向かいの席が空いてるのに…

向かいの席が空いてるのに…

上機嫌で優しく俺を抱きしめてくれる彼は初兎

俺の彼氏だ

周りから見たら逆に見えるかも知れないけど、2人っきりの時にはかっこよく、

とても優しいのだ

そう言って見せてきたのは、なんと

俺たち男には勿体ないぐらい可愛らしい喫茶店だった

こんな所に男の俺がいていいのか

男2人が行ってもいい所なのか

俺の中には不安と楽しみが混ざりあっていた

俺がしばらく黙っていると

彼氏が覗いてくる

困ったような顔を見た俺は断れる訳もなく

数分後

俺たちは可愛らしい喫茶店に入店した

お客さんの大体が女性や子供で男である俺たちは凄く目立っていた

キョロキョロする俺に大丈夫だよと問いかけるみたいに優しい笑顔を見せて

初兎はやっぱ凄いな

堂々としていて俺とは真逆だ

席についた時俺は今の状況に追いつけていなかった

なんでって？

それはこっちが聞きたいよ！

だってね！？

初兎ったら向かいの席が空いてるのにわざわざ俺の隣に座るんだよ？

こんな喫茶店に男2人で入店して、ただでさえ目立っているのに

余計目立つじゃん！

俺はいいけど、初兎が…

なんでため息

その後は楽しくご飯を食べました

…え？食べてるとこ見たいって？仕方ないな〜ちょっとだけね！

初兎声大きいから他の人に見られんねん

食べたいけど、恥ずかしいから食べられへん…

はい！どうだった？

俺の彼氏かっこよくて、優しいでしょ！

でも、これ以上はダメだよ！

俺の彼氏だから！