こうじ
これ何?
ゆみ
コスモス!折り紙で折ったの!
こうじ
ふーん、ありがとう!
ゆみ
…ねえ、コスモスの花言葉知ってる?
こうじ
え?ううん。
ゆみ
…
こうじ
?
ゆみ
乙女の純情
こうじ
う、うん?
ゆみ
バカ!
トン
ゆみは俺の広い額にデコピンをしてほっぺを膨らませて言った。
ゆみ
だから、それをこうじにあげるって…。
こうじ
……ありがとう。
こうじ
……って
こうじ
え!それって!!
ゆみ
……。
こうじ
うん、こっちは大丈夫だよ。
こうじ
うん、マリエも気をつけて…。
こうじ
じゃ、また。
こうじ
……。
現れた幽霊は、マリエの悲鳴と共に姿を消した。
放心するマリエを落ち着かせた後、彼女を駅まで送り届け、またこの家に一人帰ってきたのだった。
こうじ
…ゆみ。
こうじ
間違いなくあれはゆみだった。
辺りを見渡す。ゆみの姿はない。気配もない。
こうじ
…
こうじ
…寝るか。
次の日
知り合いの社長
へー、幽霊ねー。
こうじ
はい。確かにあれはゆみだった…。
知り合いの社長
…ゆみちゃんか。
知り合いの社長
新しい彼女が出来たことに腹を立てて出てきたのかもな。
こうじ
…ゆみはそんな子じゃありませんよ。
知り合いの社長
そんな怒るなよ。1つの可能性だ。
知り合いの社長
何か、彼女が出てきたことに対する思い当たりとかないのか?
こうじ
心当たり…。
そう言われてみると1つ思い当たることがあった。
箱だ。マリエが開けたあの箱。
あの箱には、ゆみと付き合った日に貰った折り紙が入っていた。 ゆみが死んでからは一度も開けていない箱。
こうじ
(それをマリエが開けたから?)
こうじ
…いや、そんな馬鹿な…。
知り合いの社長
ん?
こうじ
いや、何でもないです。
知り合いの社長
……
知り合いの社長
こうじ。
こうじ
はい。
知り合いの社長
俺はお前が起業したときから、10数年の仲だ。
知り合いの社長
だからお前がゆみちゃんに対してどう思ってこれまで過ごしてきたのかも知ってる。
こうじ
……。
知り合いの社長
ゆみちゃんは病気で死んだ。お前のせいじゃないよ。
こうじ
…はい。
知り合いの社長
ゆみちゃんが、成仏出来ないのもお前がずっと後悔してるからじゃないか?
知り合いの社長
…いつまでも過去を引きずってても仕方ない。
知り合いの社長
全て背負って、前に進むしかないんじゃないのかい?
こうじ
……
知り合いの社長
さっきは化けて出てきただ、嫉妬してるなんて言っちまったが、
知り合いの社長
ゆみちゃんも、お前の幸せを願ってると思うよ。
こうじ
……はい、ありがとうございます。
後日
マリエ
うわー高ーい!そして夜の海は綺麗ー!!
こうじ
そうだね。
マリエ
でもこの岩から落ちたら、絶対死ぬね…!
こうじ
………
マリエ
…ね。この前のさ幽霊だけど、
こうじ
うん。
マリエ
あれってもしかして、こうじの…
こうじ
うん。元カノ…。
マリエ
やっぱり…。
こうじ
……。
マリエ
怒って出てきたのかな?…なーんて。
こうじ
…かもしれないね。
マリエ
今でも、彼女のこと好きなの…?
こうじ
……。
こうじ
マリエ。
マリエ
うん?
こうじ
これ。
マリエ
! これって…。
こうじ
うん。うちの合鍵。
マリエ
いいの?!
こうじ
勿論!マリエは俺の彼女だから。
マリエ
ありがとう!!
こうじ
うん。
マリエ
……ね、こうじ。
こうじ
ん?
マリエ
目つむって。
こうじ
うん。
マリエ
……。
マリエ
きゃ!
こうじ
え
こうじ
まさか!!
こうじ
ゆみ…!
マリエ
きゃ!なんなの!
こうじ
ゆみ!
そう叫ぶと同時にゆみの姿が薄くなっていき消えていった。
こうじ
……。
マリエ
…もういや!!
こうじ
…マリエ。
こうじ
……。
こうじ
マリエ、少し待っててくれるか。
マリエ
え?
こうじ
…ゆみを…
こうじ
成仏させる






