~○○side~
涙が出て止まらない。
あなた
らいおんくんがものすごく怖かった。 なのに、少しらいおんくんに触れたことに嬉しく思った自分も、 よく分からない。 うさぎくんは私の背中をさすってくれる。
うさぎくんが、
グク
って聞いてくるから、
あなた
って頷くと、切なそうな顔で出て行った。
こんな弱い自分でごめんなさい。 らいおんくんも急に素っ気なくされたら、確かにおかしいと思うよね。 らいおんくんは何であんな怒ってた? 私悪いことしたかな。 あんなにも近くにいたのに今はらいおんくんのこと何も分からない気がして。
あなた
この声が、私の静かな部屋の中に、ぽつりと残るだけだった。
~次の日~
家にいるより、学校にいた方がまだマシだなんて。 今日は、ミスコンとミスターコンの予選の結果が発表される。 3学年8組まであるから、男子48人女子48人がエントリーされてて、 そのうち半分以下の順位だった人は予選で落ちる。
ミスコンなんて正直どうでもいいんだけどなぁ...。
ミア
予選で1番の人って大体本番で落ちるヤツじゃ...。
あなた
ミア
やっぱらいおんくんだよなぁ...。
私も実はらいおんくんに投票しちゃってるし... だって、らいおんくんが1番かっこいいもん。 当たり前じゃんか。 あ...今私の目の前にいるのは、1番会いたくない人。
ナラ
あなた
もう話すことなんてないじゃない。 らいおんくんと付き合えたんだし、私は辛いんだよあなたの声を聞くことが。 ナラちゃんの後ろをついて行けば、連れてかれるのは女子トイレ。
中に入れば、腕を引っ張られてトイレの個室に閉じ込められる。
ナラ
って、ナラちゃんと、そのまわりにいる女子の群れたちの笑い声。 なんでこんなことされなきゃいけないの...?
ナラ
ナラちゃんがらいおんくんって呼ぶのが、私の心を締め付ける。
あなた
ナラ
あの日の光景がよみがえる。 もう思い出したくもない、あの日の光景。 ナラちゃんとらいおんくんの唇が重なって、私は好きって気づいてしまった。 情けないよね、あんなにも近くにいたのに想いが届かないって自分で 分かってしまった瞬間、何もかも涙になって出てきたあの日。
ナラ
そうして私の頭に降ってきた水。 ナラちゃんと周りの女子たちの笑い声。
あなた
あー、制服もびちゃびちゃ。 でもそれよりも、水に混じって頬に流れた涙が、悔しかった。
だんだんと遠ざかっていくナラちゃん達の声。 いつになったらここから出られるの... 私授業サボりになっちゃうじゃん...。 私はらいおんくんを好きってだけだよ? なんでこんなことされなきゃいけないの?
強いて言うなら、らいおんくんを好きになってから嫌なことばっかりで。 胸が痛くて痛くて、たくさん泣いて、辛い思いしかしてないような 気がしてきて。 でもらいおんくんを好きなことを後悔することは...違う。
あなた
何度らいおんくんとつぶやいたか、数えきれないほどだね。 その声が前は届いてたのに、届かなくなったことが、 苦しいよ。
トイレに閉じ込められて、もうじき、3時間目が終わる頃かな... ミアが気づいてくれるといいんだけど... 3時間目の終わりのチャイムが鳴って、誰か来ないかなって待つ。
ミア
ミアの声だ。
あなた
ミア
ミアは引っかけてある棒を取って、開けてくれる。
ミア
あなた
ミア
あなた
ミアに引っ張られて、屋上に向かう。
あなた
ミアがサボるなんて、めずらしい。
ミア
ミア...
それから全部全部、らいおんくんを好きって気づいた日のことから ミアに話した。
ミア
ってよしよししてくるから、目に涙が溜まる。
ミア
あなた
ミア
ミアはほんとに、いい人だな。
ミア
って言うから、ミアの膝に頭を寝転がして、眠りについた。
~ミアside~
○○寝ちゃった...。 ○○の話、聞けてよかったな。 でも、ごめんね私嘘ついて。 ほんとは恋してるよ、テヒョンくんに。
でも、私はテヒョンくんより○○の方が大事なの。 ○○には助けてもらってばっかりだから、私も助けたい。 テヒョンくんは...本当にナラちゃんって子が好きなのかな...
どうもあの子は性格悪そうだなって思ってたんだよなぁ~...。 ○○を傷つけて、許せない。 4時間目が終わって昼休みの時間になった。 ○○を起こさないようにそーっと膝を動かして、 ○○の頭を床に置く。 購買で○○の好きなメロンパン買ってこよっと。
購買は、すごい並んでて、もうちょっと早く来ればよかったなんて後悔。 メロンパンを買って、屋上への階段を上っていると、 ○○の前でしゃがんでるテヒョンくんが見えて。 ○○は寝てるみたいだけど...
テヒョンくんは切なそうに○○を見つめて、頭を撫でる。 とても愛おしそうにおでこにキスを落として、ずっと、 切なそうに、苦しそうに、○○を見つめてる。
なんでそんな切ない顔をするんだろう。 やっぱりナラちゃんとは付き合ってないんじゃ...? あんなに愛おしそうに見つめる瞳は、心なしか、潤んでいるように見えて、 テヒョンくんを見てるのも辛いくらいだった。 テヒョン君が今呟いた言葉、遠くからでも分かった。 辛そうで、苦しそうな顔で、
テヒョン
やっぱり...テヒョンくんは○○のこと...。 ナラって女が絶対なにか仕組んで... 2人はきっとすれ違ってる。 テヒョンくんのそばに駆け寄って声をかける。
ミア
テヒョン
ミア
テヒョン
ミア
テヒョン
ミア
テヒョン
そう言って○○を見つめる。
テヒョン
○○に熱があることなんて気づかなかった。 ○○を元気にできるのはテヒョンくんだけなのに。
テヒョン
コメント
2件
ミアちゃんみたいな人になりたいし、ミアちゃんみたいな友達がほしい、、、
らいおんくんなんて優しいんでしょうか?