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続きが楽しみ! 応援していますので よろしくお願いいたします!
Cross
目を開けるとそこは昨日と同じ背景が広がっていた
そして数歩先には昨日と同じ姿の花嫁がいた
どうせここには何も無い。だから花嫁に話しかけてみることにした。
花嫁の元へ歩み寄る。すると花嫁からクスリと笑ったような音がした後腕を組んできた
"少し歩こう"
そう言われれば断る理由も無く俺達は当ても無く彷徨い続ける
ベールで顔を隠している貴方。貴方は誰なのだろう。
腕を組みながら歩く貴方をチラリと横目で見るがその表情は分からない
それでも嫌な感じはしなかった。寧ろこの微睡みのような時間が永遠に続けばいいのにとすら思えた。
暫く歩く。当てもなくただ前へ前へと進む。何処にも出口なんて無いのに。
変わらない風景。隣の花嫁。
俺は口を開いた
Cross
急に貴方の足がピタリと止まり此方にゆっくりと振り向く
カラーン カラーン
Cross
協会の鐘が鳴り響く音でハッとする
Cross
ここは…教会?いや─────────
Cross
なんで急に結婚式なんか…確かさっきまで─そうだ、あの人と一緒に───
"クロス?"
Cross
この声は─
"急に固まってどうしたんだ?"
どうして、
Cross
俺の目の前にはあの花嫁がいた
大丈夫か?と心配される声が聞こえるが、突然のことに上手く対応できない
"変な奴"
慌てる俺を見てはクスクスと笑われた。なんだか恥ずかしくなってきたな。
ひとしきり笑った後、腕を組むように合図されその通りにする。
腕を組んで扉に向かって歩き始めた
その最中やはり、と話しかけられる
"そのタキシード、お前によく似合っているな"
Cross
タキシード!?
言われて改めて己の姿を見てみると確かにタキシードを着ていた
夢の中だと何でもアリなのか?
なんだかそう思えば別に普通のことだと思えてきた
Cross
Cross
"なんだ?"
Cross
そう告げると相手は訝しげな表情を見せた
この反応はやっぱりそうなのだろうか。だとしたら失礼かもしれない
"…今日のお前は本当に変な奴だな"
そのジョークは受けつけない、と機嫌を損ねてしまった
Cross
……なんの反応もない。やっぱり駄目か。
そう思っていたら小さくフッと笑うような声が聞こえた
何だか嬉しいな、と思っていたら急に足が止まった
いつの間にか扉の前まで来てしまったようだ
背筋を伸ばして組んでいる腕に力を込めた
"行くぞ"
──扉が開かれる
瞬間、パチパチパチと祝福の拍手で迎えられた
Cross
バージンロードを進む中ベンチに座って拍手をする顔を見た
Cross
なんで"皆"が─
X-taleの皆がいるんだ?
皆は俺達を祝福するように拍手を贈る
Cross
祭壇につくと神父らしきモンスターが司会を進行する
〜は〜〜〜で
長くて何を言っているのかよく分からない
チラリと花嫁の方を見る
名前も知らない、夢の中の花嫁
クロスさん。あなたは××さんと結婚し、妻(夫)としようとしています。〜……健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しきときも、死が二人を分かつときまで、命の灯の続く限り、あなたの妻(夫)に対して、堅く節操を守ることを誓いますか?」
Cross
では××さん。あなたは〜〜〜………〜誓いますか?
"…誓います"
何故か名前の部分だけよく聞き取れなかった
〜それでは誓いのキスを
いよいよだ
俺は花嫁の方に向き直る
いよいよ顔が見れる
貴方はどんな顔をしているのか
期待と緊張を込めながらベールをゆっくりと捲った