テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
19件
すっちー...
すちえちゃん( ´;゚;∀;゚;)
自分の対戦を終え、歓声に包まれながら自分の席に戻る。
少し冷えた風が滴る汗に触れると体が冷える。
Lan
Mikoto
Lan
らんらんと少し会話し、席に座る。
ふと、不思議と2人の試合に目が行く。
2人の白熱した試合。
交差する魔法。
……珍しいな。
彼女(すちえ)が正面から魔法でぶつからず、魔法で打ち消すなんて。 彼女らしくもなく、まるで別人。
だけど、やはり勝負はこさめちゃんが勝ち越した。 ___が、こさめちゃんはいつものように喜び、はちゃけたりしなかった。
Mikoto
ぼそりと呟いた声は周りの声で掻き消された。
不審に思いながらも、すちえを見ていた。 すると、その視界にはこさめちゃんが映ってきた。
彼は彼女の頬に手を当て、何なをしていたように思えた。
その行為が、俺に待った持って理解出来なかった。 なぜなら、彼女は俺らの初恋相手を散々に虐めた人。 そんな奴に何故こさめちゃんは優しくする。 訳が分からない。訳が分からないはずなのに__ 不思議と彼女(すちえ)に、彼(こさめちゃん)にすらも怒りが湧かなかった。
いつもならきっと……湧いてただろうに。
────何かがおかしい。 きっと何かが狂ってる。
きっとそれは…… すちえのせいなんかな。
ふんわりとした風が俺の方を撫でるかのようにすぎていく。
髪が揺れ、俺の瞳が揺らいだ。
痛く、苦しいこの思いは、 彼女(すちえ)のせいにしてしまいたかった___。
Mikoto
Ilm
なんでこんなにも心が重苦しく、胸がチクチクと痛むんだろうか。 別に怪我もしてないし、特に異常もない。
分からない感情に苛立ちを覚える。 いつもは正常に保っている"冷静"という感情も、いつの間にやら崩されている。 何故か……。 すぐにその答えが浮き上がってきた。
俺の目線が向く先、彼女。 すちえのせい。
あいつの傍にいくと、 心臓が飛び上がる程に心拍数が早くなって、緊張して、冷静を保っていられなくなる。
そして、あいつの傍に誰かが近づくと、胸が締め付けられるように痛い。
Ilm
Tukina saki
Ilm
Tukina saki
体操座りを崩して座っていた俺に対し、咲 は後ろから尋ねてきた。
咲 の笑顔は今ではどうしようもなく不気味に見えた。
咲 の浮かべる微笑みは、レッテルを貼られたかのような微笑み。
___昔までは、そう見えてなかったはずなんだけどな。
Ilm
Tukina saki
咲 は俺の服に顔を埋める。
声色からして泣きそうになっているのが分かる。
Tukina saki
Tukina saki
Ilm
Tukina saki
咲によると、どうも俺は日頃から すちえの方に目線がいっていたらしい。
そんな無意識にするもんなんだな。 と改めて思った。
Ilm
Tukina saki
俺は咲を抱き締めた。
咲は安心したかのように声色は戻っていた。
なぁ 咲。 どうして俺は、今の貴方が こんなにも……
見にくく映る醜態に 見えるのだろう───?
sutie
sutie
小さく呟いた声。
騒ぐ周りの声。
煩いと思いながらも自分の席に座る。
周りからは俺を罵倒するような言葉がうっすらと聞こえてくる。 きっと彼(こさめちゃん)と1回戦目で戦い負け、勝ったかのよつに戻ってきたように思えたからだろうか。
それと、女子の視線が物凄く痛い。
MOB
MOB
MOB
MOB
何となく彼女らが言った言葉が思い当たった。 先程、彼に頬を添えられた事に嫉妬でもしているのだろか。
MOB
MOB
MOB
MOB
sutie
小声で言っているように思えるが、聞こえるようにわざとらしく言っている。
自分でも少し分かる程に、顔が少し歪むのが分かる。 こういう陰口には慣れたつもりだった。 けど実際は慣れてはいなくて、どんなに忘れようと忘れられないものだった。 心の傷は深まるばかりで、そしてそれと同じように傷が増えていく。
MOB
MOB
緑鬼 翠
MOB
*ドゴッ*
緑鬼 翠
咄嗟に手で口を抑える。
ただその隙間から流れ落ちてくる嘔吐物。
膝から崩れ落ち、手をつく。
MOB
学生時代。
クラスメイトから虐められていた俺。
親にも先生にも見放され、俺に味方はいなかった。
そんな環境で育った俺は、いつの間にか人との関係に心を閉ざしていた。
sutie
はッ、と我に返る。
没頭していた意識から現実に戻る。
この夢は残酷だな(笑
心の中で苦笑しながら、繰り広げられる戦いを見つめた。
魔法と魔法が火花を散らし、人の心を揺さぶり高ぶらせる。 それ程までに、魔法は芸術でそれと同様に武器となる。
…………ほんの少し、気分が優れなかった。 その場の空気感や視線。 久しぶりの感覚に体は疲れたのかもしれない。
俺は1人で、この学園唯一の休憩所とも言える場所へ向かった。 昔の世界で言う保健室って所かな。
人々の視線が行き交う。
彼女に集まる。
周りからは「何処へ行くのだろう」
そんな声が絶たなかった__。
ただ彼女はそれを無視してその場をあとにした。
3話 謎めく考え _ 𝐟𝐢𝐧𝐢𝐬𝐡