注文の多い料理店…#1

こんにちは！今日は皆が知っているであろう…｢注文の多い料理店｣を書いてみましたー！楽しんでもらえたら嬉しいです♪ではでは、スタート！

｢注文の多い料理店｣ 2人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、気の葉のかさかさしたところを、こんなことを云いながら、歩いておりました。｢ぜんたい、ここらの山は怪しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構わないから、早くタンタアーンと、やって見たいもんだなぁ。｣｢鹿の黄いろな横っ腹なんぞに、二三発お見舞いもうしたら、ずいぶん痛快だろうねえ。くるくるまわって、それからどたっと倒れるんだろうねえ。｣それはだいぶの山奥でした。案内してきた専門の鉄砲打ちも、ちょっとまごついて、どこかへ行ってしまったくらいの山奥でした。それに、あんまり山が物凄いので、その白熊のような犬が、二疋いっしょにめまいを起こして、しばらく唸って、それから泡を吐いて死んでしまいました。｢じつにぼくは、二千四百円の損害だ。｣と1人の紳士がその犬の眼ぶたを、ちょっと返してみて言いました。｢ぼくは二千八百円の損害だ。｣と、もひとりが、くやしそうに、あたまをまげて言いました。はじめの紳士は、すこし顔いろを悪くして、じっと、もひとりの紳士の、顔つきを見ながら言いました…