月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんはUターン! ・nmmn ・安定の青黒メインです ・白水&赤桃要素も少しあります ・猫背の彼にまつわるあれやそれ。
月見。
まろは猫背だ。
治せないなんてことはないし、こっちが指摘すれば面白いほどにピン!と背筋を伸ばしてくれる。
これはただの俺の偏見だが、姿勢良さそうなのになんで彼は猫背なんだろうか。
小さい頃からの癖なのだろうか。それともやっぱりデスクワークか。
なんて、そんな小さな疑問を浮かべながら、今日もその猫背を見つめている。
後ろから
青
黒
キッチンに立ち料理をしていれば、聞き慣れた声と共に肩に重みが加わった。
後ろから俺に抱きつき肩に顔を埋めてくる彼の髪がさらさらとくすぐったい。
青
毎日のことだと言うのに、今日も目を輝かせて嬉しそうに聞いてくる彼にふっと笑みが溢れる。
黒
青
黒
青
黒
青
好物を作ってもらった時の子供みたいに、あんまり嬉しそうに笑うものだから。
それだけで、こっちも簡単に満たされてしまう。
青
黒
青
黒
青
黒
それこそ今更だと言うのに、自慢したくなるほど喜んでくれるとは。
ハンバーグを作るのだって何度目か分からない。けれどそれを当たり前に終わらせず、いつも明るく笑顔で喜んでくれるのがまろだ。
正直、嬉しい。あまり自分でこういうことは言いたくないが、俺は周りが思ってるよりもネガティブ思考が強くて、少し素っ気なくされただけですぐ不安になってしまうから。
青
ないこに連絡してるのか、上機嫌でスマホをいじる彼を見て、俺はふっと口元を緩めた。
近いよ
赤
青
赤
深い説明も無く急に話を切り出して来たりうらのスマホに写し出されていたのは、とある二つの飲食店の写真だった。
唐突やな、と心の中でぼやきつつ、その二つを見比べる。
青
赤
青
赤
青
誰が今の文脈から対象がないこだって察すると??
コイツの偶に出てくる恋人馬鹿はなんなんだ。いかにも自分はまともですよ感を出しておいて、お前ないこのこと好きすぎだろって思うようなことを平然としてくる。
青
俺よりもないこのこと詳しいやろ。
赤
青
だからってないこに関する知識量が今りうらに勝っているとは思わない。と言うか俺はあにきとの方が知り合って長いし。
赤
青
言っても偶に行くくらいだ。なんなら断然あにきとの方が出かけてるし。
赤
青
赤
まじか。完全に無意識だ。
青
赤
青
赤
青
スマホから顔を上げたりうらが、驚いた様な声を上げた。
青
赤
青
りうらの言葉を受け、首を傾げる。 ・・・近い?
青
そう言って、俺は曲げていた背中をいつも通りに戻した。一気にりうらとの距離が開く。
赤
青
赤
最年少君がなんか言ってら。
赤
青
赤
青
今度撮ろうとしている歌について相談を持ちかけた俺は、ご丁寧に答えてくれるまろの話を有難く思いつつも、それより気になることのせいでその話を上手く聞けずにいた。
赤
青
あぁ、また気付いてないやつじゃんこれ。
赤
青
赤
青
さっき指摘したばかりだと言うのにまたもや前のめりで覗き込む様にして話してくるまろ。誰が乙女だ誰が。
青
赤
青
なるほどね、あにきといつも一緒にいて、いつもその目線に合わせて話してるから。その癖で俺にも合わせてるって訳か。俺とあにきそんなに差無いからな。・・・チビじゃないから!!
と言うか、あにきとの距離感を基準にしないで欲しい。バグってるんだよそこの距離感。
赤
青
赤
偶然なのにまろが過激派なせいで俺が意図的にやってるみたいになってるじゃん。違うから。
相変わらず対あにきへの愛が強過ぎるまろに小さく溜息を吐き、俺は歩き出した。
赤
青
声でか。
赤
ちらりとまろの方を振り返って小さく笑えば、唖然としていたまろはふっと口角を上げた。
青
赤
ひらひらと手を振り、その場から立ち去る。結局お互いのこと大好きなんだから、二人には末長く爆発してて貰えばいい。
二人が一緒にいないとこっちが落ち着かなくなるくらいには、もう染み付いてしまったんだから。
明日には二人が仲良くくっついているであろうことを想像しながら、俺はないくんへ連絡をする為にスマホを取り出した。
こんな当たり前が、結局一番幸せなのだ。
とし?
水
視界に映ったその青い髪を見て、僕は首を傾げた。
水
青
水
青
ビジネス不仲よろしく、いつも通り煽り要素有りで話してくる彼の言葉は仕方ないから大人な僕がスルーしてあげよう。流石僕大人!偉い!
水
ここは駅前。行き交う人の中に、見慣れた高身長を見つけ思わず声をかけたのだ。
青
水
青
水
この人のあにき愛の強さには最早呆れてしまう。と言うかそこで怪訝な顔されるないちゃんが可哀想だ。どんまい、苦労人ないちゃん・・・。
青
水
青
水
青
水
自分は普段散々惚気て来るくせに!!
水
青
水
青
水
あにき、君の恋人こんなに性格悪いよ一旦やめた方がいいんじゃない?
なんて、口に出せばいふくんから拳骨を食らうであろう言葉を心の中で吐き出した。当然あにきには届かない。
もういいやいふくんは知らん、とスマホを取り出した僕は、視界の端に映るいふくんの姿を見て、あ、と思わず声を漏らした。
そうだ。さっき彼を見つけた時、なんで首を傾げたのか忘れていた。
水
青
視線の先で、いふくんが自分の背中に片腕を回し何やら背中をさすっていた。
さっき見つけた時も、この動作をしてた。
青
水
青
水
体の一部が偶に痛くなることは僕にもあるし、そんなに大事では無いだろうけど、背中がそんな風になる経験はしたことないなぁ。
水
原因を考えてみて、ふと思い当たる。
水
青
うわ怖。
普段デスクワークをしてる彼は、所謂猫背である。
よくあにきに「まろ、猫背」と言われているのを目にする。その度にぴん!と背筋を伸ばして、あにきに褒めてもらってる。あにき以外に指摘されると滅茶苦茶嫌そうな顔するくせに。
青
水
青
水
愛の力って凄いな、と深く考えもせず思う。いふくんはあにきならなんだって良いんだよね多分。
水
青
猫背以外の理由を探してみて、僕は閃いた。
水
青
また碌なこと言わなそうだな、とその顔が全面で語っているのを感じながら、僕は気持ち良いくらいの笑顔を浮かべて言ってあげた。
水
直後、僕の頭に拳骨が降ろされた。
そう言えば。
白
青
白
早々に責任を放棄すれば、まろちゃんからのじとっとした視線が送られてくる。僕は知らなーい。
今日はかなり久しぶりにまろちゃんとご飯に来ていた。ちなみにまろちゃんの奢りである。あざす。
ぐだぐだといろんな話をしている中、話題に上がったのは先日のいむくんのこと。
僕が待ち合わせ場所に着くと、先に着いて待っていたいむくんがたんこぶを作って半泣きで泣き付いてきた時は流石にびびったわ。
それがどうやら、いむくんのデリカシー無し発言が原因だったとか。
青
白
しれっと悠くんのこと込みで怒る辺り、流石やなぁと心の中で静かに感心する。彼は特に意識なんてしてないんだろうけど。
白
青
白
そう軽く返してから、ふと考えた。
・・・猫背猫背言っとったけど、まろちゃんって言うほど猫背か?
正面に座る彼をちらっと一瞥する。特に気にならない。と言うか猫背か?なんならどっちかと言うと姿勢良い方ちゃうん?
少し記憶を遡ってみるが、今までまろちゃんの猫背を気にしたことは無かった気がする。僕が気にしなさすぎなだけだろうか。
ないちゃんなら、最近特に姿勢とか気にしてるらしいし、まろちゃんのも気になったりしとるんかな。
答え合わせ
桃
唐突に投げられたその質問に、俺はきょとんとして初兎ちゃんを見た。
白
ないちゃんどう思う?と尋ねてくる初兎ちゃんに、はてと考える。
まろの猫背。あにきがよく言っているから、もうまろ=猫背みたいなイメージが定着してしまっていたけど。
・・・確かに、まろと二人でいる時とか、そんな気にしたことないかも。
そもそも、まろってそんな猫背だったっけ。偶に一緒にご飯食べに行ったりするけど、特別猫背が酷いと思った記憶は無い。
水
赤
離れた所で雑談をしていた年少組の二人が話に混ざって来る。まぁ初兎ちゃんとほとけっち同い年だけど。
桃
水
白
赤
りうらの視線を追えば、そこにはあにきと楽しそうに話すまろがいた。あの笑顔よ。
白
桃
じゃあなんでいつもは気にならないんだろうか。別にどうでも良い話題なのに考え始めたら滅茶苦茶気になって来た。
赤
白
赤
水
白
あー、いつもあにきと至近距離で喋ってるもんな。しかも目線を合わせてるなら尚更。
・・・目線を、合わせて。
桃
白
赤
桃
水
桃
青
家の中に響き渡った大声が俺の言葉を遮る。
青
黒
青
黒
青
黒
赤
白
桃
この数秒の間に、俺の中の考えは確信に変わっていた。
桃
赤
水
当たり前って、無意識って、つくづく恐ろしい。
桃
依然としてキッチンでイチャイチャしている二人を指差す。
六人分の昼食を作ってくれているあにきを包み込む様にして後ろから抱き着き、その肩に顎を乗せながらあにきと喋っているまろ。その表情は言わずもがなゆるゆるである。
水
桃
白
赤
桃
白
赤
頷く初兎ちゃんと苦笑するりうらの言葉に首を縦に振る。そう、そうなのだ。
桃
赤
白
察したらしい二人が気恥ずかしそうに笑う。その間で、ほとけっちがキョロキョロと二人を交互に見つめていた。
水
白
水
白
水
赤
水
上手い表現が見つからないらしく、ほとけっちがわたわたと手を動かす。まぁ、これに至っては全部言葉にするより察しろって感じだしね。
桃
癖って凄いな、と最早呑気に考える。
こんなところからもまろのあにき愛を感じるなんて、思ってもいなかったが。
赤
桃
白
水
こんな最大限の惚気が、他にあるだろうか。
青
黒
青
黒
青
瞬時にピシッと背筋を伸ばすまろ。そんな彼に、あにきは可笑そうに表情を緩めて笑って。
そんな幸せな猫背なら、お前は一生猫背になっとけ。なんて、思ってしまうくらい。
桃
原因なんて知らなくて良いし、きっと知った所で彼は治さないだろう。
大きな彼は、今日も愛しい彼女の為に背中を曲げている。
コメント
11件
尊すぎます… 前から作品を見ているのですが、どれも素敵な作品ばかりで命が足りません…!! 青組の絡みが面白かったです…(◜ᴗ◝ )