に電話しよう!
瑞樹なんかに相談しなくったって、 亜矢に助けてもらえばいいもん!
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