彼らの努力と苦しみを

ｶﾞﾗﾗﾗ...

初めて見る看護師さん

僕のご飯を持ってきてくれた

病院食

正直美味しいと思ったことは無い

でも食べないと

気持ち悪くなったら

後で吐いてしまえばいい

そうすれば誰にも迷惑かからない

そう思って食事を無理矢理口に運ぶ

辛そうだったから

そう言って看護師さんは部屋を出ていく

久々に人に心配されたかもしれない

…あの人が帰ってきたら名前を聞こう

それまで大人しく…

ｶﾞﾗﾗﾗｯ…

動揺で何も言えない

だめだ

嘘ついてたのばれちゃった

どんな顔して

顔を合わせれば…

なんでなの

運動とか無理でしょ、？

どうして、ｯｯ…っ！

急に胸の辺りが苦しくなる

いたい

痛い…っ

上手く息ができない

あっちゃんが走りよってくるのが見える

ごめん、ごめんなさい

僕なんかに時間使わせて

ごめん、ここにいること言ってなくて

ごめん

こんな声聞かせたくない

こんな顔見せたくない

必死に口を塞いで、声をおさえる

あっちゃんは僕のことを責めず

僕が落ち着くまで

ただ背中を摩ってくれた

ｶﾞﾗﾗﾗ...ｯ

咄嗟に笑顔をつくる

あっちゃんが急ぎ足で部屋を出ていく

早足でベッドに近づく