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これ、泣けるわ………
大学生になった春。
そのとき、彼に出逢った。
同じ科目の隣の席。
知的な紅色の瞳、
光に照らされて赤く光る髪七三分けの髪。
知的な印象をさらにもたらす眼鏡。
第一印象は、
「まぁイケメンなでかいお兄さん」
だった。
初めてちゃんと話したのは、
入学してから3ヶ月後のとき。
初めて彼が教科書を忘れた。
○○
トントン
無視かいな。
こっち見て無視やん
何やその顔
トントン
焦ってるなぁ
目で教科書貸してって訴えてるわ
しゃーないし貸したる。
○○
トントン
うなずくんかい
でかい見た目とは裏腹に行動が可愛らしい。
○○
私は彼と私の間に教科書を置いた。
トントン
あら目ぇ輝かせて。
小学生みたいに可愛いなぁ
可愛い。
○○
トントン
○○
トントン
○○
○○
○○
○○
トントン
なんやイケボかいな
関西出身まんまで出てもうた
トントン
○○
トントン
トントン
トントン
純情?
タイプですはい。
○○
彼に出会って6ヶ月。
はっきりいって私は、
彼に恋している。
○○
彼のかっこいい見た目と、可愛いけどイケメンな中身に惹かれてしまった。
でも、これは叶わない
きっと
ずっと片思いして
苦しいけど
仕方ないこと。
○○
最近、ため息ばっかついてる気がする。
トントン
トントン
トントン
○○
トントン
○○
トントン
トントン
○○
トントン
トントン
○○
トントン
○○
○○
○○
トントン
トントン
○○
あぁ、幸せだ
好きな人とお話できて、
いつまでも、続いて欲しい。
トントン
○○
トントン
トントン
○○
○○
次の日の食堂。
トントン
トントン
○○
トントン
○○
もぐもぐ
んん、おいひい。
○○
トントン
○○
○○
トントン
トントンは食べ終わって持っていこうとした食器を床に落とした。
○○
トントン
トントン
トントン
○○
○○
○○
○○
トントン
するとトントンはあっちを向いてしまった。
○○
トントン
○○
トントン
トントン
トントン
○○
○○
トントン
トントン
○○
まーたトントンのおかんが炸裂したよ
…怒ってるトントンも可愛いな
○○
トントンのあとをついて行こうとした。
すると、
○○
めまいがして、
力が抜けて、
バランスが崩れた。
倒れてしまった。
トントン
トントン
○○
○○
○○
意識が遠のいていく。
トントンが、ぼやけて見えた。
○○
保健の先生
保健の先生
保健の先生
○○
ちっ、バレた。
体調悪いのに学校来てること。
保健の先生
保健の先生
○○
めっちゃムカつくぞこいつ
とりあえずってなんや
病院の人は頑張ってんのに
ピコンっ
○○
<トントン
トントン
○○
トントン
トントン
○○
トントン
○○
トントン
○○
トントン
トントン
○○
○○
トントン
看護婦さん
○○
看護婦さん
医師
医師
○○
医師
○○
* * *
医師
○○
○○
○○
なんやかんやあって色々疲れるから病院行きたくなかったのよ。
寝たい
○○
そのままベッドに突っ伏して寝てしまった。
あれから何日か経った。
分かったことは、
トントンがデートをしてくれないこと。
しても、その辺を散歩するだけ。
手は繋いでも
キスや夜を迎えることはしてくれない。
それでも、私はトントンが大好きだ。
看護婦さん
○○
今日は検査の結果が出る。
医師
○○
医師
○○
医師
医師
○○
医師
○○
○○
○○
医師
医師
○○
医師
医師
○○
○○
医師
医師
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
医師
医師
医師
○○
○○
医師
医師
○○
○○
○○
トントン
トントン
○○
トントン
○○
トントン
トントン
○○
トントン
○○
○○
トントン
トントン
○○
○○
トントン
トントン
○○
トントン
○○
○○
○○
○○
○○
自分にそう言い聞かせた。
でも、
○○
○○
○○
やっぱり涙が止まらない
なんで
そうだ、
死ぬことが怖いんじゃない
トントンと会えなくなることが怖いんだ
○○
○○
○○
○○
この日は、一晩中泣いた。
○○
あれから何日かたった。
トントン
一応一緒に大学には来ているけど、
ほとんど喋れていない。
このまま、死んでいくのか。
○○
あれから1年
体調はどんどん悪くなってばかり。
トントンとも会えていない。
でも、今日はどうしてもトントンに会いたかった。
今日は、私の誕生日だからだ。
○○
トントン
トントン
トントン
○○
○○
トントン
トントン
○○
トントン
トントン
○○
○○
トントン
○○
トントン
トントンは、またそっぽを向いてしまった。
○○
トントン
○○
マンネリ化、というやつか?
恋人には見えない。
これから、どうなるのだろう。
あれから3ヶ月。
もうすぐ死ぬのがわかるくらいになってきた。
思い出の場所を巡る。
放課後だし、誰も来ないだろう。
○○
トントンと一緒にオムライスを食べた席に座ってみた。
涙が溢れてきた。
○○
もうすぐ、彼には会えなくなる。
でも、どうか
どうか彼が
私が居なくなっても、幸せでありますようにー…
○○
ぐらっときた。
○○
○○
私は急いで食堂を出た。
○○
トントンと1度だけ遊んだ遊園地。
気持ちいいくらいに晴れている。
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
私は端で立ち尽くして泣いている。
健康で幸せそうな人達は私のことなど気にも留めない。
トントン
○○
○○
トントン
トントン
○○
彼は口をもごもごさせている。
何言ってるのか分からない。
あ…
○○
どさっ
トントン
トントン
トントン、
○○
トントン
トントン
すると彼は倒れた私を腕の上に乗せて、支えてくれた。
○○
○○
○○
○○
トントン
トントン
すると彼は愛しく美しい瞳から大粒の涙を流した。
○○
○○
○○
トントン
トントン
トントン
○○
トントン
トントン
○○
○○
○○
そう、これが1番いいの。
辛くても、トントンのためなの。
○○
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
○○
トントン
トントン
トントン
トントン
○○
○○
○○
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
彼の瞳からまた大粒の涙が流れた。
それが私の額や頬に落ちる。
○○
○○
トントン
○○
○○
トントン
○○
私はそう言って、重い瞼をを閉じた。
トントン
トントン
○○が、目を閉じた。
○○を支えている手が震える。
トントン
トントン
トントン
今思えば○○は体重がほとんど感じられないくらい軽い。
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
俺は○○を揺さぶる。
○○は、薄く笑みを貼った表情のまま、返事をしない。
動かない。
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
どれだけ呼んでも反応しない。
もう、おそらく、○○は、…
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
こっちを不審そうに見る他人など気にせずに
俺は泣いた。
最愛の人を亡くして、
これからどう生きていけばいいのだろう。
トントン
トントン
トントン
医師に全てを話した。
○○は、亡くなった。
死亡届やなんやらを提出しなければいけないが、
今の俺にそんな気力は無い。
トントン
そう呟いても、もう遅い。
初めての彼女で、どう接せればいいか分からなかった。
そのせいで、辛い思いや寂しい思いをさせてしまっていたのに、
どうして俺はそんなことに気が付かなかったのだろう。
トントン
トントン
トントン
トントン
○○が死んでから数ヶ月。
お葬式は済んだのに、
何も出来ない。
まだどこかで○○は生きているような気がして、
辛い。
ピコンっ
トントン
まさか、○○?
先生
先生
トントン
トントン
先生
先生
先生
トントン
トントン
トントン
先生
トントン
トントン
先生
先生
トントン
○○、○○。
何気なくスマホを見つめていた。
最近のアルバムという名目があった。
試しに開いてみた。
すると、
トントン
○○と撮った写真や、
○○の隠し撮り写真が出てきた。
トントン
トントン
○○
会えないなんて、いやだ
トントン
トントン
今日だけでもいっぱい泣いたのに、
泣き疲れた。
トントン
いつの間にか眠っていたようだ。
どこかの草原に立っていた。
ふと、○○を探していることに気づいた。
トントン
居ないのに、呟いた。
ーなぁに
トントン
その声が、聞こえた気がした。
風に乗って、○○の声がした気がした。
トントン
トントン
ふと俯いた。
トントン
ートントン
○○
トントン
トントン
○○
○○
目の前に、誰かが立っていることに気づいた。
○○
トントン
○○の声に聞こえて、見上げた。
○○
○○
トントン
○○。
トントン
目の前で、俺の名前を呼びながらにっこり笑っている。
トントン
トントン
抱きしめた。
初めて、抱きしめた。
次こそは、逃したくない、
強く抱き締めた。
○○
トントン
○○
○○
○○
トントン
○○
○○
○○
トントン
トントン
○○
○○は哀しそうに笑った。
トントン
トントン
トントン
トントン
トントン
○○
○○
○○
○○
トントン
○○
○○
強く抱き締めた腕から、するりと○○は抜け出した。
トントン
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
○○
トントン
○○
○○
トントン
優しい風が俺と○○の間を通った。
○○は、涙を流していた。
トントン
トントン
○○
○○
○○は、そう言い残して風と共に消えた。
トントン
俺は、
嬉しくて泣いた。
トントン
トントン
○○のおかげで人生が楽しくなって、
○○が居なくなって人生がつまらなくなって、
○○のおかげで残りの人生を精一杯生きる気になった。
○○のおかげで、俺は生きてこれた。
トントン
トントン
この日の夢のことは、
生涯絶対忘れない…
ーℯ𝓃𝒹ー