好き。
それは今まで人を信じてこなかった私には無縁の関係だった。
だが、流石にこの感情の意味は分かる。
ただ、その気持ちの意味が今やっと分かった、と言えば良いのだろう。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
考えれば考える程、胸がうるさくなっていく。
だけど私の頭には君しか思い浮かばない。
好きってこういうことなんだ____
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
今千冬に会うと、変に意識してしまいそうでおかしな気持ちになっていた。
この気持ちのまま千冬に会いたくないので、私は少し外に出てみることにした。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
出掛けたは良いものの、行く宛てが決まっていない。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
歩きながら考えている時、
何処からか、
ニャーン…
か細い声がした。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
猫
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
気の茂みから出てきた子猫の頭を撫でる。
すると満足そうな顔をした猫は私に寄り添う。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
まあ猫だから返事はないかと思い、ポケットを探った。
ポケットから取り出したその物は500円玉だった。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
言葉は通じるはずのない会話の相手にしばしの別れを告げ、
私はコンビニへと走って行った。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
猫
「本当に待ってたのか、偉いね」と声を掛けたあと私はコンビニで買った猫缶飲んだ封を開けた。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
勢い良く猫缶にかぶりつく子猫。
1番値段が高い物を買ってきたから美味しいのだろう。
ふと周りを見渡す。
親猫と思われる猫は居ない。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
私は幼い頃、
大好きだった母親に家を出て行かれた。
その理由は父の不倫。
幼い頃の私は「不倫」というものを知らなかったため、
同じく大好きだった父を少し庇ってしまった。
母は激怒。
きっと精神的に追い詰められていたのだろう、
私とも一緒に居たくないと思った母は家を出ていった。
「大好きだった人に裏切られた。」
幼い頃の私はそう受け止めた。
だったらどうすれば良いんだろう。
あぁそうか__
人を好きにならなければいいんだ____
深くない関係ならば傷つくことも無い。
そうして人を好きにならなかった。
母が出ていった後、父はすぐに不倫相手と再婚した。
義母は嫉妬深かった。
父の前の妻の子供____
見事に私は義母に嫌われた。
父の居ない時に暴力や、暴言を吐かれた。
その生活から早く抜け出したくて家出したのだ。
そこで千冬に拾われた。
今は幸せだ。
いつの間にか私の目からは涙が溢れていた。
モヤモヤした気持ちが消えた。
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
猫
そして子猫に別れを告げた。
ガチャッ
家に着いた瞬間バタバタとこちらへ近づいてくる足音が聞こえた。
松野 千冬
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
千冬ー好きな人
普通を装い、私は君の名前を呼んだ。
松野 千冬
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
その時の君の表情は、
とても心配をしたような顔をしていた。
松野 千冬
松野 千冬
松野 千冬
「心配」
こんな私に心配をしてくれるのか、
胸が暖かくなった。
私はここに居て良いんだ____
また涙が零れ出す。
松野 千冬
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
松野 千冬
暖かいものが私を包んだ。
きっと千冬の身体だ。
私の身体を抱きしめた。
松野 千冬
松野 千冬
松野 千冬
猫宮 麗奈 (ネコミヤ レイナ)
嗚呼、また胸がうるさい。
これじゃ千冬まで心音が聞こえてしまう。
ヌヌッシィ
ヌヌッシィ
ヌヌッシィ
ヌヌッシィ
ヌヌッシィ
N E X T ↝ ♡150
Looking forward to the next story…♡
コメント
10件
猫になりたい人生だった… けど飼われるとしたら竜胆がいいn(((殴…
猫宮ちゃん千冬とお幸せに🕊
一だぜ☆ 猫宮ちゃんすこ🤍