数分後
校舎裏
菜月
…。
昴月
…あ、
昴月
やっぱ来てくれた。
菜月
…べつに、
菜月
終わらせようと思っただけで、
菜月
貴方のために来たんじゃありませんから…。
昴月
…。
昴月
変わってないね、
昴月
菜月は。
昴月
17年前の冬、
昴月
覚えてる?
菜月
…え、
昴月
母さんが死んでから、
昴月
菜月は養護施設に預けられたっけ。
菜月
…。
昴月
…菜月が施設に預けられても、
昴月
ずっとずっと一緒だって、
昴月
信じてたのにね。
昴月
…なのに、
昴月
早川だとかいうとこと婚約結んで、
昴月
勝手に1人で幸せに暮らして、
昴月
おかしいと思わない?
菜月
それは…っ、
昴月
菜月が幸せに暮らしてるなか、
昴月
俺はどういう生活してたか分かる?
昴月
毎晩借金取りが来て、
昴月
それにイラついた父さんに暴力ふられる、
昴月
その繰り返し。
菜月
あのときは知らなかったの、!
菜月
昴月がどういう生活してたかとか、
菜月
借金があったとか…、
菜月
全然…。
昴月
…。
菜月
私だって、
菜月
ずっとずっと昴月に会いたいって、
菜月
思ってた、
菜月
…けど、
菜月
ニュースでお父さんが果物ナイフで刺されたって聞いて、
菜月
警察はきっと事故だって言ってたけど、
菜月
…昴月がやったのかもって、
菜月
怖くなって…っ、
昴月
…。
菜月
勝手に1人で想像して…、
菜月
ごめんなさい…っ、
昴月
…。
昴月
綺麗、
菜月
…え、
ギュ
昴月
好きだよ菜月、
菜月
…え……?
昴月
(もっともっと、)
昴月
(俺のためだけに、)
昴月
(泣いてくれればいいのに…。)
##14もお楽しみに