カフェにて
響
頼んだコーヒーを一口、口にして手紙に目を移した
響
予想通り、裏には
三十二日目
と丁寧な字で書かれていた
響
・・・
そして32枚目を読み終えて、目的地に… 33枚目を読み終えて、目的地に…
を繰り返して、遂に48枚目に…
何故こんなきりの悪い数字の手紙なのか…
それは…
”優春”の真実にやっとふれた手紙だったから
今までの手紙で1歩ずつ真実に近付いてると感じていた
けれどそれは半歩にも過ぎていないものだった
・・・
響
手紙には…
私が貴方を置いていってしまった場所
と書かれていた
響
響
この角を曲がって少し歩いた場所にきっと彼女の手紙はあるのだろう
だが、1番今欲しいのは
君だけ
なのに…なんですれ違うんだろう
響
曲がり角を曲がる そして足を進める
心臓の音がうるさい
響
49枚目と思しき手紙を拾う
そして手紙を開くと…
音田 響様へ この手紙が最後の手紙です こつこつ一日ずつ書いてきたこの手紙も、終わりを迎えました
との文字が…
響
響
少しでも優春にふれたくて、近付きたくて
その手段としてこの手紙を読み続けて従ってきた
嗚呼 神様なんていう名ばかりの悪魔は
遂には僕らを天国と地獄に墜した
響
一人、帰路に着く
響
ぽたぽたと感情の無い瞳から涙が落ちる
手紙が最後になってしまった事への悲しみや優春(やよい)を守れなかった悔しさを思い出したのもあるが
何より一番辛かったのは
手紙の内容だ
最後の思い出の地は
”私”が眠っている場所
貴方が何百年後に私の隣に寝ていて欲しいと日々思っています
手紙を最後まで読んだとき 手紙は滲んで文字が見えなくなっていた
響
そう思ったもののきっと寝れやしないんだろうな
家に帰って
ベッドに蹲った
響
明日、僕は死ねるだろうか
響
ぶっきらぼうな言葉を投げつけ布団を被った
次回最終話
ラスト。 貴方はきっと 生きようと思える