太宰くん
太宰は1人暗闇の中、 何処からか持ってきた オダサクマン人形に顔を沈ませていた。
太宰くん
太宰くん
太宰は弱々しい声で 今は居ない彼の名を呼ぶ。
太宰くん
太宰くん
太宰くん
織田作
織田作、、?
何、言っ、て─────。
太宰くん
太宰くん
太宰くん
太宰くん
捜索隊
太宰くん
太宰くん
太宰くん
太宰は怖がっていた、 "あの悲劇"を思い出したばかり というのもあり、余計に 混乱していた。その証拠に 息が上がっている。
太宰くん
太宰はオダサクマン人形を 抱えたまま産まれたばかりの 子鹿のように立ち上がった。
太宰くん
太宰くん
太宰くん
太宰の目には光などなく、 ただ迷う渦と、 真っ黒な闇だけだった。 太宰は汗をかきながら オダサクマン人形をぎゅっと抱きしめ、 心の中で名前を叫び続ける。
ガサッ
物が動く音がした。
太宰くん
捜索隊
捜索隊
太宰くん
捜索隊
太宰の不安等知る由もなく、 数名の調査隊は太宰に寄ってくる
太宰くん
太宰はおずおずと後ろに下がっていく
捜索隊
太宰くん
泣いてこそいなかったが、 太宰は恐怖と不安で 胸が裂けそうだった
太宰くん
太宰は彼の名をまた、 心の中で叫ぶ
捜索隊
太宰くん
声に出してもなお、 彼は助けに来てはくれない
何故なら彼はもう、 この世にはいないのだから。
太宰くん
太宰くん
太宰の声は、 今にも泣き出しそうな 子供のようだった
太宰くん
ズルッ
その瞬間太宰の中で 時が止まった
思考が、景色が、音が、 声が、全てが停止したような気がした
太宰は、後ろに下がっていくうちに 部屋の壁にたどり着くかと 思っていたのだろう。 しかし、太宰の後ろにあるのは、 壁ではなく全開に開けられた窓だった、 太宰は、自分の意志関係なく、 自分で窓から身を投げたのだ。
中也
太宰くん
中原の必死に自分を呼ぶ声で、 全てがまた動き出した。
太宰くん
中也
中原は必死に太宰の 片手首を掴んでいた。
捜索隊
中也
捜索隊
太宰くん
中原は今まで見せたこともない 声で調査隊達に怒鳴った
太宰くん
中也
中原は太宰と目を合わせ、 少し情けない顔をした
中也
太宰くん
太宰くん
中也
中也
太宰くん
織田作
太宰くん
太宰くん
太宰くん
太宰くん
中也
中也
太宰くん
中也
太宰の顔は、 とても穏やかだった。
太宰くん
中也
太宰くん
中也
中也
中原が何か 違和感を覚えていることも知らずに、 太宰はまた1つ、中原に問いかけた
太宰くん
太宰くん
中也
太宰くん
中也
中也
太宰くん
太宰くん
中也
中也
中原は嫌な予感が、 いや、嫌な確信が 脳髄に浮かび上がった。
中也
太宰くん
太宰は隠し持っていたガラスの破片を 中原の手の甲に刺した。
中也
スッ
中原は咄嗟に 手を離してしまった。
命綱の無くなった太宰は、 ゆっくりと落ちて行く
中也
中原は必死に手をのばすが、 間に合わない
中也
しかし太宰は地に到達する。
中也
中原は、突然の出来事に思考が 追いついていなかった。
吐き気と耳鳴りが止まらない。 中原は絶望と罪悪感で いっぱいになった。
中也
中也
俺から奪って いかないでくれ、、。
コメント
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今回曇らせすぎちゃいましたかね……? どちらにしろもうこの物語も終盤に近づいて来ました、 早いものですね