sakura
sakura
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いつも通りの朝
桃
召使い
桃
召使い
桃
いつも通り桃さまを見送る
桃
青
青
桃
桃
青
パタン(玄関)
青
…でも、これも今日で終わり
今日僕は、この家から出ていく
絶対に、逃げ出すんだ
まあでも、逃げ出すといっても、直ぐに逃げ出すわけじゃない
お昼頃に、玄関の見張り役が一瞬だけ居なくなるタイミングがある
その数分の隙を狙って逃げ出す
その時間になるまでは、周りの目につかないようにいつも通り過ごさなきゃいけない
僕は着る服の準備だけをして、時間になるまで逃げるルートを頭の中で確認していた
11時45分
青
時計を見るとあと少しで12時になるというところだった
まず、玄関に行くまでのルートの中でお手洗い場がある
そこで服を着替えて、バレないように移動しなければならない
僕は着替えを手に持って、自室を後にした
青
青
お手洗い場まではあっさりと簡単にたどり着けた
いつも通りにしていれば、特別疑われることは無い
傍から見れば、ただ奴隷がお手洗い場に向かっているだけの絵図に見えるだろう
ただ、ここからが問題だ
さっきとは違う服だし、何よりこの家に来てからこの服を着た記憶が1度もない
見たことも無い服を着た知らない奴が、その辺をコソコソ動き回っているのを見たら、明らかに不審がられるだろう
青
僕は脱いだ服を物陰に隠し、持ってきた黒のパーカーを着た
鏡で首輪が隠れているのを確認してから、こっそりとお手洗い場を出ていった
廊下をこっそり進んでいくと、何人かの召使いが見回りをしていた
召使い1
召使い2
青
僕は身をかがめて物陰に隠れながら様子を伺うことにした
パッと周りを見ると、召使いは数人いるものの、全員がここにいる訳では無い
しかも、ほとんどの召使いがお互いに話しながら見回っているため、こちらに注意が向きづらい
これなら、物陰に隠れながらこっそり進めるかもしれない…
そう思った僕は、周りの召使い達に注意を向けながらゆっくりと動き出した
そして案の定、簡単に視線をくぐり抜けながら進むことができた
僕の目の前には、玄関があるフロアへ続く扉が近づいてきていた
青
そう思った瞬間、僕はホッとした衝動で棚の角に足をぶつけてしまった
そんなに大きな音はならなかったけれど、近くにいた召使いの耳には物音が聞こえたらしく、こちらを不審そうに見ていた
僕はギリギリで物陰に隠れたから、姿を見られはしなかったけれど……
召使い1
そう言いながら、召使いはこちらにゆっくりと近づいてきていた
青
僕が今いるところは、とても隠れるのに最適と言える場所じゃなかった
一瞬で隠れたため、棚の横にしゃがみこむ形になってしまっていた…
さすがにこれで近づいてこられたら、秒でバレてしまう
僕は少しでもバレないように身を縮こませて、召使いがこちらに来ないことを祈った
召使い1
青
どんどんと足音が近づいてくる
もう終わったと思い、諦めかけた時
召使い2
召使い2
召使い1
召使い2
召使い2
召使い2
召使い1
召使い1
召使い2
召使い1
青
青
耳を澄ますと、召使いたちの足音は遠のいて行った
青
僕は体から緊張を解いて、小さく息を吐き出した
玄関の前まで来ると、案の定召使いが2人ほど立っていた
周りを見渡すと、このフロアには2人以外の召使いは居ないようだった
陰に隠れながら玄関の近くにある壁掛け時計に目をやると、あと1、2分でお昼になるところだ
青
僕は息を潜めて時間が経つのを待った
数分のはずなのに、この時間がやけに長く感じた
しばらく待っていると、聞き覚えのある鐘の音が鳴り響いた
時計を見ると、針がきっかり12時を指していた
その鐘の音が鳴った直後、2人の召使いは喋りながら次の見張り役を呼びにこのフロアから出ていってしまった
2人がいなくなったのを見計らって、僕は走って扉に近づいた
青
僕は急いで扉の取っ手の上下に付いている鍵を開けて、1度後ろを確認してから玄関の扉を開けた
……いや
開けた"はず"だった
sakura
sakura
sakura
sakura
コメント
78件
開けたはず?どういうことやァァ!
💙ちゃん殴ったり傷つけるのは許さないけど、もう展開が毎回ドキドキする所で終わるから続きが楽しみなんよなぁぁぁ!!!まじで好きです
コメント失礼します(*・ω・)*_ _)ペコリ 「開けた”はず”」?!続き気になる!!!!